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第一章 婚約者破棄
第1話 (改稿)
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「シェル!貴様の様な意地の悪い女とは婚約破棄する! 今直ぐ私の前から消えろ!」
卒業の祝が儲けられて居るパーティー会場の場で、私は友人達と談笑していると、突然現れたお邪魔虫に振り向き、友人達より一方前に出て、私に対して婚約破棄をすると宣う人物の言葉に一瞬誰に言ってるの?と、記憶を巡らせた。
ん?
婚約破棄?誰と誰が…「ああ、私とか……」小声で呟いてからまた考える。 ふむ…婚約破棄ですか?
暫しの沈黙の後、私は声の主にこう口を開いた。
「あら、殿下じゃありませんこと?ご機嫌麗しく。パーティーでのエスコートもして戴けなくて、何処に居るのかと思いきや、今頃ご登場ですの? ところでいま…不遜な言葉を聞いた気が致しますが。その…失礼ですが私の空耳でしょうか? 婚約破棄と聞こえましたが、本気ですの?」
私は手にしている扇子で口許を隠して殿下に聞いてみた。
「ふん!貴様の様な女を私が何故エスコート等せねばならんのだ?」
「あら、それはまた…ですが殿下? あなた様は私の婚約者なのですから一応ねぇ…フフフ」
「お、貴様は私をバカにす……」
してないわよ!婚約破棄するなんて前から知ってたのよ!馬鹿にするのにも色々とネタがいるのよ?そのネタすら取り上げるのもばかばかしいから、スルーしてるだけよ。
「馬鹿になど別にしてませんが……婚約破棄の事は、まあそれは置いておいてですね殿下。その…少々お伺いしても、宜しくて?」
「置いて……むぅ…まあ、貴様等とはもう口も利きたくはないのだが。まあ、良い最後ぐらいは聞いてやる。で、なんだ?」
ムッカ!最後ときたかこの男は!
「殿下のお隣にいらっしゃるご令嬢は何方かしら?」
とりあえず知らない女性だし!
なんとなく想像は出来るし?
初お目見えなのは事実だし!
そもそも、浮気女を連れてきてるのは何故かしら?ここは一応関係者以外は立入禁止なのよ?知らないとは言わせないわ。
「……なに? 貴様がこのルルベルを知らぬ訳がないだろ?」
このル……知らんがな!
知らないのに知ってるっと言われてもと、ぽかんとしてると殿下の後ろに隠れて目に入らなかったけれど…その者達から避難をされる。
「「「そうだ!、ルルベル様を知らない訳がないだろ?」」この性悪る女め!」
し、しょう…来たわね、王子のひっき虫三人組が。
はぁ~情けない!そんな女にまんまと騙されて。
貴殿方にも、婚約者は居るでしょうに。いったい何してるのかしら。
確かあの三人組、一人は宰相の息子で三男のロペス様だったかしら?多分…
もう一人は確か財務大臣の…えっと…ああ!ザンネ様だったわね。
それから…ああ、騎士団長のご長男でグロース様ね。あぁ~あ、自分の将来まるっと潰すのね…残念。
三人とも顔だけは良いのに……本当に残念ねぇ~。
というか、性悪って……私の事かしら?
「はぁ……何を申されてるのかが、分かりませんが…。私はその方をお見受けするのは、今が始めてですわ」
「そんな訳がないだろ!貴様がこのルルベルにしたことは罪に成るのだぞ!」
「私がその方に…? 記憶に御座いませんわね? いったい私がその方に何をしたと仰るのかしら?」
「惚けないでよ!貴女が昨日学園の階段から、私の事を後ろから突き落としたじゃない!」
「ククク、だそうだそ? シェル、私は普段から貴様の事は意地の悪い女だと思って居たが…。そんな女と私が結婚等する訳がないだろ? 私はこのルルベルと、結婚するのだからな!ハハハ」
「何を笑っているのか存じませんが、殿下? 此のような公の場で、そんな有りもしない虐めとやらで、私に婚約者破棄すると仰るのですか?」
自分は浮気してる癖に何が婚約破棄なのよ!こっちから願い下げよ。まったく忌々しいったら。
「ふん!当たり前だ、貴様がやったんだろ?ルルベルを階段から突き落としたんだろ?」
「さぁなんの事やら? 私にはそんなことが出来るとでも?」と否定するとまさかのお邪魔虫の女が口を挟んで来たわ。邪魔よ今は私が殿下と喋ってるのよ!
「王子さまぁ~あの意地悪な女とは早く別れて下さいませ?」
と、のっぺりした甘ったるい口調で飛んでも無いことを言い、ランベルト王子の傍らにへばり付いてる緑色の髪をした頭の軽そうなご令嬢が宣ったわ。
殿下は私が目の前の令嬢に、虐めをしていたと高らかに宣言する。
その王子の言葉に、会場に居たが者達がざわつき始める。
はぁ~このままじゃ不味いけれど…
でも待って!
その子が階段から落ちて?
その割には元気…なご様子ですわよね。
…ああ、この世界には魔法が有ったわね。
だけど私はそんなことはしてませぇ~ん。
寧ろ私が昨日誰かに階段から突き落とされたわ。
……あれは油断したわ……。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
プロローグの内容と1話の重複部分がありますが、プロローグと若干違っております。そして追加の話しがありますので決してバグではございません。
よろしければ、お読みくださいませ。
お気に入り登録ありがとうございます。
作者としてはそれが糧になります。
そして、やる気も出るのです。
卒業の祝が儲けられて居るパーティー会場の場で、私は友人達と談笑していると、突然現れたお邪魔虫に振り向き、友人達より一方前に出て、私に対して婚約破棄をすると宣う人物の言葉に一瞬誰に言ってるの?と、記憶を巡らせた。
ん?
婚約破棄?誰と誰が…「ああ、私とか……」小声で呟いてからまた考える。 ふむ…婚約破棄ですか?
暫しの沈黙の後、私は声の主にこう口を開いた。
「あら、殿下じゃありませんこと?ご機嫌麗しく。パーティーでのエスコートもして戴けなくて、何処に居るのかと思いきや、今頃ご登場ですの? ところでいま…不遜な言葉を聞いた気が致しますが。その…失礼ですが私の空耳でしょうか? 婚約破棄と聞こえましたが、本気ですの?」
私は手にしている扇子で口許を隠して殿下に聞いてみた。
「ふん!貴様の様な女を私が何故エスコート等せねばならんのだ?」
「あら、それはまた…ですが殿下? あなた様は私の婚約者なのですから一応ねぇ…フフフ」
「お、貴様は私をバカにす……」
してないわよ!婚約破棄するなんて前から知ってたのよ!馬鹿にするのにも色々とネタがいるのよ?そのネタすら取り上げるのもばかばかしいから、スルーしてるだけよ。
「馬鹿になど別にしてませんが……婚約破棄の事は、まあそれは置いておいてですね殿下。その…少々お伺いしても、宜しくて?」
「置いて……むぅ…まあ、貴様等とはもう口も利きたくはないのだが。まあ、良い最後ぐらいは聞いてやる。で、なんだ?」
ムッカ!最後ときたかこの男は!
「殿下のお隣にいらっしゃるご令嬢は何方かしら?」
とりあえず知らない女性だし!
なんとなく想像は出来るし?
初お目見えなのは事実だし!
そもそも、浮気女を連れてきてるのは何故かしら?ここは一応関係者以外は立入禁止なのよ?知らないとは言わせないわ。
「……なに? 貴様がこのルルベルを知らぬ訳がないだろ?」
このル……知らんがな!
知らないのに知ってるっと言われてもと、ぽかんとしてると殿下の後ろに隠れて目に入らなかったけれど…その者達から避難をされる。
「「「そうだ!、ルルベル様を知らない訳がないだろ?」」この性悪る女め!」
し、しょう…来たわね、王子のひっき虫三人組が。
はぁ~情けない!そんな女にまんまと騙されて。
貴殿方にも、婚約者は居るでしょうに。いったい何してるのかしら。
確かあの三人組、一人は宰相の息子で三男のロペス様だったかしら?多分…
もう一人は確か財務大臣の…えっと…ああ!ザンネ様だったわね。
それから…ああ、騎士団長のご長男でグロース様ね。あぁ~あ、自分の将来まるっと潰すのね…残念。
三人とも顔だけは良いのに……本当に残念ねぇ~。
というか、性悪って……私の事かしら?
「はぁ……何を申されてるのかが、分かりませんが…。私はその方をお見受けするのは、今が始めてですわ」
「そんな訳がないだろ!貴様がこのルルベルにしたことは罪に成るのだぞ!」
「私がその方に…? 記憶に御座いませんわね? いったい私がその方に何をしたと仰るのかしら?」
「惚けないでよ!貴女が昨日学園の階段から、私の事を後ろから突き落としたじゃない!」
「ククク、だそうだそ? シェル、私は普段から貴様の事は意地の悪い女だと思って居たが…。そんな女と私が結婚等する訳がないだろ? 私はこのルルベルと、結婚するのだからな!ハハハ」
「何を笑っているのか存じませんが、殿下? 此のような公の場で、そんな有りもしない虐めとやらで、私に婚約者破棄すると仰るのですか?」
自分は浮気してる癖に何が婚約破棄なのよ!こっちから願い下げよ。まったく忌々しいったら。
「ふん!当たり前だ、貴様がやったんだろ?ルルベルを階段から突き落としたんだろ?」
「さぁなんの事やら? 私にはそんなことが出来るとでも?」と否定するとまさかのお邪魔虫の女が口を挟んで来たわ。邪魔よ今は私が殿下と喋ってるのよ!
「王子さまぁ~あの意地悪な女とは早く別れて下さいませ?」
と、のっぺりした甘ったるい口調で飛んでも無いことを言い、ランベルト王子の傍らにへばり付いてる緑色の髪をした頭の軽そうなご令嬢が宣ったわ。
殿下は私が目の前の令嬢に、虐めをしていたと高らかに宣言する。
その王子の言葉に、会場に居たが者達がざわつき始める。
はぁ~このままじゃ不味いけれど…
でも待って!
その子が階段から落ちて?
その割には元気…なご様子ですわよね。
…ああ、この世界には魔法が有ったわね。
だけど私はそんなことはしてませぇ~ん。
寧ろ私が昨日誰かに階段から突き落とされたわ。
……あれは油断したわ……。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
プロローグの内容と1話の重複部分がありますが、プロローグと若干違っております。そして追加の話しがありますので決してバグではございません。
よろしければ、お読みくださいませ。
お気に入り登録ありがとうございます。
作者としてはそれが糧になります。
そして、やる気も出るのです。
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