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第10章
第56話 昔ばなし………
しおりを挟む「脅威ですか………まぁ。従魔が居るご令嬢等は聞いたことは無いね?だが……パトリシア嬢のその、知識は宝だと思うのだが……?」
「はぁ……そんなこと言われたことが無いですわね?と言っても……。私はあまり知り合いが居りませんし、友人もいま城に来ているあの二人だけです。そして、友人にはルト達の事は話して居りませんし。……温室の事も話しては居りません」
「だから?そんな事を、いちいち気にするのかい?案外気にするのだね?」
「気にはしますでしょ?といか、案外?殿下も失礼ですわよね?」
「ハハハ、これは失礼。だけれど君の才能、というか能力かな?良く分からないが……。人に言うのはタイミングだったり、言って良い人間か違うかの、問題だけではないのかな?」
まぁ、そうねぇ……案外マリエールなら、チビッ子達を受け入れてくれそうだけど……イリアは……。ちょっと難しいかしらね。
「そうなのかしら?でも、言えない部分が多いですわね。お兄様達はすんなりと、私の事を受け入れてくれてますが……祖父母達は違いますから」
「それは家族だからでは?失礼だが……君の祖父母達は何故拒否を?」
「さあ?殿下の仰る通りなのでは?言って良い、人間達ではなかったのでしょう」
「そ、そうか……。君も苦労をしてるのだね?」
「苦労……そうですわね。私の苦労は5才の時から始まってますから……苦労人なのかしら。自分で言うのもなんですが。フフフ」
「ハハハ。君は面白い事を言うね?5才から苦労を?」
「ええ、あの王子と婚約の話しは御存じですわよね?」
「ああ……まぁ知ってるよ。君、まさかあのデビュタレントの時が、王子との婚約じゃ無かったのかい?」
「……違いますわ。正確には5才の時からですわね」
「正式発表を、あの10才の時のデビュタレントにしましたが……」
「5才から………あんな」
「あら、前の王子の評判は殿下のお国にも?」
周辺諸国にまで、噂は広がってたのね……恥ずかしいわ。
「ああ、使えない第三とね?我が国とは国交があったからね。噂は耳に入っていたよ?たしか第一王子に第二王子までは幾分優秀だとか?」
「幾分……ですか?」
「ああ、私は第五王子だからね。噂程しか知らないんだよ。子供の頃……あのデビュタレントのパーティーに、少し顔を出した程度だ。そこで君を見つけた」
「そうでしたのね?恥ずかしいですわね。あの時の私は早く屋敷に帰りたくて……」
「ああだから、硬い表情をしてた?それもと緊張かな?」
「どちらもですわ。あの王子ダンスもまもとに踊れないのですわよ?」
「は?それは……恥ずかしい処ではないだろ?デビュタレント、しかも婚約発表だろ?注目の的しゃないか!」
「フフフ。そうですわね?その注目の的様が我が儘を言って、場を白けさせて。私と王子のダンスは取り止め。ここはご覧にならなかった様ですわね?」
「あ、ああ。直ぐに父に手を引かれてその場を後にしたからね。招待されていなかったし」
「まぁ!他国の御客様を、ご招待もしなかったのですね。あの頃は父が国の宰相を、していたのに……」
「いや、宰相殿からはちゃんと……というか私も余り覚えて居ないのだよ?あまりに君が気になって仕舞ってね、父に聞いたら君はあの王子の婚約者とだけ聞かされた。……それがショックでね?何も耳に入って来なくて、記憶に無いのが本音だね。ハハハ。笑えるだろ?」
「笑えるかは……分かりませんわ。ですが、そうでしたのね。世間は以外と狭かったのですわね?」
私はあの頃、どうやって王族から逃れられるか?そればかりを考えたてわねぇ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
何時もお世話になっております。
この話しちょっと長くなりそうです。
すみません……お付き合いくださいませ。
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