母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ

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第6章

第15話 ダンジョンアタック!したかったのに…。

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「それで、全く情報を掴まないままで。ここにトライしに来たのか?お前は…」

 良くもまぁ、30階まで来れたなぁ~。
 運が良いのか悪いのか…謎体質カイト君だ!
 ある意味感心するわぁ~。

「う、うん。奴らとはぐれちゃったし…。何とかここまでは、逃げながら来たんだ。でも上に上がる階段も見つからないし…腹減っちゃって……」

 腹減って倒れたのか?だけど、傷もあったから多少は魔物を倒したんだろうけど…。
 方向音痴だったか?こいつは。

「ダンジョンに、潜るの始めてか?」
「うん、だから嫌だって言ったんだけど…」

 全くの′ド′素人がダンジョンアタックだと?!
 巫山戯てるのか…?

「無理やり連れてこられて?見放されたのか?」
「多分そうだと…」
「何階辺りで奴らと、はぐれたんだ?奴らは10階で延びてたぜ?」
「えっと、それも良く……」

 ヘボ過ぎたよお前!

「……お前、そういえば剣は?」
「あ、あれ?何処かに落としたかな?ないや」

 自分の身体をパタパタと叩いて、確認するおまぬけさん♡って言ってる場合ではない。
 俺に言われて、武器を持ってないことに気が付くとか……あり得ねぇ~。

「はぁ~先ずお前、そこに座れ!」
「は、はい……ごめん兄ちゃん」
「よし、なら情報を与える!ここはな?100階層迄あるダンジョンだ。魔物はレイスやアンデッドや毒系の魔物が多い。後は虫に爬虫類」
「爬虫類?なにそれ?」

 ……伝わらなかった……兄ちゃん悲しい。
 教えた筈なのに。

「トカゲとか、蛇とかの事だよ!」
「あっ!そうだったかな?なんとなく、そんなことチビの頃に教えて貰ったかも?」
「かも?じゃなくて教えたんだよ!ポンコツ」

 それから魔物の種類などを教えて説明は終了した。

「さて、ここの結界解くぞ?」
「う。うんでも……一旦ここから出ない?」
「なに嫌なの?」
「ん~武器もないし……」
「なら、ほらよ剣だ。それ使ってろ」
「あ、ありがとう……」

 剣を渡したが…なんかシュンってしてんな?
 まあ、中間に裏切られてるからな?それでかな。

「あーもう!仕方ねぇ……。なら、こっち来い!異動すっぞ!」

 近づいて来たカイトの方を掴むと、30階層から地上一階の階段まで【ワープ】した。

 目の前が一瞬暗くなって次に明るく為った。
 どうやら無事に一階に戻って来れたか。

「ほら!カイト、ダンジョンの一階のに付いたぞ」

 そこから上に上がる階段を上がって地上に戻る。
 ダンジョンの入口には人が居た。
 だから歩いて上に上がり、人目を避けて入口から出ると、ダンジョンから少し離れた場所で立ち止まると一息付いたら、カイトが俺の後ろから声を掛けてくる。

「……相変わらず、兄ちゃんはすげぇ~」

 俺は落ち込むよ……。

「っ!お前がヘボなんだよ!少しは強くなれ!腕も心も!断る勇気もだ!餓鬼」
「ご、ごめん…嫌だとは言ったんだけどさ!結構話したら良い奴らだった……から………」
「から?なにかなカイト君!嵌められ裏切られたのに?それでも良い奴ら?馬鹿なのかお前」
「うっ…なにも言えません…。そ、そう言えば!あいつらどうすんの」
「さあ?自力で這い上がって来れなければ、それ迄でなんじゃねぇの。あんな奴ら、助ける筋合いもねぇ。人を誘っておいて、ダンジョンアタック中に水も食う物も渡さずに、中間を置き去りにしたんだ。それなりの報いは、受けて貰わないとな?ククク」
「兄ちゃん……顔が怖いよ。だけど助けないのか」
「はぁ?誰が誰を助けるんだよ!俺は知らんな。知り合いなら未だしも、助ける筋合いはねえよ。お前……甘いこと言ってんなよ?チビだった頃のお前の方が、よっぽどドライだったぜ?今は甘ちゃんだなぁ……?何処でそんなに甘口に為ったんだ?」
「甘口……ん~どこで?」

 そんなの決まってんだろ、あのリリデアの町でだ!直ぐに答えろよ。

「さて、これからどうするか…取りあえず帰るか!カイトお前どうすんの?」
「え?俺は…え?」
「宿屋に自分の荷物とかねえの?」
「あ、あぁそういう…。特になにもないよ。宿屋は引き払って来てるし」
「そう、なら、リリデアに送ってくから」
「え?」
「え?なに、【え】って?」
「だって、兄ちゃんと一緒に…」
「一緒には、良いけどな?俺はあの町に住むつもりはねえが?」
「な、なら、何処に行くんだ」
「だからリリデアだよ」
「行ってどうすんの?」
「お前……金は?」 
「あっ!」

 あれは半分は俺のだからな。

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