ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

115話 パトリックの願い

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 さて、まだ市場を三人で歩いてます。
 何か掘り出し物は無いかな……

「パトリックさん? 後は何を買うんだ?」

「そうだな、野菜と暁彦君ご希望の、香辛料だな」

「そっかなら行こうよ」

 そして先ず野菜を扱う店の前に来た。
 野菜の種類のも少ない、パトリックさんの宿に置いてあった野菜の種類しかなかった。

「なぁ、マルク君? 果物って売ってないの?」

「果物……ここは野菜だけだよ?」

 あっ!聞く人選間違えたか?
 あれ?でもまて!アイテムボックスに果物入ってるよな?あれ?
 まぁ売ってないのなら、触れないで置こうっと!

 さてこの店の野菜は、何がある?トマンはあるが葱はないか?
 葉物が全く無いな?
 鑑定しながら見ると生姜がありました、だが生姜は癖が強いしな。
 あぁ……だけどスープの、肉の臭みを抜くのに使えから一応買っとくか?

「パトリックさん、野菜どれくらい買うの?」

「ん?あぁトマンとイモモで、旨い料理を教えて貰ったからな。少し買って置くよ。あれに使う野菜は全部だな」

「そう?じゃスープの出汁にもするから、多めに頼むよ。でも店休むんだろ?」

「練習がてら、多めに買って置いた方がいいだろ? アキくん他にも料理を教えてくれるんだろ? だから野菜は多めになんだろ?了解だ!」

「まぁそうなるかな。じゃこれ、ジンジャ足してね」

「わ、わかった」

「後は肉屋でボアの骨と、鳥の骨と肉な!それとブル系の肉な!」

「そんなにか?」 

「そんなにだ、倉庫の肉も使うよ。良いかい?」

「それは別に構わないが……」

 パトリックさんは、ここで悩むのを止めた。どうせこの子に教わらないと、商売が立ち行かなく為るのは目に見えてるんだからと。
 すぐ町中に悪い噂が出回るだろうし。
「盗賊親子を匿ってた」とな。

 そうなったら、泊の客も食堂を利用する客も確保するのも難しくなるだろうし、宿が潰れ生活に困り路頭に迷う生活が待っている。

 何としてもそんな未来はマルクの為にも、俺の為にも避けたい。だったらこの子に賭けても良いだろうか? 
 この不思議な少年には申し訳が無いが、頼らせて貰おう。そして、恩を返せる様に成りたい。


 このパトリックの切実な願いは、数日で叶う事に成るが……。

 だがそれは、パトリックからしたら苦しい悲鳴かなのか、嬉しい悲鳴なのかは数日で分かる日が来る事になるのだった。


 出来れば嬉しい悲鳴だと良いのだが……
 と、願うパトリックである。

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