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新たな町へ
116話 香辛料屋
しおりを挟む肉屋で肉を買い、今は香辛料を扱う店に来ている。
店の中に入ると独特な匂いがする。
決して臭くはないのだが……独特な匂いだ。
「う、凄い匂いだな。ここは換気きしないのか?」
「うう、凄いね?アキ君」
マルクが匂いに遣られて鼻を摘まむ。
この店は……流石に子供には辛い匂いかな?
「マルク君外に出てても良いよ?」
「うん……じゃ、出ててるね」
「外にちゃんと居るんだぞ!何処かに行くなよ!」
「分かったよ」
マルクくんが匂いに耐えきれず外に出て行く。
そこへ店の奥から店主が現れた。
「いらっしゃいませぇ~、あら?好い男の子ねぇ~ウフ」
お、おぉ~二○目さんかな?ここにも居るんだ……
「この店は、ターメリックとか置いてる?」
「た、たーめーりっく?」
あ!分かんないか、でも説明の仕様が無いんだよなぁ~?
『ナビさん』
《分かりかねます……が?》
おっ!久々塩対応!
「ん~どう言えば良いかな?ウコンってわかる?黄色い塊で粉にすると、薬か何かに使うらしいが……分かる?」
「黄色い塊?粉になる物で、クスリに使う?あ!じゃこれかしら?」
と店の端に置いてあった、小さな瓶を出してきた。
「これよ、どう?」
「中をみても良いか?」
「良いわよ、これを使ってみて」
と、小さな柄杓のような物を渡されたので、瓶に入れて中の物を少し掬い確かめる。
「色は……うん黄色いな。匂いは……」
鼻に直接近付けると、吸い込んでヤバいから粉を少し摘まんで指に匂いを着けて、粉の匂いを確かめるとまさにターメリックだった。これウコンだ。
更に、鑑定でこっそり確かめるとウコンの文字が出たよ。ラッキー!
「オネーさんこれバッチリだよ!これで貰うよ。で!この店に置いてある香辛料、全部見せてくれない? あと、胡椒はあるの!」
「そ、そんな早口で色々言わないで、落ち着きなさいよもぉ~。聞き取れないわよ!で?なぁ~に店の物が見たいの? なら良いわよ?あの辺の、並んでる瓶を見て。何なら店の物は全部、見せて上げるわよ?」
「良いのか?なら見せてくれ!あと、オネーさん買取りってするのか?」
「買取り?」
「薬草とか?」
「ん~薬草の種類にもよるわねぇ~。あら、何か良いものでも持っているのかしら?」
「それなら、店の物を見終わったら見せるよ!」
「分かったわどうぞご自由に!あら、こっちの男も良いわね? あたし好みよウフ」パチリとウインクをパトリックさんに向けてするオネーさんだったが。
パトリックさんは顔を背けた。
ハハハ、パトリックさんテレテル?
「あら!冷たいわねぇ~」
残念だわと言ってるが…オネーさんは大して気にしてない様子に俺は。アハハ、このオネーさん面白いわ。
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