ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

138話 朝は早い

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 宿の朝は相変わらず早い。
 暁彦はごそごそと、ベッドから起き出して支度をして、厨房に向かって歩いて行く。

「可笑しいよなぁ~?俺は客の筈だが、何故従業員ポジなのか?」

 ぶつぶつと、文句を言いながらマップを監視しながら歩く。

「お!こんな朝早くから偉いね?もう見張りが居るよ。ご苦労様だな」

 まぁいいや先ずは、パトリックと話してからだな。


 そして厨房に入ると、朝にも関わらず元気な声で声を掛けられた。

「おはようアキ君!」

「おはようマルク君、今朝も元気だね?今朝の朝食は決まってるのかい?」

「父さんが、迷ってるみたいだよ?」

 なにに迷ってるのかな?

「パトリックさん。おはよう?マルク君に聞いたけど?メニュー迷ってるって?」

「ん?あぁ、おはよう。そうなんだよ今朝は、サンドイッチだけで行くか。それとも、何かめん類を足すかで迷ってる」

「そうなんだ、朝食だしね?ならトマンのスープにパスタ麺を入れたら?ニョッキの変わりに?」

「そ、それは、パスタの麺を長いままで、入れるのか?」

「いやパスタを、少しは短めにして。入れれば良いよ」

 パトリックは、少しは考えて……。

「なら、早く作らないとな!」

 そして、宿の食堂が開く時間になると、食堂に客がぞろぞろと入ってくる。
 朝食を客に出して行くと、客の一人がマルクに話し掛けて居るようだ。

「……少し、待ってて下さい」

 マルクが厨房に入って来て、パトリックに話を始めた。

「父さん、何かね?あそこのお客さんが、店の前で変な人にこの宿の事を、聞かれたんだって。だから父さんと、話したいって」

 パトリックが俺の顔を見て頷いた。

「分かったよ。マルク、何処に座ってるお客さんだ?」

「あのね、あそこのお客さん」

 と、マルクが客のテーブルを指さす。
見ると、人が良さそうな商人風の二人組の客だった。

「分かった……」

 そう言って、パトリックが客の側に行き客に話し掛けた。

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