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新たな町へ
310話 人探しって金が掛かるんだね?
しおりを挟むギルマスから骨が折れると聞いて少しだけ、面倒だなと思いつつ、ニングスに確認をする。
「そうなの?ニングス……?」
ニングスに顔を向けて目を見るとうんと頷く。
「そうなのです……妻が無事に自分の実家に帰ってくれてれば、早いと思いますが……」
「出身何処だっけ?ニングスって」
「私は隣国の小さな町の商人でした。妻はこの国のランバルデスと言う町の出身で……」
「ならその町に戻ってると、話しは早いんだね?なら、この王都からはその町までは、どれくらい距離離れてるの?ギルマス」
「ん~王都からランバルデスまでは辻馬車が出てる筈だが……色々乗り換えがあるな。多目に見ても20日は掛かる距離だな」
20日もかい!それは離れてるね?
「まあ。私が奴隷に落とされてから、結構年月が経ってます。行方だけでも分かれば、良いと思ってますよ」
「だからな、とりあえずギルド支部に尋ね人として張り紙を依頼ボードに張るんだが……その手間と情報提供者にも金を払わないと成らんのだが……」
そうか……これは本当に大変かもね?
「なら………これで割り振れるか?ギルマス」
「お、お前これ!」
「だ、旦那様!こんなには……」
テーブルに出したのは大金貨2枚……少々痛いが……人探しって金が掛かるんだな。仕方ない探して良いと俺が言ったしね。
「ま、ニングスにはこの先もしっかりと、働いて貰うから大丈夫だ!ハハハ!」
「それは、そうですが……」
「ギルマス?それでなんとか出来るかな?報酬とか?」
「まぁ、なんとかなると思うが……」
「なら、頼むよ?進捗は情報が入り次第報告してよ。それで良いかい?ニングス」
「は、はい!お願いします」
ニングスが立ち上がり俺とギルマスに、向かって頭を下げた。
「尋ね人は、時間が掛かるんだ。すまないが、気長に待っててくれると助かる」
「………はい!それでもお願いします」
「じゃ、これで手続きは済んだかな?」
「はい!旦那様」
「なら、行くか」
「お、おい!お前ら何処に行くんだ?」
「え?レベル上げと言う名のピクニック!魔物狩りだよ?」
「な、そうか。なら、魔物狩れたら売ってくれや!肉が足りないんだよ」
「ハハハ。分かったよ何か売れる魔物が出たらね?」
「あ、後、ゴブあれだけは!見逃さないで狩ってくれ!頼む」
「了解!じゃ!」
ギルマスにヒラヒラと手を振って、部屋をあとにする。そして、ギルドをニングスとカシューの三人で出て、待たせてあった馬車に乗り込む。
「お待たせ?さて、行こうか?カナル、ニグス御者頼んだよ?」
「「お任せを」」
二人に頼んだあとに馬車の窓から、馬に股がるゲイルにも声を掛ける。
「ゲイル?」
「なに?」
「気を付けて、馬に乗るのは君だけだからね?」
「大丈夫だ!任せろ」
「それじゃ出発!」
カナルの合図で馬車が、ゲイルの乗る馬が動き出し王都の門を出る。
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