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新たな町へ
354話 相談。
しおりを挟む皆を先に休ませて、グレドだけ残して話しをする。
「旦那、何か話しでも?」
「あ!ニングスも、残すの忘れた……俺疲れてるのかな……すまん」
「嫌、構わねぇよ?で、どうしたよ」
「ん~少し屋敷を空けるから、皆で屋敷の切り盛りを頼みたい」
「はぁ、なんですかい?それはよ」
「………少し魔物を狩って来るよ」
俺一人なら気にしないけどなぁ~。
流石に……資金繰りが大変なんだよ。
「どれくらい、屋敷を空けるんだ?」
「ん~一週間くらい?」
「そんなにですかい?俺は嫁の田舎に行きたいのだがな……」
「なに…行くのかい。足はどうすんの?」
「それなんだが……旦那様すまん。給金の前借りは……」
「出さないよ?グレド。だが……そうだなぁ~。俺が出掛けている間の一週間で、イリヤにある程度、料理が出来る迄に仕込んでよ。グレドがいな間の家の飯は、俺が作らないとならないのは。流石に遠慮したいからね」
夕飯ぐらいなら良いが……朝は遠慮したい。
カモメの宿での早起きだけで懲り懲りだ。
「だ、旦那それは………。旦那が戻って来たら、俺は出掛けて良いのか?」
「あぁ、仕方ないからな。金持も貸すよ。但し!イリヤをちゃんと仕込んでくれよ?なんならケイトとマイナでも良いぞ!イリヤはうっかりが多いからな。フォローする人間もいないと不安だし」
「ハハハ。食堂とリビングの飾り棚は、イリヤが触るの禁止にしてますからね。あの棚は怖えぇ」
「ハハハ。あれはちょっとした宝だからな。それでな、俺が戻って様子見して合格なら、グレドに金を貸すよ。それと、馬を貸してやるぞ。荷馬車買って、嫁のさんの田舎に向かって良いぞ。どうだ出来るか?」
「…………わ、分かった。イリヤ達の了解を得てはないが、俺が仕込む!旦那は何時から出掛けるんだ?」
「明日からかな。取り敢えず、今夜支度して直ぐに出掛けたい。それと、皆には屋敷を頼むと言って置いてよ。あと、さっき話した二人から何かあったら、主人は不在だから分からない。と追い返してくれよ。それと、この屋敷には一歩も入れるなよ?結界は張ってあるが……。絶対に入れる事は出来ないが……」
「は、はい、分かりました。カシュー達に伝えます。仕入れも気を付けますよ」
「そうしてくれよ。じゃ本当に休むか……」
「なら、旦那は明け方出ていくのですかい?」
「ん~一眠りしたら出掛けるから、気にしないでくれよ。あとは頼んだ。じゃお休み。戸締まり宜しく」
「はい!ごゆっくり?いや、行ってらっしゃい!」
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