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新たな町へ
393話 よし!決めた。
しおりを挟むカシューとたわいもない話しをしながら、神殿から屋敷に帰る道すがら、なんとなく分かったが……。
俺達の後ろを付けてくる人影がある。
また、トラブルなのか………はぁ~と溜め息が出る。
とりあえずマップで確認……。
おや?一人だね?これは……子供かな……?
……少し泳がすかな。
「カシュー……」
「なんですか?」
「後ろを、見ずに聞けよ?」
「えっ あ……はい。で、何です突然」
「後ろから付けて来るのが一人が居るんだよ、気付かなかったか?」
「いえ、何となくは居るのかな?ぐらいですね」
「分かってたんなら、言えよ」
「嫌、気の所為でも困るかな?と……思いまして」
「姿は確認出来ないよな?」
「そうですね……振り替えったら逃げますかね?」
「だろうな?」
さてさて、これはどうしますか・・・・。
よし!決めた!放って置くことにする。
「カシューこのまま気付かぬふりして、屋敷に戻るぞ」
「そうなんですか?確かめなくて良いのですか?」
「良いよ放っておこうぜ?ややこしい事に巻き込まれても困るしな、それに遅くなる」
「……分かりましたよ!なら旦那様のお言いつけのままに」
『ナビさん』
《後を付けて来てるのは一人です。神殿の施設に居る孤児の一人と断定します》
『あ~付いて来ちゃったか……マップでも確認したけど、前に俺に突っ掛かって来たあの生意気な餓鬼か………。一体なんの用があるのかねぇ』
《放って置くのですか?》
『当たり前じゃないか、んな生意気な餓鬼相手にしたら、こっちのメンタルがやられちゃうよ!』
《メンタル……ですか?フフフ》
『なに笑ってんのさ』
《いえ、まさに言えてる……と思いまして》
『煩いよナビ、俺はデリケートなんだからな!』
《バリケードの間違いでは?》
『んな訳あるかよ!ビビリの俺になにを言う!』
《………あ!確かにそうでした。こちらの世界に来た時とは、随分と性格が変わりましたが……。根本は、変わってないのですね?》
『本当に失礼だよな』
《フフフ。最初からです》
『でしたね……』
暫く黙ってカシューと歩く、その間はナビと話しをしていたのだが……。
そんな事はカシューに分かる訳もなく、そのまま黙って二人歩き屋敷の中に入って行く。
「お帰りなさいませ旦那様」
「だだいま、屋敷に変わりは無かったか?」
「いえ、特段変わりはないですよ」
「そう、良かった」
「はい、それで?募集は掛けて来れたのですか?」
「あぁ、募集してきたよ。来週面接があるから、お前も来てくれ。ギルドの一室を借りれたから」
「それはまた、厚待遇ですね?」
「ハハハ、それは今更だろ。所で、グレドを呼んで来てくれくれ、リビングで話すからお茶も宜しく」
「そうですか?」
おや?疑問系な返事だな。
「なに?」
「いえ、そろそろ夕食の時間が近いと思いまして」
「あ!そうだったね?」
時計を見ればもう夕方5時過ぎてる。
「そうです、お茶は用意しますが……。お話しなら食堂で、とはいきませんか?」
「ふむ……そうだねそうしょうか?ならお茶は、良いやカシューお前どうする?」
「俺は、このままカナルと仕事してきますよ?例の後をつけて来た者も気になりますから」
「そう?ならさ、少し話し掛けて見てくれない?」
「はぁ……?」
「優しそうな、お兄さんを装ってさっ!」
「優しそうなってなんですか?俺は元から優しいですが?」
「ククク、それは分かってるよ。じゃなくて、つけて来たの子供だと思うからさっ、威圧的に話し掛けたら逃げてくだろ?」
「…………なら、なんとかやってみますよ」
「そうか?なら、成功したら何となく、なんで屋敷の周りを彷徨のか訳を聞いてみてよ」
「了解です」
「まっといっても、そろそろ夕食の時間が来るから、今日でなくても良いぞ?」
「それも了解しましたよ。なら俺は門に戻りますよ」
「おう!宜しく。また夕食でな?」
「はい、今日も夕食が楽しみですね?」
「お、おう……」
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