ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

文字の大きさ
463 / 763
新たな町へ

406話 お前も悪………ちがうか……(笑)

しおりを挟む


 書き上がった張り紙の貼る場所をニングスと二人で相談し悪巧みをする。

「ニングス君、何処にこれを貼るかね?」

「…く? オホン…失礼しました。それでしたら、そうですねぇ…目立つ場所が良いですね。このルールですと、仕事をサボる者を見つけることが容易になりますねぇ…ふふふっ」

「だろう? ふふふっ、これは今日の朝から!つまり今から執行だぞ!」

「「フフフッ」」

「それは……意地がお悪いですねぇ」

「ニングス…お前もな?」

「いえいえ、旦那様程では。ククク」

 なんだか悪代官と、越後屋みたいな会話をしてるが……良く考えると恥ずかしい。

「さて、貼りに行くぞ」

「私も行きましょう!」

 ニングスと連れ立って、二階に上がる。
 二人でどの辺りに、張り紙を貼るかを検討して貼る位置を決めた。

「フム…ニングスくん、ここで良いかね?」

「そうですねぇ~、やはり水回りがある場所ですから。ここなら、必ず目に入りますからね!」

 見ない人は居ないかと。
 といって太鼓判を押してくれたぞ!ふふふっやはりここだよなぁ~。

「そうか?なら、ここに貼るぞ!ニングスそっち押さえててくれ。今こっちを先に貼るから」

「こ、こうですか?」

「そう、そこで良いよ」

 暁彦は鞄から画鋲を出して、四角に画鋲を差し込み満足してニンマリする。

「よしできた!さて、俺も朝飯にするかな?」

「ええ、そうして下いませ」

 ニングスと食堂迄下り、暁彦は自分の食事を取りに厨房へ向かい料理を取ると、トレーに乗る料理を持ち食堂へ戻り食事を始める。

 そうして、食べ終わる頃にケイト達がバタバタと騒がしく食堂へやって来て、俺の顔をみたとたんに文句を言って来た。

「旦那!なに、あの洗面所の張り紙は!」

「……なにケイト、文句の前に挨拶」

 文句を言って来るケイトの顔を見ず、目の前に有る料理を黙々と食べ進める暁彦。だが、一応はケイトの声に耳を傾けてるので、ケイトからの挨拶が無いと声を落として叱咤する。

「あ、おはようございます」

「はい、おはよう?三人お揃いで、遅いご起床だな? 今日はグレドの旅立ちの日だったんだが、お前ら忘れたか?」

「「「あ!」」」

「そうでした……グレドは?」

「当の昔に発ちましたよ。あなた方は、随分と冷たいのですね?」

「ニングス……そんなことはないよ」

 でも事実なんだなぁこれが……。

「それでな? 余りにもお前達三人の行動が(特にイリヤ)目に余るのでな? あの張り紙を貼ったが何か?」

「え~ぇ!マジですかい?旦那ぁ~」

「え~ぇ!」

「……」

 情けない声を出すケイトそれと、イリヤお前はどの口が云うんだよ!
 ふん自業自得だよ。
 だが…マイナはショックで黙りかな?

「そうマジだ。ああ、あれは今日から執行するからな。三人共、この箱に一人銀貨三枚ずつ入れろ!」

「ええ!それはないよぉ~。聞いてないしぃ~」

 マイナさん……言葉遣い!

「イリヤ……おまえは?どの口が云うのかな?」

「…その…あたしもかい?旦那……」

「ったり前だろうがよ!せめて、カシュー達が起きる少し前には起きろよ。今までグレドが何時に起きて、お前らの飯を作ってたと思うんだ!俺が屋敷を離れがちなのを、良いことに弛んでるだろ」

 畑だって朝採りする野菜は有るだろうがよ!
 それも仕事、   なんだよ!

「………分かりました。後でお金入れて置きますよぉ~」

「イリヤも、分かったな!」

「…はい」

「でも……時間が分からない」

「時計がなかったか……。なら、これを渡すから使えよ。置時計を各部屋に置くから」

「それなら、なんとか頑張れる?」

「る?なに、その疑問系な返事はマイナさん?」

「え、えぇっとぉ……」

「まぁ決まったことだから!守れよ」

「えぇ!本当にかい」

「なに?ケイト文句があるなら聞くぞ?」

「だって今までそんなこと……」

「今迄は、グレドが食事の支度をしてたんだ!奴は仕事はちゃんとこなしてたぞ?」

「あたしらだって、ちゃんと外で仕事してるわよ!寝坊ぐらいで……」

「なら、元の場所に戻るか? 俺は、お前らがいなくても暮らせるからな」

「そ、それは……」

「誰が主か、忘れてないかお前ら?」

「………」

「奴隷に戻って、無給で使い潰されたいなら。他の貴族にでも買って貰えばいいよ。それにケイト、足の治療費はしっかり貰うぞ」

「も、申し訳ありません旦那様。それだけは勘弁してください。あたしが悪かった」

「そう?なら、頑張って仕事をしてよ。俺朝採りの野菜食べたいなぁ。あと、イリヤも同じだからね君は。屋敷の掃除の他に庭も掃除してね?落ち葉とか?色々掃除する場所は多いだろ」

「は、はい……」

「マイナ…は、ま、頑張れ」

「むぅ………酷い」

「ハハハ。なら、飯食って仕事をしてくれ」

「「「分かりました」」」




しおりを挟む
感想 124

あなたにおすすめの小説

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる

枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。 艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。 誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。 だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。  創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。  そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。

R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~

イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。 半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。 凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。 だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった…… 同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!? 一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!

処理中です...