ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

442話 ナビからの忠告と執事の成長。偉そうだな…俺。

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《遣り過ぎ感が、満載ですね?貴族の主が使う部屋に、なってますねぇ?》

『そう?』

《ええ、勘違いしそうですね。気をつけて下さい、人は勘違いする生き物ですから》

『忠告は有難いけど……』

《甘々ですね?寝首を掻かれない様に》

『……了解……。腑に落ちないけど』

 おっと、ニングスと話してたね。

「は!こ、こ、こ、この部屋を?私が?」

「……なに?気に入らないの?なら、もう少し…」

「い、いやいやいや。いえ!違います!こんなに贅沢な部屋…私が使っても良いのですか?」

「使ってくれないと、困るんだけど?」

「ハハハ、本当に!旦那様にはハハハ。驚かされっぱなしですね?私は何を、旦那様にお返したら良いのでしょうか?」

「返す?別に、普通に仕事してくれれば…それで構わないけど?俺が好き勝手するからね、屋敷を護ってくれればそれでチャラだな」

「チ、チャラ?」

「あ、それは気にするな?別に。所で、机の上に乗る金庫中にな、当面の間の必用な金が入ってる。それで暫くやってみてよ?足りない時には、なにに使うか説明してよ。納得したら渡すからさっ」

「はあ、申し訳御座いませんが中を開けても?」

「構わないよ?中は白金貨5枚分の小銭が入ってるよ」

「白金貨5枚分……小銭………。旦那様……多過ぎます!精々この半分だって、1年間で使いきれないですよ!」

「そうなの?」

「そうです!」

「でも、ほら人が増えたからさ」

「衣と住が十分足りてれば、何処にこんなに使う場所がありますか!金を必要とするのは、食糧と馬の餌ぐらいの物だけです。ですので、この半分はお返し致します!」

「そ、そうなの?」

「そうです!」

「わかったよ……でも、足りない時には言ってよ?」

「はぁ、分かって居ります」

 ニングスに説教されて、金を半分返されてしまった。
 久々に人に怒られた。ハハハなんか感動ですねぇ~。
 親父みたいだ………。

《なに、しおしおしてるのですか?》

『ん~いや、何でもないよ。ナビ』

《………》


「それならさっ、ニングス。毎月の収支は、このノートに着ければ良いよ。後は羽ペンとインクだと滲むだろうからさっ。このボールペンと、鉛筆に消しゴムこれ使ってよ。後はメモ帳に………あっ!それと、キーケースね!これは鍵を一纏めにして、持ち歩けるから便利だぞ?」

 と文房具をキーケースを渡す。

「………旦那様?これは全部私が使っても良いのですか?」

「良いから、出してるんだけど?使い方が分からないかな?」

「ええまぁ…」

「どれが分からない?」

「この人白い塊は?」

「これはな、この鉛筆で字を書くだろ?それでな、字を間違え時に、これで文字を擦ると、消えるんだよ…。ほら消えた」

「き、消えましたね……凄い!こんなものが、あるのですね?」

「なぁ~、便利だろ?ちなみにこの、ボールペンは擦っても消えないぞ?でも滲まないから、書き安いぞ?」

「そ、そうですね。しかしこの上質な紙も全て……珍しい物のなのでは?」

「珍しいのは、そうかな」

 俺しか持って無いからなぁ~。

「……………」

「で、でさっ!これ、これは鍵三本をな?」

「は、はい!」

「この入れ物に……こうして嵌めると、ほら!」

 鍵を嵌めて、ぶらっと下げてみせてからニングスに手渡した。

「ありがとうございます。しかし……これは便利ですね?」

「だろ?一番小さい鍵は、この金が入ってる金庫の鍵。後は大きい金庫の鍵がこれで。こっちは部屋の鍵だな」

「こ、これを私にですか?」

「そう、鍵とか失くすと厄介でしょ?」

「ええ、まぁ、そうですね。…所で…これは旦那様の手作りですか?」

「え?何でそう思うの?」

「この金具の部分の、細かな細工…こんな細工は、見たことが無い物ですから」

「そ、そうなんだ……。まぁ、俺と言うか…。そ、そうなるのかな?アハハ、まぁ人には言わないでよ。さて、部屋の説明は済んだね?後は追々、何か分からない事があったら聞いてくれ」

「フフフ分かりました。分からない事が、多々ありそうなので、都度確認させて頂きますね?それとこれも、有り難く使わせて頂きます」

 手に持つキーケースを大事に両手で持って、頭を下げるニングスに俺は照れながら返事をした。

「お、おう。ならサロンに行くかな?喉乾いたよ」

「そうですね、行きましょうか?」

 ご、誤魔化せたのか?
 誤魔化されてくれたのか……、なんとも分からんが……。
 最初は不安だったらけど、ここ最新で有能な執事に成ってくれたようでありがたいよ俺は。

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