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新たな町へ
464話 回復薬が不足。
しおりを挟む痛くもない腹を探られてるが…店は出したい。
だけどそれには人も居るんだよな……。
だけど……ねぇ……。
いまち踏み出す事が出来ない。
新しく雇い入れた者達の中に、一名変わった人も居たしね(それにまだ居るかもだし)。
鑑定だけでは人の本質は見抜けないし。
「で、どうだ?」
「……はぁ~。どうだと聞かれても分からないよ!」
「なんで、良い話だろがよ!」
「隣って右隣?左隣のことか?ってかさ、お隣さんて人が居たの?あの辺て人気が無いだろ」
「まぁ、なあ……お前の屋敷の左手…神殿に近い方の屋敷には老夫婦が未だ住んでるぞ?で、買って貰いたい屋敷はお前が住んでる屋敷の右手側だ。あの土地は、そう広くないからな安いぞ」
見てないのかというが…そういえば…隣近所気にしてないな。でも……。
「持ち主って誰さっ」
「ん?決まってる領主様だ」
「……なにそれ、金に困ってるの?」
「馬鹿言えよ!ただ単に、土地を遊ばせてるのは防犯上危ないだろ?空き地にしてしまったら、誰か知らん者達が住み着くからな」
の割には俺が買った土地は、長年空き家だったよな?なんか言ってる事が…。
怪しい……。
「なんか…言ってる事が、怪しくねぇか?なぁニングスそう思わない?」
「そうですね…。ですが、隣近所が空き家なのは防犯上は危ないですよ?」
「そう、なら買う?」
「それは…私にはなんとも……」
まっそうか…。
ならどうするかな?
「所でさっ!回復薬って、この前…えっとほんの少し前に納品したろ?なに、足りないのか」
「足りない。理由だが…その騎士団の一人が、ギルドから回復薬を買って行ったんだよ。で、なんかそれが騎士団の保有する薬より、うちから買った薬の方が効能がよかったらしくてなぁ。ちょっと前にまた来てよ、んで騎士団に無理やり全部買い占められちまったんだよ。今在庫で有る回復薬は、高級しか残ってねぇんだよ。高級なんてそうそう下級の冒険者が、買えねえからな。今回は下級と中級を多めに仕入れたいんだよ」
「………まぁ、在庫がないなら仕方ないけど…」
「そ、そうか?悪いな?納品は早い方が良いんだがなぁ?」
「…えっと……じゃ~少しまってよ……」
ごそごそと、鞄を探る仕草をして回復薬が入った箱をどん!と出した。
「ほら、これでいいか?」
「おう、急場凌ぎにはなるな。あとはいつ納品できる?」
「……いつもと変わらないなら…2日後だな。薬草もないし」
《嘘は、駄目ですよ?》
『煩い!』
「そうか、ならどうするかな。こっちも、薬草の在庫も少ないんだよな」
「なに?どうしたの魔物でも出たか?」
「ああ、魔物もそうだがな…。ダンジョンから、魔物が多く出るらしくてな。金を稼ぎたいって冒険者達がこぞってあっちに向かってるんだよ」
「へぇ……ダンジョンね?」
「お前、潜るなよ?」
「なんでさ」
「旦那様が潜るなら、魔物は上位魔物が出そうですね?」
「…………な、訳無いだろ?」
何が上位だ!出るのはブルーくらいで勘弁だ!
…ん?言ってる意味が…。
あれは、魔物じゃないのか?
《魔物と竜属を一緒にすると、ブルーが怒りますよ?》
『了解』
「まぁ、行かないよ。森に居る魔物くらいが良いだろ?にしても、薬草採ってこないとな。ギルマス少し…3日待てる?」
「……了解だ。宜しく頼む。それと土地は買うのか?」
チッ!話を逸らしたのに…。
「隣なんだろう?明日でも確認するよ。鍵は?」
「ほれ、門の鍵だ!屋敷は見なくても良いんだろ?」
「……まぁ見なくても良いけど」
「なら頼むな?」
「はいはい。んで、今出した薬の金は?」
「全部納品できた時に、纏めて支払う」
「……じゃ宜しく。今日のは100本分だぞ?間違えるなよ?」
「分かってる!今日は遅くに悪かったな」
「いいけどさ、じゃみんな帰るぞ!」
「「「「了解です」」」」
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