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新たな町へ

529話 戦利品を

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 昼飯をゲイルとカナル三人、楽しく美味しく食べた後はしばし休憩。
 シートの上でのんびり。

「旦那様、こんな場所でのんびりしててもいいのか?」

「カナル、君案外心配性?若しくは怖がりなのかな?」

「な、ななななにを言ってますか!別にそんなんじゃなくてですね!」

「カナルは、こんな森の奥まで来たことがないのか?」

「おや?そうのかい?元冒険者なら森の奥に住む、魔物の探索なんて依頼を受けて……なんて、経験は何度もあるだろ?」

「あ、有りますよ!旦那様、ゲイル!俺は怖がって無いぞ。違うんだよ!こんな風に、のんびりしたことが無いだけだ!」

「ふむ………。なぁ~カナルは、冒険者をしていた頃って森の中ではどうしてたんだ?」

 是非聞いてみたい。

 パーティーを組んだ経験がない俺だから聞きたい。

「………どうって……俺は5人組で……。その……ってか!こんなに森の中で、こんなにのんびりしたことは無いですよ!何度も言わせんで下さい!」

「えっ?そうなのか、なんで?護衛の仕事とかは?」

「そんなのは、ランクが上の冒険者の依頼のですよ!俺はDランクでしたからね。無理!森の中も護衛の道中も危険なんです!」

「それは俺も分かってるよ?なに怒ってんの?」

「怒ってません!」

「それが怒ってるって、謂うんじゃないのか?」

「うぐ!それは、そうか……すんません。旦那様」

「いや、べつに構わないけど……?でも心配いらないんだよ?ここの周りには結界は張ってるからな、結構安全だよ?心配するなよ」

「それは、そうなのでしょうが…」

「それなら、休憩は終わりにするかな。後はこの周辺で薬草とか採りたいくらいだから」

 それから三人で、薬草採取や小物のゴブリンやオークにコボルトを狩り。森を出て、再びキャンピングカーで王都の近くまで戻り。車から降りた後ギルドに寄って、メルさんからオークを売った金を受け取り屋敷に戻った。


「ただいま!」

「お帰りなさいませ旦那様」

「ただいま、戻ったよ。ニングス、留守の間に何かあったかな?」

「いえ、特に何も」

「そう、よかったよ。カナル、ゲイル身綺麗にしてから部屋に戻りなよ?」

「「了解しました」」

「ニングス、グレドは?」

「グレドなら厨房ですが」

「…そうかありがとう。グレドは厨房だな、なら向かうか。ニングス、お前達は仕事が有るなら仕事を優先しててよ」

「……いえ、特には」

「そう?なら厨房くるか?」

「はい、喜んで」

「ケイルスは?」

「私も特には、ある程度ニングス殿からは、仕事の引き継ぎが出来てますから」

「は、早いね……?なら厨房に行こうか?」

 三人で厨房に顔を出すと夕飯の仕込みをしているグレドと他二人で忙しくしていた。

「グレド!」

「んぁ~?あぁ、旦那かよなんだ?」

「オークの肉が手に入ったから渡そうと思ってな」

「オークですかい?」

「あぁ、それとボアもな」

「おお、今日狩りに行くって言ってましたか」

「そうそう、偶然ボアも狩れたしな。渡しておこうと思ってさっ!」

「それは良かった、肉がそろそろ無くなって来てたから、明日には肉屋にでも行こうと思ってたんてすがね?肉はどれくらい有るんですかい?」

「それなら保存庫に行こうか?そこで出すよ」

 数人でぞろぞろ保存庫に向かい、地下に潜ると肉を置く棚がグレドの言う通りがらんとしていた。
 これは本当にタイミング良かったのかな?

「ならここに今日の戦利品を出すぞ!」

 ほれと、ドサドサとオークの肉の塊とボアの肉の塊を出した。
 それから角兎の肉と、前に狩ってあったコカトリスの肉を出してグレドに後を頼んだ。

「此で暫く肉屋に用はないかな?」

「そ、そうだな…。多分、一週間はもちますぜ」

「そう?なら良かったよ。野菜は畑からの収穫で間に合ってるのか?」

「ええ、十分に」

「そう、ならリビングで夕飯が出来るの待ってるな、グレド後は頼んだぞ。さて、俺とニングスとケイルスはリビングに行くぞ」

「「はい」それでしたら私は、お茶の御用意でも…」

「そう?なら宜しくね。丁度喉が乾いてたんだよケイルス」
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