ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

542話 後ろに居たのは…。

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 急に後ろから声を掛けられて、ビックリして思わず声が出てしまったよ…。
 心臓に悪い。

『ナビ!教えろ』

《特に害がない様でしたので…》

 むぅ……。

「そ、そんなに驚かせましたか?」

「………な、なんだケイルス君か」

「ええ、私です。ニコリ」

 ん~何故笑うのかな?

「えっと…なんか用?」

「いえ、特には?」

 何で疑問系で返事を返すのかな。

「で、なに?」

「いえ、畑で何をされていたのか?と思いまして。それも無防備で」

 無防備って…ここは自分の家だけど。

「そ、そう?畑で薬草とかをね採ってたのさっ!」

「……見れば分かりますが。そんなにどうされるのです?」

 俺の足元を怪しげに見るケイルス君、何だろうか?俺は不思議な事はしてないが?

「薬草は薬を作れるし、ハーブもほら色々使い道はあるからね」

「そう……なのでしょうが、薬草なんてギルドに持ち込むのですか?」

「……嫌、薬にしてから持ち込むんだよ。ハーブは料理とお茶にそれと、やっぱり薬にかな」

 便利だよねぇと言えばなにかな?
 睨まれてるんだけど……?
 えっ俺の普段の生活よねこれ。

「と、所で…ケイルス君ニングスは?」

「え、ああ、ニングス殿なら町へ行かれた様ですね」

「町に?」

 何しに行ったのかな?俺聞いてないんどけど?最近自由だね。
 でもさぁ~馬車も馬も有るし特には買うものなんて無いだろうに?
 帰ってきたら聞くかな。

 それより摘んだ薬草とハーブを屋敷持ち込んで綺麗にしないとな!
 今なら寮の厨房が空いてるかな?

「そう……」

 は、話が続かないんですが!
 俺なんかしましたかねぇ……なに、なんでしょうか?

「えっと…ケイルス君? 子供達の勉強は?」

「えっ?それなら午前は終わって、 ……あぁ旦那様を呼びに来たんですよ!お昼です」

「ひ、昼?」

 えっもうそんな時間なのか?と言うか早く言ってよ。

「そ、そうなら着替えて向かうからケイルス君は戻っててよ」

「承知しました。ニコリ」

 ん~その笑みはなんだろう?
 優秀なのに不思議さんですかね。

 だけど、未だ何かあるの?何で屋敷に戻ってくれないのかな?俺はこの薬草とかハーブとか、仕舞いたいんだけど。アイテムボックスから笊を取り出したいんだけどなぁ~。

 さすがに新人さんに俺の秘密は漏らしたくないのだが。

《ある程度バレてますが?》

『それでもだよ!』

「えっとケイルス君?」

「はい?ニコリ」

「先に戻ってくれない?俺は薬草とか回収してから戻るからさっ」

「ではお手伝いします!どうすれば良いですか?」

 お、お手伝いって……困ったぞ!
 採った薬草とか持てない位の量……あっ!

「な、ならあそこの小屋から笊をニ、三個持ってきてよ」

「小屋ですか?」

「ほら、あそこの小屋だよ。道具小屋に為ってるんだよ」

「彼処……あぁ、あの小さな。分かりました籠ですね」

 ケイルスに分かるように指を差して説明してると、その指を差した方角から小さな影が此方に近づいて来るけど、あれは…おお!ゲイル君かな?

「おや、何方かいらっしゃいますね?」

 一体何方でしょうかね?
 と言ってるけど……君、早く道具小屋に行ってくれないのかな?

「ケイルス君?道具小屋分かったなら、あこそから笊か籠を持ってきてよ」

「あ、そうでした。ではこの量ですから、籠の方が良さそうですね?取って参りますから少しお待ちください」

「よろしくな、それとこっちに向かってるのはゲイルだから、ゲイルと一緒に小屋に行ってくれるか?」

「…そう、ですか? それならそう致します」

 ケイルスが俺の側から離れて、小屋に向かってくれたので俺は採った薬草の仕訳を開始する事にした。

 
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