ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

549話 使用人たちで… 改稿

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 次の日の朝…点呼を終わらせ食堂にそぞろ歩きで向かうとお馴染みの光景…カトラリーを出すのはマイナさんです。

「マイナ、お前……」

「え、これくらいはやるよ?後片付けはヘンリルに任せるけどね?」

「そ、そうなの」

「ええ、夕べ少し使用人たちで話し合いましてね?人が増えるまでは持ち回りで、助け合いしてと云うことに為りました」


 そうなんだ…それならそれでいいね。

「なら、後で奴隷商にでも行ってくるけど…ニングスの方が先かな?」

「え?」 

「えっ?なに?」

「私は未だ出掛けませんよ?」

「……予定教えてよ!」

「ああ、そうでした。申し訳ありません」

「なら、詳しくあとで聞かせて下さい」

「し、承知いたしました(な、なんで敬語なのです?)」

 もう……お前たちってば………。
 はぁ俺主って向いてないよ。

《今更ですか?》

『うぅぅ……ナビがひどい』

 んで、朝食はパン!トーストされたパンの上に、ジャムとチーズが乗ってます…。これは意外に旨いのだ。

 スープはあっさり野菜スープと、主食はソーセージに玉子焼き。

 門番組には少し多めに出してるね。
 これも何時もの風景。

 なんか寮で食べる組と、屋敷で食べる組とで別れてるんだけど…それも順番で席が変わるらしい……。
 なにそれ?良く理解できないんだが?
 固定でいいじゃんそんなもん。
 子供は屋敷でグレドと食べてるし?

  ……良く分からん。

「旦那!なんか朝から難しい顔をしたるけど?どうしたんだだい?」 

「ケイト…なんか久しぶりに喋るね?」

「そうだよ!旦那様から声が掛からなけりゃ、あたしなんて話すネタがないよ!」 

 ネタって……?

「そ、そう?だ、だったら畑はどうだい?後温室の方は?」 

「順調だよ?でもそろそろ野菜が入れ替わるねぇ」

「入れ替わる?」

「そう、冬野菜が終わって、夏に為るんだよ!」

「ああ、そういう……って春がない!」

「春?なんだいそれ」

「ああ、冬が終わって、ゆっくりと温かくなって……それから夏になるだろ?」

「ゆっくりって……?」

「そのゆっくりの事を春って謂わない?」

「謂わないよ!良く分からないよ?旦那は偶に難しいことをいうねぇ~」

「そ、そうかそれは悪かったな!んで、夏野菜ってキリとかトマンとかだろ?」

 年間食べてねぇか?

「違うぜぇ旦那!夏野菜はレタセにピマンだな」

「つうかさっ、温室がここにはあるから季節関係ないよ!ハハハ」

「ガハハハ、そうだぜ?何でも食えるなんて幸せだ!」

 とグレドにケイト……。

 まあそうだな!うん!

「に、しても……モンマル?」

「な、なんですか?モグモグ……ゴックン」

「よくたべるね?それ旨い?」

 皿に乗るウインナーをフォークでまとめて二、三本一辺に口に入れてモグモグしてる。

「旨いですよ!屋敷で出る食事はどれも」

「そ、そうありがとうな」 

「………ええ?あっ!お代わりくれ!」

「はいよ!」

 未だ食うのか?すごいねぇ……。

「そういえば…グレド?」

「なんです?」

「厨房で、ウインナー作るか?」

「は?作れるなら作りたいですが…皮がないですよ?肉屋でも偶にあるかどうかですぜ?」

「そうか……なら考えるか……」

 まぁ、ネットから出した方が安全っと。

「材料が手に入ったらつくりましょうぜ!旦那!」ニッと笑うグレドだ。

「り、了解!」

 こ、これは…墓穴掘ったか?




****

なにやら墓穴を掘った暁彦くんですが。

さてこちらの神様…上手く暁彦の差し入れで、社の事を誤魔化せるかな?



「ほ、ほらこれですよ?後で皆さんにもお渡ししますから、ねっ、今は離してくれませんかね?」

主に腕を。

アルシャが手に出したのは菓子が入る箱。
箱は綺麗な包装紙で包んであり中身が見えないのだが。

「あら、そうなの? でもこの箱可愛いわぁ~中身は何が入ってるのか、もの凄く、ものスッゴく興味があるわぁ~」

ほ、包装紙でも綺麗だと思うのですか。これは中身を見たら、二人とも…いや女性の神達の取り合いになりかねませんかね?

「ねっ!サンズもそう思わない?興味があるわよね?」
「うん……おもう。クンクン。すぅ~あっ箱から甘い良い匂い。うっとり♡♡」

アルシャが手に持つ箱に鼻を近付けて、箱の匂いを嗅ぐサンズ…そして、匂いを吸い込みうっとりしてサンズの周りにハートが飛び交う。
これが神ですかね?
はしたないと、アルシャは若干サンズの行動に引く。

「サンズ!貴女、はしたないわよ!もう~女の子なんだからもっとお淑やかにしなさいな!」
あんたは獣か!
後、ハートがウザイ!

な、なんかこの二人…良い意味で良いコンビなのですねぇ~。……と違う事を考え、見ないふりをすることに専念するアルシャだ。

「で、でも甘くて良い匂いがするもん。これ!きっと美味しい物!あたしは確信する。アルシャ寄越せ!これはあたしにくれ」
「こ、こら。サンズ!あ、危ない引っ張らないで下さい!落としたら食べれなくなりますよ!」
「あら、アルシャあんたはこの箱の中身知ってるのかしら?」
「ええ、先日暁彦さんの所に押し掛けてご馳走になりましたからね。それはそれはもう可愛くて、甘くて美味しい物でしたよ。見た目が可愛くて、口にするのが惜しくなりました。それを皆さんにも食べさせたいと暁彦さんにお願いしたのが先程届きましてね?それで、リンデルと喜んで居たのですよ(半分嘘ですが…)」

神が嘘を着いてもいいのか……?
まあ神同士ならOKなのかもね?

……つづく



 
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