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新たな町へ
600話 美人さん……
しおりを挟むさて、冒険者ギルドから出て馬車に乗る。
ゲイルには商業ギルドに向かってくれと頼んで、馬車を動かして貰う。
その馬車の中では……
「旦那様、ご領主様や騎士団長様にあのような…」
「まあ不敬だろうね」
「知ってて、あの様な言葉遣いを為さったのですか!」
「う、五月蝿いよケイルスくん」
怒鳴るなよ……
「ですが不味くないですか?」
「カシュー……君もかい?」
「そうですよ!相手は領主ですよ? それに貴族です!今後あの方達に、なにされるか分かりませんよ?」
「……まあそうなんだろうけど…」
なら本当に移住だな。
「グレドが帰って来たら、皆で話そうか? だからもう少し我慢してて。悪いね」
「旦那様?今後の事はちゃんと考えての、あの行動ですか?」
「……まあそうだね。何となく目処はついてるよ。また数日屋敷を空ける事に為るけど」
「はぁ~忙し方ですね?」
「フフフ悪いね、ケイルスくん。もう少し我慢してて? カシューも悪いね」
それに皆にもだよね…二人に詫びてると馬車が止まる。
「ギルド着いたぞ!」
「了解!」
馬車を降りて、ケイルスくんとカシューとでギルドに入る。馬車はゲイルに任せてある。
そして、ギルドの受付けの前に立つ。
今回も、顔見知りの女性だ名前はしらんけど。
「すみません、いいですか?」
「は、はい!貴方は確か……先日の……あっ!ち、ちょっとお待ちくださいませ!ギルドマスターを、呼んで参りますので!」
「へ? ギルマスをですか?」
「ええ、少しお待ちください!」
むぅ……また騒ぎに為るのかな。
厄介だ!けどなぁ~資金は作りたいから我慢だ。
「旦那様?なぜギルマスが此方へ来るなんて事に?」
「俺も知らんよ。前にギルドに色々売ったからじゃないかな?」
「そ、そうでしたか……」
「旦那様、なにを売ったんです?」
「ええっと……回復薬に細工物を少しだけだね」
「……少しですか?」
「うん、少しだね」
カシューやケイルスに問われていると、受付のお嬢さんと年齢不詳の美人女性が現れた。
へぇ~ここは女性のギルマスなんだね?
「失礼しました、お客さま。こちらの方は……」
「私がこのギルドのマスターアンジェリカよ。貴方なの? 先日の品々をギルドに持ち込んだのは?」
「持ち込んだ……?」
なんか不機嫌だよねこの人なんでだ?
「そうよ、あんな見事な品々を異図も簡単に出して来て…そそくさと居なくなって!ねぇ貴方今日は何の用かしら?」
カウンター越しから俺の顔にギルマスの顔が迫る……なに?
美人さんだとは思うけど……俺なにもしてないぞ!
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