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新たな町へ
601話 売り物を早く
しおりを挟む商業ギルドのギルドマスターに何故か顔を近付けられてじっと見つめらてるが……なぜかな?
俺は年増は好かんぞ!
《主……女性に対して失礼です》
『アハハ……さぁせん…』
でもここはあえて鑑定しない!相手は女性だし失礼だよね。
《そこは……弁えてたのですね?》
『なにそれ? 俺が失礼な奴みたいじゃんかよ』
《おや、違いましたか? これは失礼を…》
なんだか…解せぬ!
「あ、あの……失礼ですが…わたし何かしました?それと顔が近いです!」
いい加減離れろ!
「あ、あら……オホホ。ごめんなさいね?(子供も?それより肌綺麗すぎない?男の子よね?)貴方から詳しい話を別室で聞きたいのよ。あの階段の上の部屋でね?」
来て頂戴と有無を言わせない勢いで来てと言われてしまった……うぅぅ今度はなに?
売ったのは置物やアクセとかだぞ?
それに…あ、回復薬か?あれの話かな。
仕方ない……話があると言われたら拒否は出来ない雰囲気だし行くしかないか。
ギルドマスターが、カウンターから出て来るのを待ちその足で二階に上がる階段を上がって行く。
そうして通されたのは……また執務室でしたよ。トホホ……別に会議室とかでよくない?なんでこう毎回ギルドマスターの執務室かな?
「さあ、お三人共中へどうぞ?いま、お茶でもだすわね?」
そう言ってギルドマスター直々にお茶の準備を始めてしまったが……座っても良いのか?
「あの……お茶は結構なので……」
「あらそうなの? なら話を……やだ、私ったら。失礼を、さあそこに座って頂戴な」
俺とケイルスにカシューは頷き会ってソファーに座る。
「では、失礼します」
「「失礼します」」
「ええ、どうぞ」ニッコリ。
そんなにニッコリ笑って来られても何の事やらさっぱりなんだけど?
「あ、あの……」
「それで、今日はなにをしに?」
「なにを……と、言われましても…ここは商業ギルドですから。商売の話か、持ち込んだ物を買い取って貰うかですよね? ギルドなんですから、商品の査定や取引をするところでしょ? わたしが来たのもそれらの件で、ですが?」
「フフフ、まあそうなのでしょうね」
「ええ、今日も品物を売りに来たのですが……」
「やっぱりそうなのね!だったら、早く出して見せてくれないかしら?」
「えっ、ここにですか?」
「ええ、ここによ?」
「はあ……でしたら出しますが、今日は少なめですよ?」
「良いから早く出して!」
こ、怖い……目が血走ってるし。
仕方ない出すか……で、出したのは…
アイテム鞄から回復薬三種を出す。種類は初級、中級と高級を其々100本ずつ。それから、水晶の置物に木で作った置物や小物…これはトレントのきで作った物を数点ずつ。後は…宝石が付いたアクセサリー各種を一気に出した。それと、今回は石鹸と化粧水も大量に出した。
よし!これなら少し良い金額になるかな?
使用人達の食材や人件費にも為るだろうしね。馬達の雑費にも当てられるし。
勝手に自分の給料で、馬達の必要な道具やらを買うとかあり得ないしね。
なんて思い軽い気持ちでホイホイ出した。
それにナビからも止められなかったから調子に乗った。
「では、こちらが売りたい商品です!あっ商品の説明はしますから、聞いてくださいね?」
「ひっ!こ、こんなに……」
「こんなにですか? ええっと、これでも控えたのですか?」
「これで控えたの?」
「ええ、ですが、無理でしたら言ってくださいね?」
引っ込めるからさ。
「ええそれなら……」
なんかホッとしてない?
そういえば…ギルドマスターの名前は聞いたけど、俺の自己紹介がまだだね?でも聞かれないから良いかな?
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