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新たな町へ
608話 宿屋街。
しおりを挟むしばし受付譲が戻って来るのを待つ。
そして受付譲が誰かを…確か解体専門の人を呼んで来るって言ってたよね?
こっちに来るのは、その人かな?
が、受付してくれた女性と並んで歩いて来る。
で、
その男性の…オヤジが俺の出したオークの山を見て顔が引き攣っているのがわかる。まあ、驚くわなこれだもん。
オークが積まれている山を見て自分でも呆れるしね。
だがなぁ~俺としては、他の魔物も出したい所なんだけどね。なんて考えてたらもう二人は俺の側まで来ていて、早速オヤジに話し掛けられた。
「お、おおーすげぇなぁー兄ちゃん!これ全部解体すんのか?」と、驚きの声を挙げて俺に聞いてくる。
「……はっ!お待たせしました。この方は、解体専門のガンツさんです」
「えっと……ガンツさん、俺は暁彦と言います宜しく。で、このオークの買取を頼みたいのだけれど。で、オークの解体を三体分して貰えますか?肉だけ持ち帰りたいんですが」
「分かった、肉は三体分だな。その他は買い取りか。なら明日の昼には査定額が出るだろうらよ。そんときに金と肉を受け取ってくれ」
「分かりました。なら明日の昼頃また来ますので。えっと受付の……」
しまった、この人の名を聞いてなかった!と思い、受付譲に顔を向けると俺の視線に気が付く受付譲。
「え、私ですか?」
「ええ、貴女の名を聞いてなかっので。俺は、明日昼にまた来たいのですが、貴女が受付してくれるのですか?」
「……分かりました。それでは私の他にも職員が居りますので、その者達にも伝えておきます。ですので、私が居なくてもお気軽にカウンターの者にお声がけ下さい」
おお気が利いてるじゃないか!話がスムーズで楽だなぁ~。
でも、結局名前は教えてくれないんだね。
大丈夫ですよ?そんなに警戒しなくても、俺はナンパはしません。
「それなら、宜しく頼みます。後ガンツさんも宜しく頼みますね。じゃ俺はこれで」
「おう!」
「分かりました」
俺は二人に向かって、ペコリと頭を下げるギルド譲と、ギルドの解体倉庫から外へ出る。
倉庫から出た俺はと言うと、外の新鮮な空気をすぅーーーっと吸い込み、今度はふぅーーと息を吐き出すとポケットから地図を取り出し、その地図に目を落とし地図を見て倉庫から離れて歩き出す。
「さてさて、お宿は何処かなぁ~。なになに宿屋はこの道を真っ直ぐか。んで、左に行くか……よし行くか」
それにしてもあの受付、俺に塩対応だったなぁ~。
まあ騒がれなかったから良いけどね。
タイプじゃないし。
《ほほぅ……そんな強がりを》
『煩いよナビ。強がってないし!騒がれても困るでしょうが!』
《ふふふ、そう云う事にしておきますね》
『フフフって、しておくってなんだよ?』
…なんだかなぁ~!なんかムカつくぜ!
ギルドで貰った、この町の地図を見ながら宿を探しててくてくとを歩く俺だが、なんか目新しい店が目に入る。
お、あそこは雑貨屋かな?あっちはなにかな?後で見に行って見るかな。
その店に興味を持てば、後で訪ねる用に自分のマップにしっかりと、マッピングして宿屋までの道を歩く。
そしてたどり着いた宿屋街。
さてさて何処が良いかねぇ~。
宿屋が道の両側に、所狭しにズラッと並んで建っている。
地図に目を遣ると約20件以上有るみたいだ。
この町の宿屋街は賑やかだ。
こんなに活気の有る町は、初めて見るな。
俺の家がある町はこんなに宿屋は無い筈だし。
パトリックさんの居る宿屋街も、こんなに賑やかでは無かったし。
どの町の宿屋街もこんなに活気は無かったなぁ~と、町並みを感心して眺める。
が、果たして部屋は空いてるかねぇ~?
わからん先ずは当たって砕けてみるぞ!
《なんで既に砕けてるのです?》
『…………(汗)』
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