ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

文字の大きさ
692 / 763
新たな町へ

627話 美味いのに

しおりを挟む


 それから、暫くポツンと一人で執務室で待たされやっとギルマスがサブマスターを連れて部屋に入って来た。

 どんだけ待たしたよあんたら。

 ギルマスからサブマスターを紹介されて三人で話す。

 因みにサブマスターのお名前は、アゲインさんと仰るそうでギルマスの旦那だった。
 くそ!リア充め!

 で、ギルマスの言いたい事をサブマに通訳して貰いやっと理解した。
 要は俺が持ち込んだ石鹸やら化粧水をもっと多く卸せと言ってたんだよ。
 アハハ無理!
 駄目だよ、これは勿体付けて売るんだから。

 それと、オマケにと持ち込んだアクセサリーや置物も追加で売って欲しいそうだ。
 まあこれらに関しては俺も売りたいから卸すよ。

 で、ご要望の品物を出して買い取りたい物を選んで貰う。

 出したのは。

 アクセサリーは大量…主に高めのやつをどっさり出して、石鹸と化粧水は少量。
 置物もまあそれなりに。お初で出したのはリバーシだ。
 これはお試しで数台程。
 リバーシは屋敷も結構好評だぞ。

 それから…食べ物も少し。
 ドライフルーツやラスクとかは持ち運べて携帯食に成りそうだからね。

 と、色々出した結果石鹸と化粧水以外の物の説明を求められ詳しく説明して大量購入して貰ったぞ。

 時間が掛かったぜふぅ~。

 で、これからが本題!

「ギルマス、それにサブマスさん」

「なんだね? 改まって」

「なにかな? まだ何か有るのかね」

「いえ、そうではないのですが。少し俺の相談に乗ってくれません?」

「相談ですか?」

「その、相談とは」

「実は俺、この町の何処かで店を開きたいのです。で、何処かに良い物件とかないですか? 出来れば人通りの多いを場所希望で、出したいのは雑貨屋か…もしくは飯屋ですね」

「雑貨屋か、飯屋ですか…。雑貨屋はもしかしてこれらの商品を売るのですか?」

「ええ、そうですね。主に売るのは石鹸と化粧水等女性がターゲットに成りますかね? それから飯屋なら、男性がターゲットに、こんなものを売りたい」

 鞄からドンと出したのは、牛丼ならぬミノタウロスの肉を使ったミノタウロス丼。

「こ、これはなんです?」

「これは、白麦を炊いてその上からミノタウロスの肉を甘辛く煮た物を掛けた、ミノタウロス丼です。お二人良ければ試食どうですか? 美味いですよ」

 鞄から取り皿とスプーンを取り出して二人に渡す。

「ま、待ってくれ、白麦ってあの?」

「あの?……ああ、そうです。あの白麦ですね。家畜の餌ですが、あの白麦の殻を取って精米……米を白くして鍋に水を入れて、火で炊くと米が柔らかく成ってとても美味しいのですよ。ほら、お二人とも試食どうぞ?」

 俺は二人にミノタウロス丼を薦める。
 が、二人は手を出さない。二人は、どんぶりを見つめるだけで全く手を出そうともしない。
 痺れを切らした俺が、先にミノタウロス丼にスプーンを入れて一人分取り分け食べる。

「ん~美味い!」

 自分で作って置いてなんだが美味いねぇ~。だけどこれは、二人には受け入れて貰えないようだね。
 なんて考える。
 ギルマスとサブマスはまだ手を出さないしね。
 残念美味いのに。

しおりを挟む
感想 124

あなたにおすすめの小説

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる

枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。 艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。 誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。 だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。  創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。  そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。

R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~

イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。 半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。 凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。 だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった…… 同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!? 一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!

処理中です...