ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

661話 出されたうどんは?

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 で、注文してからまもなく十分強!
 未だにうどんが出てこない。
 俺の周りのお客さんも結構待ってるのかな?此方の人って気長なのな。

 まあ、十分くらいならまだ待てるのか?

 そんな事を考えつつ更に待つこと十分程。

「大変お待たせ致しました。此方ボア肉うどんとなります」
「………どうも、ありがとうございます」
「では、ごゆっくり」

 目の前に出されたうどんらしき物、先ずは観察。
 深めの洋皿っぽい器に汁は、まあまあ入ってるけど少ない感じ。
 でも、もう少し汁が入ってても良いよな。
 その汁の中に浮かぶ?のは、白くて細目の麺らしき物。だけどこの麺らしき物、短めに切って有るから白い塊が汁の中にプカプカと浮かんでる。
 何これ?
 で、具材の肉はちょこんと器の中に乗せられてるんだけど、これって肉うどんって言って良いのかな?
 薬味も無いぞ。
 目の前に出されたうどん成るものを良く見て、もうこれは笑うしかない。
 これはうどんじゃないよ。
 でも、深めの皿を使ってるから器は合ってる。何これ笑える。
 これはぁ~なんていったら良いのかな?
 ん~言い表せない。
 俺のボキャブラリーティーは底辺だった。残念。


『ワハハ、何これ? ナビ笑えるぞ!主役の麺は短かいし、うどんのつゆと肉も少ない。これ深めの皿を使う意味って有るのかな?』

《うどんとは、確か麺が長く汁も多いのでしたよね?》

『まあ、それが比較的それがポピュラーだな。でも、汁を小さな器に入れて付けて食べるなんてなもあるし、焼きうどんや汁なしうどんなんてのもある。でも、これは新感覚だな。俺的には』

 もしかしてこんな食べ方も有るかも知れないな。知らんけど。
 屋敷でもこんなの作った事がない。

 後は味だよな。

 俺的には箸が欲しい。
 無いけど。

 出されたカトラリーはスプーンとフォーク。
 此でどうやって、この短い「うどん」とやらを食うのか?

 ま、いざ!実食。

 先ずは汁からだな。
 スプーンを手に取り汁を掬って口に運ぶ。

「ふぅふぅ………ズズ…ズ……」

 ふむふむ………汁はまあまあ熱いけど、出汁の味がしない。
 多分、お湯に魚醤を入れてるだけだ。
 醤油じゃないし、鰹節も煮干しの出汁も効いてない。
 肉からも良い出汁が出るのにそれを生かせてない。
 
 ただの魚醤味のお湯だ。

 短い麺は短く細くて伸びてる。
 これは…あれだ思い出した団子汁!思い出した団子汁の具が少ないバージョンのあれだ。
 でも、麺が細いしこしもない。
 団子だってまだこしはあるかと思うぞ。

『一言、言って良いかな?』

《なんです?》

『残念』

《クックッ、残念ですか?》

『笑うなよ、本当不味いんだよこれ。俺的にはどうやって、この皿の中の食いもんを消費するのか悩むレベルだぞ?』

《クックッ、大いに悩んで下さい》

『っ!ナビ、お前他人事だと思いやがって!』

《他人事ですが?》

 くぅ………仕方ない早く食って素早く店を出る!これしかない!
 俺の予想が大当たり。

《良かったですね》

『何が?』

《主の予想が当たって》

『煩い、嬉しくないよ』


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