勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第4章 ここから始まる勇者様?

四十六・四十七日目 お引越し準備

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 ナンディーモとリサを受け入れた俺たちは、新たな出発を迎えることになる。
 まぁ、まだ引っ越しやら何やらがあるから、探索についてはもう少し先になってしまうけど。

 着替えを済ませていつものようにリビングに降りると、すでに全員揃っており、俺が最後になってしまった。
 やっぱり魔道具買いに行こう。

 朝食は、いつものようにエルダ達が準備をしてくれたので、とてもおいしかったとだけ言っておこう。
 デイジーの気合の入り方がいつもと違っていたのはご愛嬌だ。



『御屋形様、ナンディーモ様・リサ様両名が到着です。』

 食後にお茶でくつろいでいると、玄関で警備中のテツコンから念話が届いた。
 あ、ちなみにテツコンたちはローテーションで食事をとっているからな?
 ブラック企業なんて言わないでほしい。

『わかった、通してくれ。』
「では、私は迎えに行ってまいります。」

 テツコンからの念話にすぐに反応したワカタケは、2人を出迎えに行ってくれた。
 キキョウとレティシアも、受け入れ準備のためにキッチンへ一度下がっていった。
 この辺はほんと流れるように作業をしてくれるから助かる。
 俺はそういったこといまいちわからないから、皆に感謝しかないよ。

コンコンコン

「失礼します。ナンディーモ様・リサ様両名をお連れしました。」
「どうぞ。」

 リビングのドアのノックと共に、ワカタケが二人の来訪を告げる。
 俺は一応家主として尊大にふるまってはみたものの、正直こそばゆかったりする。

 ワカタケに連れられた二人は、物珍しそうにきょろきょろとしていた。
 特にリサがその傾向が強く、どちらかといえば〝怯え〟に近いのかもしれないな。
 見知らぬところにいきなり来たのだから仕方がないよね。
 ナンディーモの方はと言うと、品定めをするって言った方が納得がいくかもしれない。
 時折、ふむと言って調度品などを見ていた。
 俺が買った物じゃないから、その品の良し悪しを聞かれても困るんだけどね。

「いらっしゃい2人とも、ここが俺たちの拠点だ。まぁ、もうすぐ解体して建て直すんだけどね。」

 俺は挨拶も早々に二人にソファーに座るよう勧める。
 さすがにこれは俺がやらないといけないと、ワカタケから念話を貰っていた。
 ワカタケできる奴!!

「おはよう……ございます……」

 リサは緊張からか、声が少し上ずっていた。
 この辺はゆくゆく治ってくれたらいいかなって思う。

「ふむ。おはようございます。改めて自己紹介を。私は元ゴーヨクォート正教国・コークル騎士爵家六男で元神官騎士団第七騎士団第三中隊長兼第零騎士団特殊大隊第一小隊長の、ナンディーモと申します。しかし今は祖国を捨てた身。ナンディーとお呼びください。」

 ナンディーさんはものすごく噛みそうな役職をすらすらと言い切ると、優雅にお辞儀をしていた。
 その動作は洗練されており、騎士爵といえども貴族なんだなって思ってしまった。

「よろしくお願いします、ナンディーさん。」
「ナンディーでよろしいですよ。それに敬語も不要です。私は一介の冒険者【ナンディー】なのですから。」

 俺がナンディーさんに挨拶を兼ねて握手を求めると、一介の冒険者として生きていく覚悟を持って握手に応えてくれた。
 よほどすごかったんだな……【勇者モドキ】と【ゴーヨクォート正教国】。

「あ、あの。わ、私はリサ……。リサ・フレデリックです。よ、よろしく……です。」

 リサは緊張からか、子犬の様にアワアワとしながら手足をばたつかせ挨拶をしてくれた。
 そこまで緊張しなくてもいいと思うんだけどな……
 俺ってそこまで怖い感じなの?

 そうすると、まだきちんと挨拶できていなかったエルダが、リサの隣に座り直し、リサの両手を包み込むように握りながら挨拶を交わしていた。

「あなたがリサさんね。私はエルダ。エルダ・クリスティよ。よろしくね?」
「は、はい!!」

 それが功を奏したのか、リサの表情が少しだけ和らいだ気がした。
 この辺はエルダとデイジーに任せた方がよさげだね。
 少しづつ慣れてくれればそれでいいよ。

「ところで立ち入った話を聞くようだけど、リサってどうして借金奴隷になったの?」

 俺が一番気になっていたことだ。
 こんな小さな子が借金奴隷になるなんて、よほどのことが無いとならないだろうと思っていたからだ。

「……。」

 しかしリサは答えようとはしなかった。
 その質問を聞くと体を強張らせながら震えていた。
 よほど聞いてほしくなかったのだろうか……

「ごめん。無理はしなくていいからね?話せるようになったら話してくれればいいから。それは俺じゃなくてもいいよ。ポールでもエルダでもデイジーでもいいから。ゆっくり慣れてほしい。」

 リサは小さな声で「ごめんなさい……」と絞り出すように答えてくれた。
 少し急ぎすぎたかもしれないな。
 ただ少し警戒は必要になりそうだ。
 過去を語りたくないということは、もしかしたら爆弾を抱えている可能性も考えられる。
 そうなれば、絶対厄介ごとに巻き込まれるから……
 まあ、引き受けた以上は覚悟するしかないよな。
 って、一番の爆弾は俺だよな。
 すまない皆……

 少し空気が沈みかけていたところで、その事件が起こったのだ。
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