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第5章 ここから始まる女神様?
四十八日目③ 遺品整理
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ガラン……ゴロン……ガラン……
いつもよりもかなり重い足取りで冒険者ギルドに入った俺は、さらに重い足取りで受付カウンターまで歩みを進めた。
その様子を見ていたほかの冒険者たちも、何か気のどくそうにこちらを見ていた。
そんな生温かな視線の中進んで行くと、いつもの様にキャサリンさんがカウンター業務に追われていた。
「おはようございます……。すみませんがギルマスに至急取り次いでください……」
「おはよう……ってどうしたの?元気がなさそうね……何かあったの?」
俺たちの事を見つめていたキャサリンさんは、とても心配そうにしていた。
うん、ものすごく有った……
そして先に謝っておいた方が良いかな?
「すみません……」
「今は聞かない方がよさそうね。わかったわ、ギルマスね。ごめん誰かここお願いね?」
キャサリンさんは奥に向かってそう声をかけると、慌てて席を立って俺たちを案内してくれた。
コンコンコン
「ギルマス。カイトさん達がお越しです。」
「カイトが?分かった、少し待ってくれ。」
キャサリンさんが入室許可の確認を取ると、ガサゴソと中なら何か片付ける音が聞こえて来た。
応接セットまで使って書類整理とかしていただろうな。
紙の束ねる音や、何かを集める音が聞こえて来た。
「おう、良いぞ。」
おっちゃんから入室許可を得た俺たちは、六人そろって執務室へと入っていった。
先にソファーに座っていたおっちゃんは、俺と目が合うなり、物凄く嫌そうな顔をしていた。
俺の顔に何かついているのだろうか。
さっきもキャサリンさんが顔色を変えていたから、心配になってしまった。
キャサリンさんからソファーに座る様に勧められて、俺たちはソファーに腰かけた。
なぜかリサとナンディーがソファーに腰を下ろさなかったんだけど、どうしてだろうか?
キャサリンさんは給仕の為、奥の給湯室へ入っていった。
シャバズのおっちゃんと向かい合って座った俺たちは無言の時間が発生してしまった。
「で、いったい何があったんだ?」
しびれを切らしたおっちゃんが、俺を睨みながら問いかけて来た。
俺自体何も悪いことしてないのにって思ったけど、言葉にしたところで変わらないのであきらめることにした。
「どっから話せばいいかな。まずは引っ越しの為に出て来た荷物をお返しします。」
俺はそう言うと一旦席を立ち、おっちゃんの脇に収納箱(簡易)を取り出した。
「これは?」
おっちゃんはいきなりの事で訝しがりながらもその収納箱(簡易)に手をかけた。
目で開けていいのかと訴えられたので、俺は肯定の意味で頷いた。
おっちゃんはゆっくりとその収納箱(簡易)を開いていった。
そしておっちゃんは突然涙を流していた……
収納箱(簡易)に収められていたのは、おっちゃんの弟さんの遺品だ。
本来は弟さんが亡くなった時点で、あの部屋の遺品は回収されてもおかしくはなかった。
しかし、おっちゃんが中に入ろうとしても何かに邪魔をされて回収できなかったそうだ。
まあ、おそらくだけど無意識にレティシアが守っていたんだろうな。
「すまん……。ちょっとだけ時間をくれ……。」
おっちゃんはそう言うと、中から出て来た遺品を一つ一つ確認していった。
応接セットのテーブルがある程度埋まる頃、全ての遺品が取り出されていた。
「すまんな……。」
おっちゃんはそれだけ言うと、頭を下げていた。
どういった意味なのか分からないけど、感謝をされたってことは理解できた。
「ギルマ……。シャバズ……これはあの子の……。」
「あぁ、姉さん……。あいつのもんで間違いない。この短剣だって俺があいつに送ったもんだ。何かあったときの護身用に持ち歩けって言っていたのにな。大事にしまっていたんだろうな……。本当に馬鹿だよ……。」
やっぱり姉弟だったんだね。
この時だけは姉弟として過ごしてもいいよね。
おっちゃんの隣に腰を下ろしたキャサリンさんは、その遺品を手に取りながら涙を浮かべていた。
大事な弟さんだったんだな。
「すまんなカイト。変なところを見しちまった。まぁ、何だ。俺たちの事は聞かなかったことにしてくれ。これには事情があるんだ。」
おっちゃんがそう言うと、キャサリンさんも頭を下げていた。
きっと俺たちには言えない何かがあるんだろうけど、そこを聞くほど野暮になったつもりもない。
「それじゃあ、おっちゃん。この遺品は全部返すね。」
「あぁ、ありがとう。」
一通り確認し終えた二人は、丁寧に収納箱(簡易)に遺品を戻していった。
全てを片付け終えてから、もうお開き的な空気を出し始めたおっちゃんに俺はさらに爆弾を落とさなければならなかった。
むしろここからが本番だったりする。
「それでだ、今日来た理由なんだけど……。まずはこれを見てくれ。」
俺はアイテムボックスからネックレスを取り出す。
テーブルに置かれたネックレスを見た二人は驚きの表情を浮かべていた。
これが何か察しは付いたらしい。
「レティシア、出てきていいよ。」
すると、ネックレスの宝石が輝くと、俺たちの後ろに1人の女性が現れた。
そして、その横に1人の下僕も現れた。
うん、スルーしよう。
おっちゃんたちは、現れたレティシアと、その横で祈りをささげるナンディーに釘付けだった。
いつもよりもかなり重い足取りで冒険者ギルドに入った俺は、さらに重い足取りで受付カウンターまで歩みを進めた。
その様子を見ていたほかの冒険者たちも、何か気のどくそうにこちらを見ていた。
そんな生温かな視線の中進んで行くと、いつもの様にキャサリンさんがカウンター業務に追われていた。
「おはようございます……。すみませんがギルマスに至急取り次いでください……」
「おはよう……ってどうしたの?元気がなさそうね……何かあったの?」
俺たちの事を見つめていたキャサリンさんは、とても心配そうにしていた。
うん、ものすごく有った……
そして先に謝っておいた方が良いかな?
「すみません……」
「今は聞かない方がよさそうね。わかったわ、ギルマスね。ごめん誰かここお願いね?」
キャサリンさんは奥に向かってそう声をかけると、慌てて席を立って俺たちを案内してくれた。
コンコンコン
「ギルマス。カイトさん達がお越しです。」
「カイトが?分かった、少し待ってくれ。」
キャサリンさんが入室許可の確認を取ると、ガサゴソと中なら何か片付ける音が聞こえて来た。
応接セットまで使って書類整理とかしていただろうな。
紙の束ねる音や、何かを集める音が聞こえて来た。
「おう、良いぞ。」
おっちゃんから入室許可を得た俺たちは、六人そろって執務室へと入っていった。
先にソファーに座っていたおっちゃんは、俺と目が合うなり、物凄く嫌そうな顔をしていた。
俺の顔に何かついているのだろうか。
さっきもキャサリンさんが顔色を変えていたから、心配になってしまった。
キャサリンさんからソファーに座る様に勧められて、俺たちはソファーに腰かけた。
なぜかリサとナンディーがソファーに腰を下ろさなかったんだけど、どうしてだろうか?
キャサリンさんは給仕の為、奥の給湯室へ入っていった。
シャバズのおっちゃんと向かい合って座った俺たちは無言の時間が発生してしまった。
「で、いったい何があったんだ?」
しびれを切らしたおっちゃんが、俺を睨みながら問いかけて来た。
俺自体何も悪いことしてないのにって思ったけど、言葉にしたところで変わらないのであきらめることにした。
「どっから話せばいいかな。まずは引っ越しの為に出て来た荷物をお返しします。」
俺はそう言うと一旦席を立ち、おっちゃんの脇に収納箱(簡易)を取り出した。
「これは?」
おっちゃんはいきなりの事で訝しがりながらもその収納箱(簡易)に手をかけた。
目で開けていいのかと訴えられたので、俺は肯定の意味で頷いた。
おっちゃんはゆっくりとその収納箱(簡易)を開いていった。
そしておっちゃんは突然涙を流していた……
収納箱(簡易)に収められていたのは、おっちゃんの弟さんの遺品だ。
本来は弟さんが亡くなった時点で、あの部屋の遺品は回収されてもおかしくはなかった。
しかし、おっちゃんが中に入ろうとしても何かに邪魔をされて回収できなかったそうだ。
まあ、おそらくだけど無意識にレティシアが守っていたんだろうな。
「すまん……。ちょっとだけ時間をくれ……。」
おっちゃんはそう言うと、中から出て来た遺品を一つ一つ確認していった。
応接セットのテーブルがある程度埋まる頃、全ての遺品が取り出されていた。
「すまんな……。」
おっちゃんはそれだけ言うと、頭を下げていた。
どういった意味なのか分からないけど、感謝をされたってことは理解できた。
「ギルマ……。シャバズ……これはあの子の……。」
「あぁ、姉さん……。あいつのもんで間違いない。この短剣だって俺があいつに送ったもんだ。何かあったときの護身用に持ち歩けって言っていたのにな。大事にしまっていたんだろうな……。本当に馬鹿だよ……。」
やっぱり姉弟だったんだね。
この時だけは姉弟として過ごしてもいいよね。
おっちゃんの隣に腰を下ろしたキャサリンさんは、その遺品を手に取りながら涙を浮かべていた。
大事な弟さんだったんだな。
「すまんなカイト。変なところを見しちまった。まぁ、何だ。俺たちの事は聞かなかったことにしてくれ。これには事情があるんだ。」
おっちゃんがそう言うと、キャサリンさんも頭を下げていた。
きっと俺たちには言えない何かがあるんだろうけど、そこを聞くほど野暮になったつもりもない。
「それじゃあ、おっちゃん。この遺品は全部返すね。」
「あぁ、ありがとう。」
一通り確認し終えた二人は、丁寧に収納箱(簡易)に遺品を戻していった。
全てを片付け終えてから、もうお開き的な空気を出し始めたおっちゃんに俺はさらに爆弾を落とさなければならなかった。
むしろここからが本番だったりする。
「それでだ、今日来た理由なんだけど……。まずはこれを見てくれ。」
俺はアイテムボックスからネックレスを取り出す。
テーブルに置かれたネックレスを見た二人は驚きの表情を浮かべていた。
これが何か察しは付いたらしい。
「レティシア、出てきていいよ。」
すると、ネックレスの宝石が輝くと、俺たちの後ろに1人の女性が現れた。
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うん、スルーしよう。
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