勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

文字の大きさ
234 / 246
第7章 ここから始まる雁字搦め

五十七日目⑫ 新しい相棒

しおりを挟む
 ガンテツさんとココットとの話し合いを終えて、俺はココットの打った双剣を譲り受けた。
 それは鋼と鉄で鍛えた鍛造品で、今まで使っていた鋳造品とは別物だった。
 さっき試し斬りした物よりは一段下がるものの、それでも切れ味は素晴らしものがあった。

「おう、カイト。今度の武器は手入れをしないとすぐに使い物にならなくなる。そこの二人からよく習うんだぞ?」
「はい、こんな素晴らしい剣を譲ってもらったからには、大事にしなと。」

 俺は剣を掲げて、見惚れていた。
 純粋にきれいだと思ったからだ。
 今まで使っていた剣は、どちらかと言えば鉄の塊を見ている感じだった。
 だけど、この剣はどこか美しさを感じさせた。
 なんていうんだろうか、そう、日本でちょっと見たことのある刀のようなイメージだ。
 西洋剣でこういった作り方をするものがあるかは俺も分からない。
 そこまで詳しくはないからね。

「君にそう言ってもらえてうれしいよ。必ず帰ってくるように、それが私に願いだよ。」

 ココットの言葉がやけに心に残った。
 何か強い思いがあるんだろうか。
 俺にはそれが分からないけど、ココットの中では何か思うところがあるのかもしれないな。

「そう言えば気になっていたことがあったんだけど、良いかな?」
「どうしたの?」

 ココットが何か腑に落ちないという雰囲気を出していたけど、いったい何があったんだろうか?

「いやね、ずっと気になっていたんだけど、私の事ずっと〝ココット〟って呼び捨てにしていたよね?話し方もだいぶフランクだし。」
「あ、ごめん。気に障ったなら謝るよ。」

 どうやらココットは、言葉遣いとかそう言ったことが気になるタイプだったらしいね。
 俺が謝ると、まだどこか納得がいっていないようだった。
 それから何かひらめいたのか、俺の懐にスイっと入り込んで見上げるように視線をぶつけてきた。

「もしかして……私を年下だと思ってないかな?」
「え?だっておさな……」

 って言おうとした瞬間に俺の腹部に、ココットの拳がめり込んでいた。
 ちょっと待って、女の子の力じゃないんだけど⁈
 俺が腹を抑えて悶絶していると、ガンテツさんがあちゃ~とでも言いたげに頭を抱えていた。
 いったい、何が……

「ええ、よ~くわかりました。どうやら君の認識を改める必要がありそうね。」

 俺がその場で蹲っていると、どす黒いオーラを纏ったココットが見下ろしていた。
 くそ、何がどうなったんだ?
 痛む腹をさすりながら何とか立ち上がると、目の前には腕を組んで怒ってますアピールをしているココット。
 だけどそれは小動物が起こっているような可愛らしさが全開だった。

「ガンテツさん……助けてくださいよ。」
「ん?どうした?」

 俺が堪らずガンテツさんに助けを求めると、すでに興味をなくしていたのかポールたちと何か話をしていたガンテツさん。
 俺の助けを求める声は結局誰にも届くことはなく、それから小一時間ココットに詰め寄られることとなってしまった。


「これでわかったかい?」
「はい……ココットさん。」

 ココットはドワーフ族と人間族のクウォーターらしく、人よりも若く見られてしまうようだった。
 それについては本人も自覚はしているものの、納得はしていないみたいだった。
 そのせいで俺は小一時間説明をきっちりかっちり受けることになったのだが……
 その間ポールたちは、ガンテツさんと武具談議に花を咲かせていた。
 ただそのおかげで、ポールたちの次の武器についての話し合いもできたようで必要な素材が見えてきたみたいだった。
 ただそれは俺が【鉱山跡地ダンジョン】の10層を攻略出来てからの話になるようで、がんばれとガンテツさんからエールをもらったんだけど……なんだか納得がいかなかったのは気のせいじゃなかったはず。
 ちなみにガンテツさんに出会ったのは30年近く前だったそうだ……
 え?つまり……当時15歳前後だったはずだから……ってなんか寒気が!?
 これ以上は考えてはいけないらしい。
 よく見るとココット……さんの目がものすごく怖い……

「えっと、ココットさん。これからも武器についてよろしくお願いします。」
「……はぁ、もういい。ココットで。」

 どこか呆れ顔のココットはやれやれと言わんばかりの態度を取っていた。
 こちらの話が終わったのだと気が付いたポールたちは何事もなかった可能ように、俺のそばに戻ってきたのだった。
 なんだか納得いかないのは俺だけだろうか。

「それではガンテツさん、さっきの話よろしくお願いします。」
「おう、だがそれにはこいつを鍛えんことにはどうにもならんだろうかなら。カイトよ、がんばって攻略するんだぞ?」

 ガンテツさんはそう言うとガハハと笑い飛ばすのだった。
 なんだかなぁ……
 まあでも、それが俺の今の目標なんだし問題はないのかな。

「分かりました。がんばって第10層を攻略しますよ。ポールたちもよろしく。」
「ああ、任せろ。」
「頑張りましょう。」

 なんだかんだで決意を新たにした俺だったけど、この後起る波乱をどうやって予想出来るって言うんだろうか……
 俺のスローライフってどこに行ったんだろうな。
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立

黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」 「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」 ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。 しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。 「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。 だが、彼らは知らなかった。 ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを! 伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。 これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた

黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆ 毎日朝7時更新! 「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」 過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。 絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!? 伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!? 追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。