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第8章 富士の樹海ダンジョン
第112話 反省の先に
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「つまり、【探索者】として覚えたスキルは、すべてこの端末で確認できるということですの?」
あらかたケントが説明をし終えると、冷静さを取り戻したジェシカが、再度確認を行った。
すでに酒は抜けており、いまだ少し顔が赤いのは、先ほどの振る舞いについて少しだけ恥ずかしさが顔をのぞかせていたからに他ならなかった。
ケントが説明した内容は、
1・スキルは自分の行動に沿ってそれぞれ開花していく
2・スキルはコモン・アンコモン・レア・レジェンド・ユニークに分類される
3・レジェンド、ユニークスキルは〝世界に1つ〟しか存在しない
4・技術系、職種系、物理系、魔法系などすべてスキルで統一されている
5・魔法の概念が狩猟者と【探索者】で違う
6・スキルは使う毎にそのレベルが上がり、効果が上昇していく
7・すべてには例外が存在する
というものだった。
「その例外っていったいなんでござろうか?」
「ん?あぁ、それは俺のスキルそのものだよ。まあ、ユニークスキルの分類なんだけど、それ自体は明かせないからごめん。それと君たちにも注意。基本的にはレジェンド、ユニークのスキルは公開しない方が良い。」
ギルバートの疑問にケントは答えるも、肝心の内容ははぐらかされてしまった。
しかし、最後の言葉を聞いたリヒテルは少し考えてしまった。
そしてあることに気が付いたのだ。
「そうか、〝世界に1つ〟しか存在しない……つまりそれを得るためには所持者を消す必要があるってことか……」
「ご明察。いくらダンジョン内では死なないって言っても、街中はその対象じゃない。ダンジョン外で死んでしまったらそれまで。じゃあ、そのスキルはどうなるのか。答えは簡単、次の適応者に移るんだ。」
何やら物騒な話になってきたことに、レイラとジェシカは顔を顰めてしまった。
考えたくはないが、欲しいスキルを既に取られていたならば、そう考える輩がいてもおかしくはなかった。
「そうやって自分に来るまで殺し続ける奴もいたよ。」
ケントは少し遠い目をして、何かを思い出したらしい。
だがそれは、リヒテルたちには知りえることではなかった。
ケントもこれ以上は話そうとはしなかったために、この話はここで終わりとなった。
「じゃあ、今後の方針を決めようか。ここからはリヒテルが進行役ね。リーダーなんだからしっかり頼むよ?」
「分かった。ケントもフォローを頼むね?」
ケントはリヒテルに話を引き継ぐと、自分はあくまでもフォローに徹することとした。
そうでなければ彼らの成長はあり得ないからだ。
リヒテルは移動中に考えていたことを皆に話すことにした。
「まず最初に……俺たちは弱い。正直、何とかなるだろうと思ってた。ケントが持ってきた案件で、何かしらのフォローがあるだろうからと、タカをくくっていた。それがあのざまだ。俺は指揮をとる事すらまともにできず、ただひたすらに敵の気配を探すことに集中してしまった。本来であればレイモンドをそっちに回して、俺は援護をする方がよっぽど効率的だったのに。」
焦りから来るものなのか、完全に役割分担を失敗してしまい、リヒテルたちは無駄に苦戦を強いられてしまった。
それはリヒテルがというよりも、全員の認識不足というの大きかった。
リヒテルの話を聞いた面々は、先ほどまでの楽しい会話からは程遠いほど、暗い表情となっていた。
「だからこそ役割をはっきりさせたい。この【探索者】側のスキルは、行動によって発現するとするならば、むしろその役割をきちんとこなさないといくら頑張っても意味がない。俺たち防衛隊は臨機応変に対応する事が求められてきた。それは人を守ることが最優先で、攻めることはその後という考えが根底にあるからだ。」
リヒテルは一拍おくと、皆の顔を見回す。
全員が首肯し、リヒテルの考えに同意した。
リヒテルは話を続ける。
「ダンジョン攻略はむしろ攻めの攻略だ。相手が来るのを待つんじゃなくて、こちらから。そうなると戦い方はガラッと変わってくる。そう考えると、総隊長が俺たちをこっちに送ったのにも合点がいく。俺たちはこの世界を取り戻すために戦わなくちゃならない。いつからか生活可能区域の防衛が主となってた。本当は立入禁止区域の奪還なはずなのにな。」
ひと際悔しそうな表情を浮かべる。
この時リヒテルは、自分たちを逃がすために戦場に赴いたリヒテル小隊の事を思い出していた。
その前の戦いで無理をしたがために、その場に行けなくなってしまった。
もしあの時、無理をしなければ……
もしあの時、自分も参戦できていれば……
そんな思いが、いつもリヒテルを責め立てて居た。
「だからこそ、俺たちは強くなろう。俺たちが強くなったとしても、取り戻せる大地なんてたかが知れてる。だけど……それでも、この手の届く範囲の大事な人は助けられる。それがその先の未来を変えられるかもしれない。だから……だから力を貸してほしい。頼む!!」
リヒテルは皆に頭を下げる。
その思いが届くと信じて。
「リヒテル……何を馬鹿なことを言っているんだ?」
少し呆れた様子で、レイモンドが語り掛けた。
ギルバートもジェシカもレイラも同様であった。
「そんなの当たり前じゃないの。」
レイラは弟を見るように。
「そうね、当たり前すぎるますわね。」
ジェシカは慈愛の笑みをもって。
「一番の年下が何を言っているでござるか……拙者たちの弱さが悪なのでござろう?ならば答えは決まっておる。」
ギルバードは強い決意をもって。
「「「「リヒテル、強くなろう!!」」」」
四人の声が重なり、リヒテルに届く。
リヒテルに齎されたのは、暖かな光の様な力強い言葉だった。
そのやり取りを見ていたケントは、少しだけ嬉しそうに笑みを浮かべていた。
その笑みの意味を知る者はいない。
「さてと、じゃあこれからどうするかってところだけど……まずはフォーメーションを考えないと。基本の役割は…………」
それからリヒテルたちは自分たちの特技・長所・短所・戦い方などを一から話し合った。
それによって今まで形になっていたものの、実はそれが相手に負担をかけていたりしたことも浮き彫りとなってきた。
今まで問題なかったと思っていたことが、それなりに実力があるがために、問題がうまく隠れてしまっていた。
それらを洗い出し、修正していく。
話し合いや鍛錬所を借りての訓練を続け、ひたすらトライ&エラーを繰り返していった。
時には訓練所に来ていた【探索者】たちに協力を仰ぎ、模擬戦なども行って、さらなる洗い出しを進めた。
その成果もあり、最初はちぐはぐだった連携も、徐々にかみ合い始めていった。
そしてリヒテル一行が再アタックを開始したのは、ファーストアタックから一週間後の事であった。
斥候・遊撃にレイモンド。
前衛にギルバード。
中衛にレイラとリヒテル。
後衛・支援にジェシカ。
再後衛・遊撃にケント。
おそらく当初のフォーメーションと、それほど変わりはなかった。
だがそれぞれがその役割を強く意識したことで、連携の密度が濃くなっていた。
まだまだ阿吽の呼吸とまではいかないものの、誰が何をしたいのか、そのために自分が何をすればいいのか。
おぼろげながら見えてきたのだ。
そして第1階層の再アタックから十日後……
ついに第1階層を抜けることが出来たのだった。
あらかたケントが説明をし終えると、冷静さを取り戻したジェシカが、再度確認を行った。
すでに酒は抜けており、いまだ少し顔が赤いのは、先ほどの振る舞いについて少しだけ恥ずかしさが顔をのぞかせていたからに他ならなかった。
ケントが説明した内容は、
1・スキルは自分の行動に沿ってそれぞれ開花していく
2・スキルはコモン・アンコモン・レア・レジェンド・ユニークに分類される
3・レジェンド、ユニークスキルは〝世界に1つ〟しか存在しない
4・技術系、職種系、物理系、魔法系などすべてスキルで統一されている
5・魔法の概念が狩猟者と【探索者】で違う
6・スキルは使う毎にそのレベルが上がり、効果が上昇していく
7・すべてには例外が存在する
というものだった。
「その例外っていったいなんでござろうか?」
「ん?あぁ、それは俺のスキルそのものだよ。まあ、ユニークスキルの分類なんだけど、それ自体は明かせないからごめん。それと君たちにも注意。基本的にはレジェンド、ユニークのスキルは公開しない方が良い。」
ギルバートの疑問にケントは答えるも、肝心の内容ははぐらかされてしまった。
しかし、最後の言葉を聞いたリヒテルは少し考えてしまった。
そしてあることに気が付いたのだ。
「そうか、〝世界に1つ〟しか存在しない……つまりそれを得るためには所持者を消す必要があるってことか……」
「ご明察。いくらダンジョン内では死なないって言っても、街中はその対象じゃない。ダンジョン外で死んでしまったらそれまで。じゃあ、そのスキルはどうなるのか。答えは簡単、次の適応者に移るんだ。」
何やら物騒な話になってきたことに、レイラとジェシカは顔を顰めてしまった。
考えたくはないが、欲しいスキルを既に取られていたならば、そう考える輩がいてもおかしくはなかった。
「そうやって自分に来るまで殺し続ける奴もいたよ。」
ケントは少し遠い目をして、何かを思い出したらしい。
だがそれは、リヒテルたちには知りえることではなかった。
ケントもこれ以上は話そうとはしなかったために、この話はここで終わりとなった。
「じゃあ、今後の方針を決めようか。ここからはリヒテルが進行役ね。リーダーなんだからしっかり頼むよ?」
「分かった。ケントもフォローを頼むね?」
ケントはリヒテルに話を引き継ぐと、自分はあくまでもフォローに徹することとした。
そうでなければ彼らの成長はあり得ないからだ。
リヒテルは移動中に考えていたことを皆に話すことにした。
「まず最初に……俺たちは弱い。正直、何とかなるだろうと思ってた。ケントが持ってきた案件で、何かしらのフォローがあるだろうからと、タカをくくっていた。それがあのざまだ。俺は指揮をとる事すらまともにできず、ただひたすらに敵の気配を探すことに集中してしまった。本来であればレイモンドをそっちに回して、俺は援護をする方がよっぽど効率的だったのに。」
焦りから来るものなのか、完全に役割分担を失敗してしまい、リヒテルたちは無駄に苦戦を強いられてしまった。
それはリヒテルがというよりも、全員の認識不足というの大きかった。
リヒテルの話を聞いた面々は、先ほどまでの楽しい会話からは程遠いほど、暗い表情となっていた。
「だからこそ役割をはっきりさせたい。この【探索者】側のスキルは、行動によって発現するとするならば、むしろその役割をきちんとこなさないといくら頑張っても意味がない。俺たち防衛隊は臨機応変に対応する事が求められてきた。それは人を守ることが最優先で、攻めることはその後という考えが根底にあるからだ。」
リヒテルは一拍おくと、皆の顔を見回す。
全員が首肯し、リヒテルの考えに同意した。
リヒテルは話を続ける。
「ダンジョン攻略はむしろ攻めの攻略だ。相手が来るのを待つんじゃなくて、こちらから。そうなると戦い方はガラッと変わってくる。そう考えると、総隊長が俺たちをこっちに送ったのにも合点がいく。俺たちはこの世界を取り戻すために戦わなくちゃならない。いつからか生活可能区域の防衛が主となってた。本当は立入禁止区域の奪還なはずなのにな。」
ひと際悔しそうな表情を浮かべる。
この時リヒテルは、自分たちを逃がすために戦場に赴いたリヒテル小隊の事を思い出していた。
その前の戦いで無理をしたがために、その場に行けなくなってしまった。
もしあの時、無理をしなければ……
もしあの時、自分も参戦できていれば……
そんな思いが、いつもリヒテルを責め立てて居た。
「だからこそ、俺たちは強くなろう。俺たちが強くなったとしても、取り戻せる大地なんてたかが知れてる。だけど……それでも、この手の届く範囲の大事な人は助けられる。それがその先の未来を変えられるかもしれない。だから……だから力を貸してほしい。頼む!!」
リヒテルは皆に頭を下げる。
その思いが届くと信じて。
「リヒテル……何を馬鹿なことを言っているんだ?」
少し呆れた様子で、レイモンドが語り掛けた。
ギルバートもジェシカもレイラも同様であった。
「そんなの当たり前じゃないの。」
レイラは弟を見るように。
「そうね、当たり前すぎるますわね。」
ジェシカは慈愛の笑みをもって。
「一番の年下が何を言っているでござるか……拙者たちの弱さが悪なのでござろう?ならば答えは決まっておる。」
ギルバードは強い決意をもって。
「「「「リヒテル、強くなろう!!」」」」
四人の声が重なり、リヒテルに届く。
リヒテルに齎されたのは、暖かな光の様な力強い言葉だった。
そのやり取りを見ていたケントは、少しだけ嬉しそうに笑みを浮かべていた。
その笑みの意味を知る者はいない。
「さてと、じゃあこれからどうするかってところだけど……まずはフォーメーションを考えないと。基本の役割は…………」
それからリヒテルたちは自分たちの特技・長所・短所・戦い方などを一から話し合った。
それによって今まで形になっていたものの、実はそれが相手に負担をかけていたりしたことも浮き彫りとなってきた。
今まで問題なかったと思っていたことが、それなりに実力があるがために、問題がうまく隠れてしまっていた。
それらを洗い出し、修正していく。
話し合いや鍛錬所を借りての訓練を続け、ひたすらトライ&エラーを繰り返していった。
時には訓練所に来ていた【探索者】たちに協力を仰ぎ、模擬戦なども行って、さらなる洗い出しを進めた。
その成果もあり、最初はちぐはぐだった連携も、徐々にかみ合い始めていった。
そしてリヒテル一行が再アタックを開始したのは、ファーストアタックから一週間後の事であった。
斥候・遊撃にレイモンド。
前衛にギルバード。
中衛にレイラとリヒテル。
後衛・支援にジェシカ。
再後衛・遊撃にケント。
おそらく当初のフォーメーションと、それほど変わりはなかった。
だがそれぞれがその役割を強く意識したことで、連携の密度が濃くなっていた。
まだまだ阿吽の呼吸とまではいかないものの、誰が何をしたいのか、そのために自分が何をすればいいのか。
おぼろげながら見えてきたのだ。
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