オガミ部の活動日誌

七海 司

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苛立つ男

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 四方を校舎に囲まれた中庭。聳え立つ校舎が夕陽を遮り、陰鬱な雰囲気の植物が茂っている。
 来るな。と場所そのものが人を拒んでいるようだ。
 そんな陰鬱の中心に社はあった。思っていたものよりも小さくて粗末だった。
 それでも社の前だけは雑草が抜かれて整備されている。定期的に誰かが参拝をしているのだ。
「さて、呪詛返しをしようじゃないか」
 道中で説明された通りの礼法に乗っ取り宣言する。
「凪より下された、捲ることで起こる腹痛の呪い。返上いたします」
 風が止み、梢のざわめきも消えた。時が止まったように動くものがなにもない。
 無音の闇に声が溶けていく。
 二色の刻印は変わらずにこびりついたままだった。
「凪より」
「やめたまえ。失敗だ。何かが間違っているようだ。呪いの三要素は全てが揃わないと返上できないのだよ」
 何が間違っているというのだ。容疑者は実質一人でトリガーも確定しているじゃないか。この胡散臭い先輩を信じるべきではなかったのか。
「ここまで絞り込めているのにありえない。前提を間違えているのか」
 当の先輩は、忙しなく扇子を広げたり閉じたりを繰り返しながら、熟考しているようだ。
「情報を改めて得よう。明日の昼休みに紗奈さんと凪さんに話を聞く場をセッティングしたまえ。場所は、オガミ部の部室を使ってくれて構わない。それと呪詛返しは失敗に終わった。呪いはより強力な物になった筈だ。気をつけたまえ」
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