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どうしてこんな事になっているんだろう。



あれからゴーダ商会のお2人を見送って、ゲイルにお礼を言うと衝撃の言葉が返ってきた。


「俺にもやって欲しい」





一瞬聞き間違えたかと思った。
だが、聞き直してもゲイルは自分にもハンドマッサージをして欲しいと言う。



小さなボウルを出して貰い、そこにアーモンドオイル、ゲイルに選んで貰ったラベンダーの精油を置く。
タオルも何枚かセッティングした。

「まず精油を調合します。
ラベンダーには新陳代謝を促し、心身をリラックスさせる効果があります。もし、痒くなったりしたら遠慮なくおっしゃって下さいね」

アーモンドオイルにラベンダーの精油を数滴垂らし混ぜておく。
仕事モードなので敬語だが、ゲイルは真剣に頷いていたので危うくキュンとしてしまうところだった。
してないよ、してない。

これくらいかな、という所で手を出して貰いクルクル丸めたタオルを横にしてゲイルの手首を乗せて貰って施術していく。


推しの手を触っているという事を考えたら負けだ。
それ故に冒頭の言葉を思ってしまうのも無理はないよね。

男性なのにすべすべなのはズルい。
袖を二の腕まで捲って貰って居るので筋肉の筋が見えるのも無視だぞ、私。

煩悩を消し去る為には羊数えたら良いんだっけ、それともお祓いに行けば良いのかな?









ゲイルさんよ





お願いだから、耳を赤くしないで欲しい。
顔は至って通常運転なのに!!

恥ずかしいのが移ってきてしまうが、プロ根性で何とか終わらせた。



「おしまいです」

そう言うと、まだ耳を赤くしているご本人は

「あぁ、ありがとう。…とても心地良かった。
それに、とても良い匂いで心が落ち着く…。
マリーの手は温かいな、確かに魔力を感じた」



どうやら、施術による魔力の確認だったようだ。
正直過ぎる褒め言葉についに赤面してしまった。



奥でアレンがケラケラ笑っている気がする。

『砂糖吐く』って言いながら。





お仕事ですから!!!!
これは、お、し、ご、と!!!



明日からゲイルに魔力を教わる事が、何だか少しだけ不安になってきた。
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