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第十八話 物語は動き始める
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リーフェを探しにガリアの街に繰り出すと、リーフェはすぐに見つかった。
朝食を急いで食べた甲斐があったらしい、リーフェは街の大通り、行きかう人々が大勢いてもすぐに分かった。
リーフェの珍しい銀髪姿を見れば一目でわかる。分かるのだが、今日のリーフェはどこか様子が違った。
ルンルンとまるでスキップしそうな勢いで歩いていたリーフェは、なんとケーキ屋さんに入っていたのだ。
驚きを隠せない俺たち一堂にボケっとした顔をしただろう。だけど、見失うわけにはいかないのでばれないように外から見守る。
「おい、あいつケーキ屋に入ったぞ!」
「それに、今日は特別な日なのかな? ツインテールなんて!」
エラルドは驚天動地と言わんばかりの表情をしていた。
ユラはわくわくしている。
街灯にあるベンチからケーキ屋を一人は気味悪く、一人はワクワクしてみているので、周囲の視線が痛い。
なので、俺はこの二人から少し遠ざかり、確かに、と思う。
いつもはストレートヘアーなリーフェだけど、今日はツインテール。しかも、ルンルン気分で甘い物を食べに来ているのだ。
ユラが言うように、リーフェにとってラリアの男は特別な人なのかもしれない。
「ああー!! リーフェちゃんの表情!」
「おいおい! 嘘だろ! あいつ、どこか具合が悪いんじゃないのか......」
そんな二人の声に俺も目を凝らしてリーフェを見る。するとリーフェはチョコケーキを一口食べると、体を左右に振りながら嬉しそうに微笑んでいる。
また一口食べる。するとやはり体を横に振り、微笑んでいる。
あれ、リーフェってこういうキャラだっけ?
『甘いもの? そんなの食べないわよ』そんなことを言いそうだと思っていたのに、リーフェはとても女の子らしかった。
「あー、クソ。なんか俺、見てはいけない物を見ている気がするぜ。リーフェのあられもない姿を見ているような、そんな感じだ」
エラルドは何故か頭を抱えていた。
「表現は置いておいて、俺もエラルドに同意だよ。リーフェは知られたくないだろうし」
「そういうことじゃねえ! 俺は...... 俺はあいつに男でいてほしかったんだ!」
「意味が分からないんだけど」
「そうだよ! リーフェちゃんは女の子です! それを男なんて!」
「あいつには、あいつには強いままでいてほしかった...... なぜ女になるんだリーフェ!!」
エラルドはそう言うと再び頭を抱えている。
どうやらエラルドはリーフェに対して変な幻想を抱いているようだ。
ちょっと引いてしまう
「でも、例のラリア人は現れないね」
頭を抱えているエラルドは無視して、俺はそう言う。
「アラスくん! 女の子は秘密があるものなんです! きっとこれはリーフェちゃんの息抜きです」
ユラの言い方はまるで自分も秘密があるというような言い方だった。
まぁ、確かにって思う。俺だって異性に知られたくないことくらいある。
でも、甘いものを隠す必要は全くないんじゃないか、と同時に思う。
女の子は難しい。
「そういうものかな?」
「そういうもの!」
結局そのケーキ屋にラリアの人間は現れなかった。
あと、ユラの推測は正しかった。リーフェはケーキ屋を出ると、パン屋、別なケーキ屋、ドーナツ屋と甘い店を次々に訪れては体を左右に揺らし、楽しんでいるようだった。
そんな俺たちはぬいぐるみ屋から出てくるリーフェを再び尾行する。
「またぬいぐるみか?」
エラルドは嘆息していた。どうやらエラルドは本気でリーフェを男と思いたいらしい。
「正午を少し回ったところだから、昼ご飯じゃないかな?」
「そうだといいんだけどよ。もしそうだとしたら俺たちも何かたべようぜ」
「賛成! もちろん、エラルドの奢りだよね?」
「おいおい、なんでユラは俺にだけ風当たりが強いんだよ! あと、奢らないぞ?」
「ダンジョンで私だけに戦闘させてたんだから、奢ってもいいんじゃ?」
ユラはにやりと笑いそう言う。エラルドは「くっ!!」と言うと俺を見ていた。
そんな可哀想なエラルドだったけど、俺は助け船を出す気はなかった。エラルドの目は実際、なにもしてないと言っているようなものだったから。
「まぁ、エラルドが何もやってないんじゃ仕方がないよね」
「いや! 戦うのは怖くてよ!」
「そのための訓練だった!」
エラルドはぐぬぬと言うと、諦めたのか頷いていた。
「わかった!――」
「アラスくん! リーフェちゃん入ったよ」
リーフェは高級そうなレストランへと入っていく。そして一人の男が座っている席の向かいに座った。
「あれは......」
「アラスくん?」
俺はリーフェの目の前にいる人物を知っていた。ラリア王室を古くから支えてきたライズ家。
その現当主である、ビスマルク・ライズ。
「あの男はビスマルク。ラリアの貴族だ」
「なっ!」
「ということはやっぱり......」
「その可能性が高い。だから急ごう!」
「おう!」
「うん!」
俺たちはリーフェに気づかれないように、深々と帽子をかぶったまま店内に入る。
そして店員に無茶を言い、リーフェ達の会話が聞こえるけどバレにくい、そんな席を案内してもらう。
その間、リーフェ達の近くを通ったが、リーフェは緊張しているのかビスマルクに敵意丸出しな様子で睨んでいたため、気づくことはなかった。
「あんなに敵意丸出しなリーフェ初めて見たぜ」
「バレなくてよかったです......」
俺たちは席に着くなり、適当に料理を頼むと小声で会話をしていた。
「それに、もうすでに5分経つというのに両者だんまりだ」
そう、もうすでに5分経つというのに二人は口を開かなかった。
リーフェはビスマルクを睨みつけたままで、ビスマルクはそんなリーフェの表情を見て楽しんでいるのかニヤリとしていた。
そのあまりにもピリついた空気は2席離れているというのに十分伝わってくる。
さらに店内は高級店と言うこともあり、静かだ。それが逆に二人を引き立てている。
そんな二人を固唾を呑んで見ていると、ついに均衡は破れた。
ビスマルクはにやりとした表情を保ったまま口を開いたのだ。
「やあ、1週間ぶりだね。会えてうれしいよリーフェ」
「そんな思ってもないことを口にしないで」
リーフェは更にきつく睨んでいる。
「そんなこと言うな。私たちは家族じゃないか!」
「あんた! 私の両親を殺したくせに!!」
リーフェはテーブルをドンと叩くと、勢いよく立ち上がる。
「よしなさいリーフェ。リーフェがいくらそう叫ぼうと、誰も信じてはくれない。それとも今ここで私と戦うかい?」
そう言われたリーフェは下唇を歯で噛みしめていた、血が出るまでに。
そして、俺は気づいてしまった。リーフェとビスマルクとの関係に。
ライズ家の当主と妻は4年前に不慮の事故で亡くなったのは、ラリアの農民でも有名な話だ。
なにせライズ家は農民にも町人にも優しく、皆に慕われていたからだ。
だから俺もその知らせを聞いた時は、酷く悲しんだことを覚えている。
そして、今ここにいるのがその犯人と言う事だ。
一農民だった俺でさえ、この話を聞いて殺意が芽生えるのだ。
リーフェはどれだけ過酷な人生をこいつのせいで歩んできたんだろうと考えると、いたたまれない。
「わざわざ私を挑発するってことは何かあんたにとっていい知らせがあったからでしょ。さっさと用件を述べて」
「君の下唇を噛んで悔しそうにしている表情はいつ見ても堪らないよ。すごく興奮する」
「くっ!!」
「そうそう。その表情だ」
「いいから早く述べなさいよ」
するとライズは嘆息する。
「娘であるなら父親との交流は当然のことだろう? 全く......」
「まぁ、いい。私がお願いしたいのは、ラリアとガリアの交流試合でのことだよ。ああ、交流試合が行われる予定なんだ。それで、1年生代表として私たちはアラスくんのいるパーティーを指名した。するとどうだ、パーティーメンバーには都合がよくリーフェがいるんだ。だからリーフェ、お前はこれを使え。魔道具だ。私たちの家宝だよ。そうすれば、ガリアの平民共は降参するしかあるまい」
ライズはまるでゴミを見るような目でリーフェを見ていた。
俺は今すぐにでも駆け付けて、この男を殴りたい衝動に駆られる。でも、そうすればこの先の計画があるとして、台無しになる。だから、俺は深く深呼吸する。
エラルドとユラも同じようで、今にも血管から血が吹き出そうだった。
「なんて卑怯な連中なのかしら。そして、私に拒否権はない」
「その通り。いい子だね、リーフェ。拒否したら君の大事な物はすべて奪う。そして、リーフェもどうなるか分かっているね?」
リーフェは手を力強く握り、ライズをきつく睨んでいた。
やはりリーフェはなにか弱みを握られているようだ。
「分かっているわ。命令には従う。そうするしかないでしょ、このクズ!」
「おっと! 口には気を付けたまえ。これでも親子なんだから」
「私はそう思ったことはないわ」
「ふむ。反抗期と言うのは大変だね。まぁ、父はラリアに帰るよ。ここは平民臭くて堪らないからね」
ライズはそう言い、鼻をつまむと手で仰ぐと、笑いながら席を立っていた。
残されたリーフェは悔しそうに下唇を歯で噛んだまま俯いていたが、やがて店を出た。
俺はそんなリーフェの後姿を見て、なんだかやるせない思いになった。
今すぐにでも俺たちで何とかする、そう言いたい。でもできない、そんな感情がぐるぐるするのだった。
朝食を急いで食べた甲斐があったらしい、リーフェは街の大通り、行きかう人々が大勢いてもすぐに分かった。
リーフェの珍しい銀髪姿を見れば一目でわかる。分かるのだが、今日のリーフェはどこか様子が違った。
ルンルンとまるでスキップしそうな勢いで歩いていたリーフェは、なんとケーキ屋さんに入っていたのだ。
驚きを隠せない俺たち一堂にボケっとした顔をしただろう。だけど、見失うわけにはいかないのでばれないように外から見守る。
「おい、あいつケーキ屋に入ったぞ!」
「それに、今日は特別な日なのかな? ツインテールなんて!」
エラルドは驚天動地と言わんばかりの表情をしていた。
ユラはわくわくしている。
街灯にあるベンチからケーキ屋を一人は気味悪く、一人はワクワクしてみているので、周囲の視線が痛い。
なので、俺はこの二人から少し遠ざかり、確かに、と思う。
いつもはストレートヘアーなリーフェだけど、今日はツインテール。しかも、ルンルン気分で甘い物を食べに来ているのだ。
ユラが言うように、リーフェにとってラリアの男は特別な人なのかもしれない。
「ああー!! リーフェちゃんの表情!」
「おいおい! 嘘だろ! あいつ、どこか具合が悪いんじゃないのか......」
そんな二人の声に俺も目を凝らしてリーフェを見る。するとリーフェはチョコケーキを一口食べると、体を左右に振りながら嬉しそうに微笑んでいる。
また一口食べる。するとやはり体を横に振り、微笑んでいる。
あれ、リーフェってこういうキャラだっけ?
『甘いもの? そんなの食べないわよ』そんなことを言いそうだと思っていたのに、リーフェはとても女の子らしかった。
「あー、クソ。なんか俺、見てはいけない物を見ている気がするぜ。リーフェのあられもない姿を見ているような、そんな感じだ」
エラルドは何故か頭を抱えていた。
「表現は置いておいて、俺もエラルドに同意だよ。リーフェは知られたくないだろうし」
「そういうことじゃねえ! 俺は...... 俺はあいつに男でいてほしかったんだ!」
「意味が分からないんだけど」
「そうだよ! リーフェちゃんは女の子です! それを男なんて!」
「あいつには、あいつには強いままでいてほしかった...... なぜ女になるんだリーフェ!!」
エラルドはそう言うと再び頭を抱えている。
どうやらエラルドはリーフェに対して変な幻想を抱いているようだ。
ちょっと引いてしまう
「でも、例のラリア人は現れないね」
頭を抱えているエラルドは無視して、俺はそう言う。
「アラスくん! 女の子は秘密があるものなんです! きっとこれはリーフェちゃんの息抜きです」
ユラの言い方はまるで自分も秘密があるというような言い方だった。
まぁ、確かにって思う。俺だって異性に知られたくないことくらいある。
でも、甘いものを隠す必要は全くないんじゃないか、と同時に思う。
女の子は難しい。
「そういうものかな?」
「そういうもの!」
結局そのケーキ屋にラリアの人間は現れなかった。
あと、ユラの推測は正しかった。リーフェはケーキ屋を出ると、パン屋、別なケーキ屋、ドーナツ屋と甘い店を次々に訪れては体を左右に揺らし、楽しんでいるようだった。
そんな俺たちはぬいぐるみ屋から出てくるリーフェを再び尾行する。
「またぬいぐるみか?」
エラルドは嘆息していた。どうやらエラルドは本気でリーフェを男と思いたいらしい。
「正午を少し回ったところだから、昼ご飯じゃないかな?」
「そうだといいんだけどよ。もしそうだとしたら俺たちも何かたべようぜ」
「賛成! もちろん、エラルドの奢りだよね?」
「おいおい、なんでユラは俺にだけ風当たりが強いんだよ! あと、奢らないぞ?」
「ダンジョンで私だけに戦闘させてたんだから、奢ってもいいんじゃ?」
ユラはにやりと笑いそう言う。エラルドは「くっ!!」と言うと俺を見ていた。
そんな可哀想なエラルドだったけど、俺は助け船を出す気はなかった。エラルドの目は実際、なにもしてないと言っているようなものだったから。
「まぁ、エラルドが何もやってないんじゃ仕方がないよね」
「いや! 戦うのは怖くてよ!」
「そのための訓練だった!」
エラルドはぐぬぬと言うと、諦めたのか頷いていた。
「わかった!――」
「アラスくん! リーフェちゃん入ったよ」
リーフェは高級そうなレストランへと入っていく。そして一人の男が座っている席の向かいに座った。
「あれは......」
「アラスくん?」
俺はリーフェの目の前にいる人物を知っていた。ラリア王室を古くから支えてきたライズ家。
その現当主である、ビスマルク・ライズ。
「あの男はビスマルク。ラリアの貴族だ」
「なっ!」
「ということはやっぱり......」
「その可能性が高い。だから急ごう!」
「おう!」
「うん!」
俺たちはリーフェに気づかれないように、深々と帽子をかぶったまま店内に入る。
そして店員に無茶を言い、リーフェ達の会話が聞こえるけどバレにくい、そんな席を案内してもらう。
その間、リーフェ達の近くを通ったが、リーフェは緊張しているのかビスマルクに敵意丸出しな様子で睨んでいたため、気づくことはなかった。
「あんなに敵意丸出しなリーフェ初めて見たぜ」
「バレなくてよかったです......」
俺たちは席に着くなり、適当に料理を頼むと小声で会話をしていた。
「それに、もうすでに5分経つというのに両者だんまりだ」
そう、もうすでに5分経つというのに二人は口を開かなかった。
リーフェはビスマルクを睨みつけたままで、ビスマルクはそんなリーフェの表情を見て楽しんでいるのかニヤリとしていた。
そのあまりにもピリついた空気は2席離れているというのに十分伝わってくる。
さらに店内は高級店と言うこともあり、静かだ。それが逆に二人を引き立てている。
そんな二人を固唾を呑んで見ていると、ついに均衡は破れた。
ビスマルクはにやりとした表情を保ったまま口を開いたのだ。
「やあ、1週間ぶりだね。会えてうれしいよリーフェ」
「そんな思ってもないことを口にしないで」
リーフェは更にきつく睨んでいる。
「そんなこと言うな。私たちは家族じゃないか!」
「あんた! 私の両親を殺したくせに!!」
リーフェはテーブルをドンと叩くと、勢いよく立ち上がる。
「よしなさいリーフェ。リーフェがいくらそう叫ぼうと、誰も信じてはくれない。それとも今ここで私と戦うかい?」
そう言われたリーフェは下唇を歯で噛みしめていた、血が出るまでに。
そして、俺は気づいてしまった。リーフェとビスマルクとの関係に。
ライズ家の当主と妻は4年前に不慮の事故で亡くなったのは、ラリアの農民でも有名な話だ。
なにせライズ家は農民にも町人にも優しく、皆に慕われていたからだ。
だから俺もその知らせを聞いた時は、酷く悲しんだことを覚えている。
そして、今ここにいるのがその犯人と言う事だ。
一農民だった俺でさえ、この話を聞いて殺意が芽生えるのだ。
リーフェはどれだけ過酷な人生をこいつのせいで歩んできたんだろうと考えると、いたたまれない。
「わざわざ私を挑発するってことは何かあんたにとっていい知らせがあったからでしょ。さっさと用件を述べて」
「君の下唇を噛んで悔しそうにしている表情はいつ見ても堪らないよ。すごく興奮する」
「くっ!!」
「そうそう。その表情だ」
「いいから早く述べなさいよ」
するとライズは嘆息する。
「娘であるなら父親との交流は当然のことだろう? 全く......」
「まぁ、いい。私がお願いしたいのは、ラリアとガリアの交流試合でのことだよ。ああ、交流試合が行われる予定なんだ。それで、1年生代表として私たちはアラスくんのいるパーティーを指名した。するとどうだ、パーティーメンバーには都合がよくリーフェがいるんだ。だからリーフェ、お前はこれを使え。魔道具だ。私たちの家宝だよ。そうすれば、ガリアの平民共は降参するしかあるまい」
ライズはまるでゴミを見るような目でリーフェを見ていた。
俺は今すぐにでも駆け付けて、この男を殴りたい衝動に駆られる。でも、そうすればこの先の計画があるとして、台無しになる。だから、俺は深く深呼吸する。
エラルドとユラも同じようで、今にも血管から血が吹き出そうだった。
「なんて卑怯な連中なのかしら。そして、私に拒否権はない」
「その通り。いい子だね、リーフェ。拒否したら君の大事な物はすべて奪う。そして、リーフェもどうなるか分かっているね?」
リーフェは手を力強く握り、ライズをきつく睨んでいた。
やはりリーフェはなにか弱みを握られているようだ。
「分かっているわ。命令には従う。そうするしかないでしょ、このクズ!」
「おっと! 口には気を付けたまえ。これでも親子なんだから」
「私はそう思ったことはないわ」
「ふむ。反抗期と言うのは大変だね。まぁ、父はラリアに帰るよ。ここは平民臭くて堪らないからね」
ライズはそう言い、鼻をつまむと手で仰ぐと、笑いながら席を立っていた。
残されたリーフェは悔しそうに下唇を歯で噛んだまま俯いていたが、やがて店を出た。
俺はそんなリーフェの後姿を見て、なんだかやるせない思いになった。
今すぐにでも俺たちで何とかする、そう言いたい。でもできない、そんな感情がぐるぐるするのだった。
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