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第16話 リリーザを平和路線反対派から守る
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「ティア。早かったな」
「ジークいつも早いでしょ? だから早く終わるように急いだの」
ティアはちょっと汗ばんでいるようだった。聖女限定の白い衣装を着ているという事もあって艶っぽい。
そんなティアを見ていたら、色々と集中できなくなる。思考が変な方向にぶっ飛びそうだ。
俺は目を魔法照明に群がる虫に向ける。
「そ、そうか」
俺はなるべくティアを見ないようにしながら、新たな魔方陣を描く。
「ジーク! 今度は何をだすのだ?」
「ケルベロスっていう召喚獣だ。いざという時に備えてと、俺が剣を使って倒すより魔法や召喚獣で倒したほうが魔法使いの印象が良くなると思ってな」
魔法を使える俺が、この国で大元帥として働くのなら印象が大事だ。
リリーザは目を輝かせながら「おおー!」と言っていた。
「早く明日になればいいな!!」
「おいおい。俺たちがいるとはいえ、暗殺される側だぞ」
「私はジークを信用しているから大丈夫だ!」
リリーザはそう言うとルンルンと微笑みながら俺を見ていた。
俺はそんなリリーザを見ていつも思うことがある。この言動で18歳ってことだ。
まぁ、それがかわいいのだが。
「ありがとうな、リリーザ」
「うむ!」
リリーザは満面の笑みで笑っていた。
翌日、俺たちはあえて少ない数の魔法部隊に囲まれながらアシスヘイム広場に向かうと、大勢の民衆がいた。
ざっと見たところ2万人以上はいる。この人数ならば、相手も動きやすい。
作戦は上手くいきそうだ。
「リリーザ。最初に俺たちと共に演説台で挨拶したら、あそこの白い天幕で待機するんだぞ」
俺は昨日作った待機場所を指さす。
「分かってる。大丈夫だ!」
「そうか。じゃあ任せたからな」
俺たちは頷き、浮遊して演説台に降り立つ。
すると民衆が騒めいていた。
「本当に魔法使いだ! 見たかあの浮遊」「恐ろしいわ! 本当に、大丈夫なのかしら」「いや、大丈夫なわけあるか。あいつは敵だぞ」
やはり帝国における魔法使いの印象は良くないらしい。
昨日の出来事でもうすでに知っていたが、改めて聞くとちょっとがっかりだな。
「余はリリーザ・フラン・アーシスだ!」
リリーザがそう言うと、ざわつく民衆が一瞬にして静まり返る。
流石はリリーザ。民から慕われている証拠だ。
「今日は皆に知らせることがある。ナンバーツーである大元帥の地位にジーク・アルバートを任命する」
リリーザがそう言うと民衆は再びざわつく。
「そして、代々クルザ王国で誕生してきた聖女様を、我々帝国に迎え入れることになった」
リリーザがそう言うと、「おおー! 聖女様がこの国に!」「これで魔物も来なくなるのではないか?」「きゃー、聖女様可愛い!」という歓声が上がる。
「以上だ!」
「え、それだけか......」
俺はつい呟いていた。それはティアも同じで目を丸くして俺たちは少しの間見つめ合う。
リリーザらしいと言えばリリーザらしいが、もうちょっと喋っても言いような気がする。
だが、リリーザは気にしてないのか俺たちに微笑む。
だから、俺はリリーザを抱えて天幕まで運び、再び戻る。
さて、ここからが肝心だ。
きっと反対派がリリーザ暗殺を実行に移すのならこの機会のはずだ。
だが、それはいつ起こるか分からない。演説をしながら、じっと待つしかない。
「魔法使いだが、アーシスを平和な国に」
俺は続きを言うのを辞める。拘束の魔法陣が発動している。
俺は窓を見ると、反対派の連中は魔法の障壁をドンドンと叩いていた。
ティアもそれをみたようで、真剣な表情だ。
と同時に、広場からは悲鳴が上がっていた。
「リリーザ様お逃げください!!」「誰がこんな真似を......」
俺は下を見ると、魔法銃や剣を持った数百人が民衆をかき分けてリリーザに突進していた。
そんな敵の先陣は既に民衆をかき分け、リリーザがいる天幕まで魔法銃を放ちながら近づいている。
だが、当然下にはリザードがいる。
リザードはそいつらの放った魔力を器用に吸い込み、まるで魔法銃のように火がついた魔力を逆に放っていた。
そのおかげで、反対派の連中は「ぐはっ!」と言いながら、ばったばったと倒れていく。
そして、俺も杖を取り出し、時折現れる魔法が使えるアーシス人を倒す。
だが、おかしい。
敵の首謀者は絶対にもっと実力があるはずだ。
それにニールはガザド共和国と内通していたはずだし、ガザドの人間がいてもおかしくはない。
でも、この場にはそんな奴は存在しない。
ということは逃げたか?
俺がそう思っていると、ティアは俺に話しかけていた。
「ねえ、ジーク」
「なんだ?」
「アーシスの人たちをみて」
俺は下を見ると、民衆は手を振って応援している。
「ジーク様! リリーザ様をお救い下さい!」「ジーク様、頑張れー!」「ジーク様! ジーク様!」
そんな応援が広場に鳴り響いている。
アーシスの民衆は敵国出身の俺を力強く応援していた。
こんな展開までは予想していなかったな。
俺は嬉しくなり、出てくる反対派の連中を全て魔法で倒す。
すると大歓声が上がっていた。
「ジーク様が来てくれてよかった!」「魔法使いが我が国にいてくれて心強い!」「強すぎるわ! ジーク様!」
よかった。民衆は俺の事を味方だと認識してくれたようだ。
俺は民衆に手を振る。
その時だ。
さっきとは比べ物にならないほど強い殺気を持った奴らがゆっくりと、民衆をかき分け近づいてくる。
「ジーク・アルバート。ハデン流、継承者序列一位だったお前がなぜここにいる」
俺の前にはグレア時代姿を消した男の姿があった。
「ジークいつも早いでしょ? だから早く終わるように急いだの」
ティアはちょっと汗ばんでいるようだった。聖女限定の白い衣装を着ているという事もあって艶っぽい。
そんなティアを見ていたら、色々と集中できなくなる。思考が変な方向にぶっ飛びそうだ。
俺は目を魔法照明に群がる虫に向ける。
「そ、そうか」
俺はなるべくティアを見ないようにしながら、新たな魔方陣を描く。
「ジーク! 今度は何をだすのだ?」
「ケルベロスっていう召喚獣だ。いざという時に備えてと、俺が剣を使って倒すより魔法や召喚獣で倒したほうが魔法使いの印象が良くなると思ってな」
魔法を使える俺が、この国で大元帥として働くのなら印象が大事だ。
リリーザは目を輝かせながら「おおー!」と言っていた。
「早く明日になればいいな!!」
「おいおい。俺たちがいるとはいえ、暗殺される側だぞ」
「私はジークを信用しているから大丈夫だ!」
リリーザはそう言うとルンルンと微笑みながら俺を見ていた。
俺はそんなリリーザを見ていつも思うことがある。この言動で18歳ってことだ。
まぁ、それがかわいいのだが。
「ありがとうな、リリーザ」
「うむ!」
リリーザは満面の笑みで笑っていた。
翌日、俺たちはあえて少ない数の魔法部隊に囲まれながらアシスヘイム広場に向かうと、大勢の民衆がいた。
ざっと見たところ2万人以上はいる。この人数ならば、相手も動きやすい。
作戦は上手くいきそうだ。
「リリーザ。最初に俺たちと共に演説台で挨拶したら、あそこの白い天幕で待機するんだぞ」
俺は昨日作った待機場所を指さす。
「分かってる。大丈夫だ!」
「そうか。じゃあ任せたからな」
俺たちは頷き、浮遊して演説台に降り立つ。
すると民衆が騒めいていた。
「本当に魔法使いだ! 見たかあの浮遊」「恐ろしいわ! 本当に、大丈夫なのかしら」「いや、大丈夫なわけあるか。あいつは敵だぞ」
やはり帝国における魔法使いの印象は良くないらしい。
昨日の出来事でもうすでに知っていたが、改めて聞くとちょっとがっかりだな。
「余はリリーザ・フラン・アーシスだ!」
リリーザがそう言うと、ざわつく民衆が一瞬にして静まり返る。
流石はリリーザ。民から慕われている証拠だ。
「今日は皆に知らせることがある。ナンバーツーである大元帥の地位にジーク・アルバートを任命する」
リリーザがそう言うと民衆は再びざわつく。
「そして、代々クルザ王国で誕生してきた聖女様を、我々帝国に迎え入れることになった」
リリーザがそう言うと、「おおー! 聖女様がこの国に!」「これで魔物も来なくなるのではないか?」「きゃー、聖女様可愛い!」という歓声が上がる。
「以上だ!」
「え、それだけか......」
俺はつい呟いていた。それはティアも同じで目を丸くして俺たちは少しの間見つめ合う。
リリーザらしいと言えばリリーザらしいが、もうちょっと喋っても言いような気がする。
だが、リリーザは気にしてないのか俺たちに微笑む。
だから、俺はリリーザを抱えて天幕まで運び、再び戻る。
さて、ここからが肝心だ。
きっと反対派がリリーザ暗殺を実行に移すのならこの機会のはずだ。
だが、それはいつ起こるか分からない。演説をしながら、じっと待つしかない。
「魔法使いだが、アーシスを平和な国に」
俺は続きを言うのを辞める。拘束の魔法陣が発動している。
俺は窓を見ると、反対派の連中は魔法の障壁をドンドンと叩いていた。
ティアもそれをみたようで、真剣な表情だ。
と同時に、広場からは悲鳴が上がっていた。
「リリーザ様お逃げください!!」「誰がこんな真似を......」
俺は下を見ると、魔法銃や剣を持った数百人が民衆をかき分けてリリーザに突進していた。
そんな敵の先陣は既に民衆をかき分け、リリーザがいる天幕まで魔法銃を放ちながら近づいている。
だが、当然下にはリザードがいる。
リザードはそいつらの放った魔力を器用に吸い込み、まるで魔法銃のように火がついた魔力を逆に放っていた。
そのおかげで、反対派の連中は「ぐはっ!」と言いながら、ばったばったと倒れていく。
そして、俺も杖を取り出し、時折現れる魔法が使えるアーシス人を倒す。
だが、おかしい。
敵の首謀者は絶対にもっと実力があるはずだ。
それにニールはガザド共和国と内通していたはずだし、ガザドの人間がいてもおかしくはない。
でも、この場にはそんな奴は存在しない。
ということは逃げたか?
俺がそう思っていると、ティアは俺に話しかけていた。
「ねえ、ジーク」
「なんだ?」
「アーシスの人たちをみて」
俺は下を見ると、民衆は手を振って応援している。
「ジーク様! リリーザ様をお救い下さい!」「ジーク様、頑張れー!」「ジーク様! ジーク様!」
そんな応援が広場に鳴り響いている。
アーシスの民衆は敵国出身の俺を力強く応援していた。
こんな展開までは予想していなかったな。
俺は嬉しくなり、出てくる反対派の連中を全て魔法で倒す。
すると大歓声が上がっていた。
「ジーク様が来てくれてよかった!」「魔法使いが我が国にいてくれて心強い!」「強すぎるわ! ジーク様!」
よかった。民衆は俺の事を味方だと認識してくれたようだ。
俺は民衆に手を振る。
その時だ。
さっきとは比べ物にならないほど強い殺気を持った奴らがゆっくりと、民衆をかき分け近づいてくる。
「ジーク・アルバート。ハデン流、継承者序列一位だったお前がなぜここにいる」
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