最強無双のチート猫、異世界を蹂躙する

DORA

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プロローグニャ!

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ドラの名前はドラニャ!

麗しい白と黒のトラ柄が印象的などこにでもいるかわいい猫ニャ、みんなよろしくニャ。
ひょんなことから異世界に転移してしまった哀れかつ儚げなネコ。
自己紹介はこれくらいにして、今は少々忙しいんだニャ。



「ハア…ハア」
「フム。今のは中々良い回避だったニャ。もう1発いってもいいかニャ?」
「ダメ…これ以上は…!」
「オッケーいくニャ!第17階層ネコ式超魔術・サンダーバード!」



ズドドドーーーーン!

あたり一面電撃が響きわたる、広範囲のせん滅魔法ニャ。
まだ少々改良が必要かニャ?


「グ…ハア…!」
「ニャオーン。打たれ強いニャ!再生力も。さすがは魔王と呼ばれているだけあるニャ!」
「もう…やめ…て」
「どんどんいくニャ!第22階層ネコ式超魔術・アグニフレイム!」
「キャアアアア!」


ズドドドーーーーン!

とみゃあ、今は修行中で忙しいんだニャ。
修行の相手は魔王だが、なんと女だったニャ。
でももっとビックリしたのは、とにかく打たれ強いことニャ!

つまり心おきなく修行できる肉の練習台が見つかったってことニャ!


「ハア…ハア」
「ニャオオオン。なんて頑張り屋さんのドラ…」
「もう…許して…」
「ニャニ?」
「許して…ください…」


魔王は必死にドラに懇願するニャ。

こんな情けない姿だけど、はじめはかなりイキり倒していたんだニャ。
ムカつくから人生の大変さを分からせてやったんだニャ。


「そうだニャー?どうしようかニャー?」
「なんでも…します!奴隷にでもなんでも」
「なんかこのやりとりも飽きてきたニャ?」


実際練習熱心な真面目なドラは、魔王という良い練習台を見つけてからというもの、一ヶ月はネコ式超魔術の練習をしてるニャ。

ネコ式超魔術とは女神様からもらったチート能力を、ドラ流のオリジナルな発想で組み合わせて開発した芸術性ある魔法群ニャ。
試行錯誤を重ね、この1カ月でだいぶ成長したニャ。
魔王を倒してほしい女神様には感謝してるしどうしたもんかニャ?


「ドラは勇者だから、魔王を討伐するようにいわれてるんだニャ?」
「…!お願い。許してください…」
「でも魔王ほどの良い練習台も中々いないし、ここまで付き合ってくれて感謝もしている」
「だったら!」
「さて、どうしたもんかニャ?」


究極の2択に悩んじゃうけど…突如ひらめいたニャ!


「そうだニャ!第46階層ネコ式超魔術・エンドレスヘルズストーン!」
「キャアアアア」

ブシュウウウウン!

魔王の身体は全身が石化するニャ。

石化しているけど意識はある、世にも恐ろしい【無間地獄】ニャ。
もちろん、ドラの石化は特別な材質を使っているから、通常の石化解除では解くことのできない特別製ニャ。


「ニャハハ。これで魔王を討伐し女神さんはハッピー、魔王も死なずにハッピーエンドニャ」
「…」
「2人合わせてハッピーセットニャ!」
「…」


石となった魔王も心なしか喜んでいる気がするニャ。

良いことした後は気分がいいニャ。
大手をふって魔王城を後にできるニャ。
あとは、女神様に報告ニャ。

シュン!


「あっいってるそばから女神様出現ニャ!空間転移魔法かニャ?」
「ど、どうも」


せっかく魔王を討伐したっていうのに。
女神様の表情はなんだか浮かないニャ?
いったいどうしたんだろうかニャ。


「こたびはありがとうございました」
「ニャニ、ニャニ。ネコとして当然のことをしたまでですよ」
「それでは元の世界へお返ししますよ?」

「ちょっと待ったあああ!」

シュン!


ビックリ。
女神様の横に今度は違う女が現れたニャ!
女神様とは違って、勝気で気の強そうな女だニャ。


「戦女神ヴァルキリー!」
「ニャ?」

「アテナ、そりゃないんじゃないか?オーディン様も他の神々もその猫にみな興味津々なんだぜ?」
「なっ…!」

「焦って元の世界に返そうとするなんて、その猫のことが怖いんだろ」
「誰がなんと言おうと、ここは私が一生懸命作り上げた私の世界です!守り抜く義務があります!」


なんだかややこしい感じかニャ?

これだから女の争いは醜いんだニャ。
女神様も会った時と違ってなんかよそよそしくなったし…
それともドラにビビってるんかニャ?
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