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何やら様子がおかしいターゲット
7話 捨て駒
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また更に…何日経った?
でもそんなに経ってないはず
カレンダーを見たところ、城に来てから2週間近く…か
体が熱い
頭がぼんやりする
目の前が点滅している
ただの発熱じゃ無いよね……
だって、半年前にもこんな事があった
発熱を繰り返して、体中の痛みと吐き気に耐える
これは『殺人衝動』の時に見える症状だ
どうしよう、戦いたい……殺したい!
完全に自我が無くなる前に薬を飲まないと
確かカバンの中に………
無い?
……無いはずない
確かに確認したはず
組織を発つ前日には荷物をまとめて確認してる
確かに抑制剤を入れた記憶はある
どこかに落とした?
いや、それなら薬を入れたポーチごと落としてる
……なんで、ポーチの中身が空になってるの
こんな、まさか、僕は…………
「そっか……僕がどうなろうと殺せって事なんだ。僕は…使い捨てられたんだ」
やっと気付いた
雑な作戦に長い滞在期間
挙げ句の果てには薬を回収されて…
もう、僕はいてもいなくてもいいってこと
体から力の抜けた僕はそのままベッドに座った
「なん、で……!頑張ってきたよ……?ちゃんと、言うこと聞いて仕事してきたのに、結局僕はまた……要らないの………!?」
また捨てられるの?
いや、いやだ、僕の生きた意味は?
僕は…どこに行っても使い捨てにしかならないの?
僕を人間として見てくれる人はいないの?
僕は結局道具でしか無いの!?
コンコンとノックの音
いつも通りの時間だ
アイリス様だ……
「シード様?あれ……入るよ?」
嫌だ、来ないで
「なっ…大丈夫!?どうし……」
アイリス様は僕を見るなり言葉も忘れて驚いた
そうだろうな
いつもは薄紫の僕の瞳が、赤色に変わってるんだから
これで僕が兵器だってバレちゃった……
赤い瞳は人の手で体と頭を作り替えられた証であり後遺症
どうしよう、見られた……
………殺さないと
「いや……殺したく、ない………」
ほんの一瞬でも本気で殺そうと考えた
でも、そんなことしたくない
全部、全部僕の中にある人間じゃ無くする何かのせいだ
そのせいで、この人を殺すなんて絶対にダメ!
「っ近付かないで!」
僕はアイリス様にナイフを向けた
簡単に殺せる距離
恐怖と殺したい衝動で手が震える
早く、僕から逃げるか僕を殺して
「……大丈夫、私もそう簡単に殺されないから」
「え……あ…………」
アイリス様は僕からナイフを奪った
ナイフを奪う為に一瞬掴まれた腕が痛い
この痛みは自己防衛の為に感覚が鋭くなってるらしい
でも確かに、痛みで少しは目が覚める
「もう怯える必要は無いよ。私が止めてみせるから」
そう言ったアイリス様は自分で自分の手のひらを切った
深く切ったのか、ダラダラと血が出ている
その行動に驚いていると、もっと驚く行動をし始めた
「飲んで、シード様」
「ぇ、あ、いや……!」
今、血を飲ませようとした?
その行為が恐ろしくて拒んだけど、そう簡単には諦めてくれなかった
アイリス様は手のひらから流れる血を自分の口に含むと、僕に口移しでそのまま飲ませた
上から流れ込んでくる血液を拒みきれず、そのまま飲むしか無い
「んっ……んっ…!けほっ!な、何……」
「一時凌ぎ。魔力が増えないように遮断しただけだけど、これ以上酷くはならないはずだ」
魔力の遮断
確かに殺人衝動は体内の魔力が増えすぎてなるけど…なんでそんなことまで知ってるの?
「……シード様。私を殺したく無い?」
「…ない、殺したく…無い……」
「それなら、私の言うことを聞いてくれる?止めてあげるから」
アイリス様ならこの衝動を止められる?
……なんでもいい
助けてくれると言うのなら僕は、何にだって縋る
僕はアイリス様の言葉に頷いた
「分かった。それじゃあ…服を脱いでうつ伏せになってくれる?」
………え?
でもそんなに経ってないはず
カレンダーを見たところ、城に来てから2週間近く…か
体が熱い
頭がぼんやりする
目の前が点滅している
ただの発熱じゃ無いよね……
だって、半年前にもこんな事があった
発熱を繰り返して、体中の痛みと吐き気に耐える
これは『殺人衝動』の時に見える症状だ
どうしよう、戦いたい……殺したい!
完全に自我が無くなる前に薬を飲まないと
確かカバンの中に………
無い?
……無いはずない
確かに確認したはず
組織を発つ前日には荷物をまとめて確認してる
確かに抑制剤を入れた記憶はある
どこかに落とした?
いや、それなら薬を入れたポーチごと落としてる
……なんで、ポーチの中身が空になってるの
こんな、まさか、僕は…………
「そっか……僕がどうなろうと殺せって事なんだ。僕は…使い捨てられたんだ」
やっと気付いた
雑な作戦に長い滞在期間
挙げ句の果てには薬を回収されて…
もう、僕はいてもいなくてもいいってこと
体から力の抜けた僕はそのままベッドに座った
「なん、で……!頑張ってきたよ……?ちゃんと、言うこと聞いて仕事してきたのに、結局僕はまた……要らないの………!?」
また捨てられるの?
いや、いやだ、僕の生きた意味は?
僕は…どこに行っても使い捨てにしかならないの?
僕を人間として見てくれる人はいないの?
僕は結局道具でしか無いの!?
コンコンとノックの音
いつも通りの時間だ
アイリス様だ……
「シード様?あれ……入るよ?」
嫌だ、来ないで
「なっ…大丈夫!?どうし……」
アイリス様は僕を見るなり言葉も忘れて驚いた
そうだろうな
いつもは薄紫の僕の瞳が、赤色に変わってるんだから
これで僕が兵器だってバレちゃった……
赤い瞳は人の手で体と頭を作り替えられた証であり後遺症
どうしよう、見られた……
………殺さないと
「いや……殺したく、ない………」
ほんの一瞬でも本気で殺そうと考えた
でも、そんなことしたくない
全部、全部僕の中にある人間じゃ無くする何かのせいだ
そのせいで、この人を殺すなんて絶対にダメ!
「っ近付かないで!」
僕はアイリス様にナイフを向けた
簡単に殺せる距離
恐怖と殺したい衝動で手が震える
早く、僕から逃げるか僕を殺して
「……大丈夫、私もそう簡単に殺されないから」
「え……あ…………」
アイリス様は僕からナイフを奪った
ナイフを奪う為に一瞬掴まれた腕が痛い
この痛みは自己防衛の為に感覚が鋭くなってるらしい
でも確かに、痛みで少しは目が覚める
「もう怯える必要は無いよ。私が止めてみせるから」
そう言ったアイリス様は自分で自分の手のひらを切った
深く切ったのか、ダラダラと血が出ている
その行動に驚いていると、もっと驚く行動をし始めた
「飲んで、シード様」
「ぇ、あ、いや……!」
今、血を飲ませようとした?
その行為が恐ろしくて拒んだけど、そう簡単には諦めてくれなかった
アイリス様は手のひらから流れる血を自分の口に含むと、僕に口移しでそのまま飲ませた
上から流れ込んでくる血液を拒みきれず、そのまま飲むしか無い
「んっ……んっ…!けほっ!な、何……」
「一時凌ぎ。魔力が増えないように遮断しただけだけど、これ以上酷くはならないはずだ」
魔力の遮断
確かに殺人衝動は体内の魔力が増えすぎてなるけど…なんでそんなことまで知ってるの?
「……シード様。私を殺したく無い?」
「…ない、殺したく…無い……」
「それなら、私の言うことを聞いてくれる?止めてあげるから」
アイリス様ならこの衝動を止められる?
……なんでもいい
助けてくれると言うのなら僕は、何にだって縋る
僕はアイリス様の言葉に頷いた
「分かった。それじゃあ…服を脱いでうつ伏せになってくれる?」
………え?
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