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変化とはあまりにも速い
16話 力を出せずに
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ロックはずっと目を見開き震えている
こんな現実味の無い事でも聞いて無反応でいるのは難しいだろう
僕も未だに現実だと思えない…いや、思いたくない
なんて物思いに耽っていると、あっという間に時間は過ぎていた
「信じても信じなくてもどちらでもいいです。それでは私はこれで」
ロックを1人置いて部屋に戻った
少しだけ早歩きで
部屋に着いた
いつもより遅くに戻った僕にジルが訪ねて来た
「お嬢様、今日は何故遅くなったのでしょうか」
「ジル…直ぐに僕の記憶を隠して……!」
「また思い出したのですね。分かりました」
ジルは直ぐに僕の脳に魔法を掛けた
僕は事件の事を思い出す度にジルに頼み記憶をぼやけさせる
血の匂いや金属の音
不定期に頻繁に思い出すそれを魔法で抑えているのだ
そうしないと、僕は壊れてしまいそうだから
魔法の副反応である頭痛を悟られないように一日を過ごした
時間は早く、あっという間に更に2ヶ月が過ぎた
リージュは最近、僕とほとんど同じ程まで身長が伸びた
初めて会った時からかなり変わり、肩幅が広がり幼顔も大人びた
少年というより、もう男らしい
ゲーム開始の時のリージュは13歳ながらに170超えの歳のわりに巨体になっている
まぁ、そこで成長は止まってしまうけど
しかし、体付きは変わったがやはり性格は変わらない
まるで大型犬のようだ
「姉様!今日もボクと一戦願えませんか?」
「お、いいですよ。それではアズ様、また防護魔法をお願いしても?」
「ええ、もちろんです」
1ヶ月前からこうやってリージュと実戦練習を始めた
もちろん僕が負けるが、騎士団長曰く
『リージュ様は素早い剣の対応、アイリス様は重い剣の対応の訓練になりますね』
との事だ
僕が普通の令嬢よりも剣に関心があるという事を感じ取ったようで、無理の無い程度にしっかりとした訓練を受けさせてもらっている
「やっぱ姉様は凄いですね。立ち姿から綺麗なのでとても勉強になります!」
「ありがとうございます。それでもリージュ様には遠く及びませんけどね」
僕はあまり攻撃出来ていない
力不足は当然だが、剣で誰かを傷つけるという事が脳裏によぎって上手く振れずにいるのだ
誰かを守るという事は誰かを傷つける事
アズに防護魔法を付けてもらっていても他人を傷付ける恐怖は拭いきれなかった
「………アイリス様」
「何でしょうか?」
僕に声をかけてきたのは金髪に青い瞳の騎士団長だ
「私と一戦お願いしても?」
「いいですけど、何故私と?」
「私相手なら、ちゃんと攻撃出来ると思いまして」
「っ!?」
「全力を見せてください」
気づかれていた
リージュ相手に防御を中心的に行なっていた事
上手く全力を出しきれていない事
やはりプロの目を誤魔化すことは出来ないらしい
いいと応えた以上、気づかれてしまった以上は本気でやるしかないのだろう
こんな現実味の無い事でも聞いて無反応でいるのは難しいだろう
僕も未だに現実だと思えない…いや、思いたくない
なんて物思いに耽っていると、あっという間に時間は過ぎていた
「信じても信じなくてもどちらでもいいです。それでは私はこれで」
ロックを1人置いて部屋に戻った
少しだけ早歩きで
部屋に着いた
いつもより遅くに戻った僕にジルが訪ねて来た
「お嬢様、今日は何故遅くなったのでしょうか」
「ジル…直ぐに僕の記憶を隠して……!」
「また思い出したのですね。分かりました」
ジルは直ぐに僕の脳に魔法を掛けた
僕は事件の事を思い出す度にジルに頼み記憶をぼやけさせる
血の匂いや金属の音
不定期に頻繁に思い出すそれを魔法で抑えているのだ
そうしないと、僕は壊れてしまいそうだから
魔法の副反応である頭痛を悟られないように一日を過ごした
時間は早く、あっという間に更に2ヶ月が過ぎた
リージュは最近、僕とほとんど同じ程まで身長が伸びた
初めて会った時からかなり変わり、肩幅が広がり幼顔も大人びた
少年というより、もう男らしい
ゲーム開始の時のリージュは13歳ながらに170超えの歳のわりに巨体になっている
まぁ、そこで成長は止まってしまうけど
しかし、体付きは変わったがやはり性格は変わらない
まるで大型犬のようだ
「姉様!今日もボクと一戦願えませんか?」
「お、いいですよ。それではアズ様、また防護魔法をお願いしても?」
「ええ、もちろんです」
1ヶ月前からこうやってリージュと実戦練習を始めた
もちろん僕が負けるが、騎士団長曰く
『リージュ様は素早い剣の対応、アイリス様は重い剣の対応の訓練になりますね』
との事だ
僕が普通の令嬢よりも剣に関心があるという事を感じ取ったようで、無理の無い程度にしっかりとした訓練を受けさせてもらっている
「やっぱ姉様は凄いですね。立ち姿から綺麗なのでとても勉強になります!」
「ありがとうございます。それでもリージュ様には遠く及びませんけどね」
僕はあまり攻撃出来ていない
力不足は当然だが、剣で誰かを傷つけるという事が脳裏によぎって上手く振れずにいるのだ
誰かを守るという事は誰かを傷つける事
アズに防護魔法を付けてもらっていても他人を傷付ける恐怖は拭いきれなかった
「………アイリス様」
「何でしょうか?」
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「私と一戦お願いしても?」
「いいですけど、何故私と?」
「私相手なら、ちゃんと攻撃出来ると思いまして」
「っ!?」
「全力を見せてください」
気づかれていた
リージュ相手に防御を中心的に行なっていた事
上手く全力を出しきれていない事
やはりプロの目を誤魔化すことは出来ないらしい
いいと応えた以上、気づかれてしまった以上は本気でやるしかないのだろう
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