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崩れていく、何もかも
30話 僕と同じバグ
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ハルジオンが遠征に行った
この2ヶ月後、ハルジオンはヒロインを連れて戻ってくる
結局間に合いそうにない
ゲーム通りに行けば、2ヶ月後にヒロインが現れる
そしてアイリスが処刑されるのはそれから僅か1ヶ月後
刺客を送った事が引き金になる
最初はそんな事自分はしないと思っていた
が、一度人を殺めてしまった上に謎の闘争心まで芽生えてしまった
……本当に、自制が効くだろうか
嫉妬じゃなくても、僕の手で殺してしまいそうだ
僕から全てを奪う女なのだから
ーー全て失って一人で死ぬよりは良いよねーー
脳内に、そんな言葉が低く響いた
………え?
今の声は誰?
僕の声は声変わりのしていない高い声
今、僕の部屋には僕しかいないのに他の誰かの声がした
「……っ誰?」
“あ、おいらに気が付いた?”
パッと、どこからか現れたシルバーの光は僕の目の前に来た
“いや~、やっとこうやって話せるよ。おいら、今までめぇーっちゃ忙しかったからなっ!”
「えっ…と、どちら様?」
明らかにおかしい、テンション高すぎる謎の光
これが『妖精』というものだろうか
いや、しかしこの世界線『妖精』なんて存在しないはず……
魔法による幻術、僕と同じバグ、もしくは狂った僕が見ている幻覚?
“おいらは…えっとー……よし、グドって呼んでくれっ!おいらはお前だけの妖精なんだ!”
「妖精……?」
“あはっ!困ってる?おいらもバグなんだ!植野 翼樹…お前と同じだ”
その瞬間、心臓が大きく脈打った
だって、また前世の名前で呼ばれるだなんて思ってなかったから……
でも、なんで知っているのだろうか
前世の事を口にした事なんて無いのに
そう言えば、さっき僕の頭に響いた言葉はグドの声?
だとしたらまさか………!
“そう、おいらは読めるんだ!さっき言っただろ?おいらもお前と同じバグなんだって。それは…翼樹というバグが出来たからおいらは存在するって意味さっ!翼樹とおいらは一心同体なんだ!”
「一心同体、か……。なら今までどこに……」
“のーこめんと”
食い気味に答えたグドは光から徐々に姿が出来ていた
僕より少し下くらいの歳だろうか
まだ幼さが少しだけ残る歳くらいに見える彼は…
背丈10センチ程度の、銀髪に青い瞳の少年だった
宙に浮き悪戯のように微笑んでいる
どこか見覚えがあるような顔立ちだが、雰囲気のせいか分からない
シンプルな、よくある妖精のような服の上から手足と腰に鮮緑の蔦が巻かれている
耳は尖っていないし羽も無く飛んでいるが、妖精だと言われれば納得が出来る
そんな不思議な『グド』は、ずっと笑っていた
この2ヶ月後、ハルジオンはヒロインを連れて戻ってくる
結局間に合いそうにない
ゲーム通りに行けば、2ヶ月後にヒロインが現れる
そしてアイリスが処刑されるのはそれから僅か1ヶ月後
刺客を送った事が引き金になる
最初はそんな事自分はしないと思っていた
が、一度人を殺めてしまった上に謎の闘争心まで芽生えてしまった
……本当に、自制が効くだろうか
嫉妬じゃなくても、僕の手で殺してしまいそうだ
僕から全てを奪う女なのだから
ーー全て失って一人で死ぬよりは良いよねーー
脳内に、そんな言葉が低く響いた
………え?
今の声は誰?
僕の声は声変わりのしていない高い声
今、僕の部屋には僕しかいないのに他の誰かの声がした
「……っ誰?」
“あ、おいらに気が付いた?”
パッと、どこからか現れたシルバーの光は僕の目の前に来た
“いや~、やっとこうやって話せるよ。おいら、今までめぇーっちゃ忙しかったからなっ!”
「えっ…と、どちら様?」
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これが『妖精』というものだろうか
いや、しかしこの世界線『妖精』なんて存在しないはず……
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“おいらは…えっとー……よし、グドって呼んでくれっ!おいらはお前だけの妖精なんだ!”
「妖精……?」
“あはっ!困ってる?おいらもバグなんだ!植野 翼樹…お前と同じだ”
その瞬間、心臓が大きく脈打った
だって、また前世の名前で呼ばれるだなんて思ってなかったから……
でも、なんで知っているのだろうか
前世の事を口にした事なんて無いのに
そう言えば、さっき僕の頭に響いた言葉はグドの声?
だとしたらまさか………!
“そう、おいらは読めるんだ!さっき言っただろ?おいらもお前と同じバグなんだって。それは…翼樹というバグが出来たからおいらは存在するって意味さっ!翼樹とおいらは一心同体なんだ!”
「一心同体、か……。なら今までどこに……」
“のーこめんと”
食い気味に答えたグドは光から徐々に姿が出来ていた
僕より少し下くらいの歳だろうか
まだ幼さが少しだけ残る歳くらいに見える彼は…
背丈10センチ程度の、銀髪に青い瞳の少年だった
宙に浮き悪戯のように微笑んでいる
どこか見覚えがあるような顔立ちだが、雰囲気のせいか分からない
シンプルな、よくある妖精のような服の上から手足と腰に鮮緑の蔦が巻かれている
耳は尖っていないし羽も無く飛んでいるが、妖精だと言われれば納得が出来る
そんな不思議な『グド』は、ずっと笑っていた
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