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役目を果たす時
82話 お説教
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わりと早くに熱が下がった
体調がいいことをしっかりと確認して、僕はエリーの部屋に向かった
エリーは元々魔力が多かったから、そこまで体調は崩れなかったらしい
良かった良かった
すぐ隣にあるエリーの部屋まで来て、ノックをした
「エリー、いる?」
「ミリー!」
ドアの向こうからガッシャンって謎の爆音が聞こえて、勢いよくドアが開いたと思ったらエリーが飛びついてきた
何の音なのか気になって、部屋の中を覗くと…
部屋、とっ散らかってる……?
本が雪崩れて紙が散らばって、椅子が倒れてる
さっきの音は椅子が倒れた音っぽいな
「体調は!?高熱が出たって聞いたけど……」
「だ、大丈夫。すぐに治ったから、心配かけただろうし顔くらい見せた方がいいかなって思って…」
「顔色もいいし、熱も無い。良かった…お前の方が凄い大変なことになってるって聞いて、気が気じゃ無くて……」
僕はエリーの方が大事無くて良かったって思うけど、逆に僕に何かあるとエリーが心配そうにする
きっと僕も逆の立場なら同じように心配して、治ったら喜ぶだろう
でも椅子は倒さないかな
現に、片付けをしてるジルは怒りを隠そうとしてないし…
これはあとでお説教かな、エリーが
「気が気じゃないからって、椅子を倒したり書類や本を乱雑にするのは違うよね?」
「ゔぅ…ミリーが正論をぶつけてくる……」
「正論だと思うならあんまりジルに面倒を押し付けないようにしようよ」
「はい……」
散らかってる本や紙はエリーの勉強の道具
10年も眠ってたから、足りない教育は詰め込んで行われてるらしい
前世の記憶があるから少しはなんとかなっても、この世界独自のものはどうにもならない
まぁ、頑張れ
「あ、そうそう言い忘れるとこだったよ、ユグドぉ?」
ん?
急にエリーが怒り出した…
しかもグドに…?
グドの方を向いたら、本人は何のことか分かってるようだった
一体何をしたんだ?
「お前、また同意無しにミリーに手ぇ出したら炭にするからな?」
「わ、分かってるって…」
……へっ!?
な、なんで知ってるの!?
恥ずかしさと疑問で目を回していると、ジルがボソっと
「壁、薄いですから。防音魔法を推奨します」
って呟いた
声が筒抜けだったってこと……
確かに叫んで抵抗しようとしてたけど、あれ、聞こえるんだ
でも僕もグドも防音魔法なんて使えないよ
もう、なんか、色々と疲れた…
泣きたくなるよ……
「そういえばミリー、再来月のこと聞いたか?」
「再来月?」
体調が良くなってすぐに来たから何も聞いてない
2ヶ月もあとの事ってなると、なんか結構大きめなことの気がする
「何かあるの?」
「あぁ…ついに、私達の神子としての初にして大きな仕事が来た」
そう言ったエリーは、最高に悪い顔で、楽しそうに笑っていた
体調がいいことをしっかりと確認して、僕はエリーの部屋に向かった
エリーは元々魔力が多かったから、そこまで体調は崩れなかったらしい
良かった良かった
すぐ隣にあるエリーの部屋まで来て、ノックをした
「エリー、いる?」
「ミリー!」
ドアの向こうからガッシャンって謎の爆音が聞こえて、勢いよくドアが開いたと思ったらエリーが飛びついてきた
何の音なのか気になって、部屋の中を覗くと…
部屋、とっ散らかってる……?
本が雪崩れて紙が散らばって、椅子が倒れてる
さっきの音は椅子が倒れた音っぽいな
「体調は!?高熱が出たって聞いたけど……」
「だ、大丈夫。すぐに治ったから、心配かけただろうし顔くらい見せた方がいいかなって思って…」
「顔色もいいし、熱も無い。良かった…お前の方が凄い大変なことになってるって聞いて、気が気じゃ無くて……」
僕はエリーの方が大事無くて良かったって思うけど、逆に僕に何かあるとエリーが心配そうにする
きっと僕も逆の立場なら同じように心配して、治ったら喜ぶだろう
でも椅子は倒さないかな
現に、片付けをしてるジルは怒りを隠そうとしてないし…
これはあとでお説教かな、エリーが
「気が気じゃないからって、椅子を倒したり書類や本を乱雑にするのは違うよね?」
「ゔぅ…ミリーが正論をぶつけてくる……」
「正論だと思うならあんまりジルに面倒を押し付けないようにしようよ」
「はい……」
散らかってる本や紙はエリーの勉強の道具
10年も眠ってたから、足りない教育は詰め込んで行われてるらしい
前世の記憶があるから少しはなんとかなっても、この世界独自のものはどうにもならない
まぁ、頑張れ
「あ、そうそう言い忘れるとこだったよ、ユグドぉ?」
ん?
急にエリーが怒り出した…
しかもグドに…?
グドの方を向いたら、本人は何のことか分かってるようだった
一体何をしたんだ?
「お前、また同意無しにミリーに手ぇ出したら炭にするからな?」
「わ、分かってるって…」
……へっ!?
な、なんで知ってるの!?
恥ずかしさと疑問で目を回していると、ジルがボソっと
「壁、薄いですから。防音魔法を推奨します」
って呟いた
声が筒抜けだったってこと……
確かに叫んで抵抗しようとしてたけど、あれ、聞こえるんだ
でも僕もグドも防音魔法なんて使えないよ
もう、なんか、色々と疲れた…
泣きたくなるよ……
「そういえばミリー、再来月のこと聞いたか?」
「再来月?」
体調が良くなってすぐに来たから何も聞いてない
2ヶ月もあとの事ってなると、なんか結構大きめなことの気がする
「何かあるの?」
「あぁ…ついに、私達の神子としての初にして大きな仕事が来た」
そう言ったエリーは、最高に悪い顔で、楽しそうに笑っていた
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