【完】悪女と呼ばれた悪役令息〜身代わりの花嫁〜

輝石玲

文字の大きさ
94 / 161
役目を果たす時

93話 敵対妖精の出方

しおりを挟む
幼稚に汚く僕を罵ったローズ
とても『聖女』には見えない
威嚇状態のローズは大声でライアを呼んだ

「お願いライア!私を助けて!」
「助ける?どうしろと言うのかしら?」
「何でもいいから!私を助け……」
「貴女、助ける余地無いじゃない」
「………ぇ?」

僕達の敵ドライアドを呼ばれ、ここで戦闘になるのかと身構えた
が、まさかドライアドがこうもあっさりローズを切るとは…
この妖精、相当イカれてる
なんでわざわざ異世界から連れてきたのに、あっさり手放せるのか
仲間意識は無いのか?



突如現れた妖精に周りはざわついた
そして、この中で恐らくドライアドと対面したことあるのは僕とグドだけ
エリーにあれが僕達の敵だと伝えたら、怯えたような顔をしていた

「あれが……?あんな得体の知れない、底が無いみたいな妖精が……」

エリーはドライアドに怯えてる
その気持ちは僕も分かる
妖精、なんて言えば聞こえはいいが、あんなのは…化け物だ

「ごめんなさいねぇ、ローズ。それでも最初は貴女のこと……いい暇つぶしだと思ってたわ。でも、もっといいのが目の前に現れてしまったんだもの。貴女はもう要らない」
「そ、そんな…ねぇどう言うこと……!?」

暇つぶし……?
まさかその為だけに神を、世界を裏切った……
異世界渡航はこの世界において重罪
僕達は一度死んでいるから対象外になってる
でも、ローズは………田辺さんは憑依
生きた状態で意識だけ渡ってきた
そして田辺さんを連れてきたドライアドも異世界に渡ったことになる
そんな理由でこんなことをするだなんて、やっぱりイカれてたんだ

「ねぇってば……ライア…………」
「ふふっ。私はねぇ、神子…あなた達にものっ凄く興味があるのよぉ!」

なんだろう、嫌な予感がする
そしてその予感は的中した

「さぁ!私と遊びましょう!」

何の前触れもない開戦
咄嗟にエリーがバリアを張らなければ、今頃この場にいた全員が死んでいただろう

ドライアドが放った黒い魔法に怯えた人々は一目散に逃げ始めた
エリーのバリアの内側にいたローズは助かっていたが、放心状態になっている
無理も無い
自分をこの世界に連れてきた張本人に見捨てられたんだ
それだけは同情する

でも、ローズを殺すのは僕だ
あの妖精に殺されてはたまらない


「ハル!ローズを外に連れて行け!それとアズ様とリージュ様と陛下もみんな逃げて!」
「え、あ、あぁ。行くぞ、ローズ!」
「カメリア!私も戦います!」
「なっ……ダメです!」

ハルとローズ、リージュはすぐに逃げた
でも、アズと陛下はここに留まっている
不死身の僕達とは違う
最悪命を落としかねない戦いだ
陛下は、この国の最高権利者としてこれを見届けなければならないと言った
それを僕が反対するわけにはいかない

なんとかして説得して、アズも逃げた
僕に何重もの結界を張って
アズは最後の最後まで心配していた
やっぱり優しいな
こんなにも心配してくれて
でも、だから僕はやらないといけない
エリーと共にいる為だけじゃ無い
アズを、リージュを、僕に優しくしてくれた人達のためでもある

だから、僕は何度死んでも役目を果たす
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼不定期連載となりました。 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。

【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる

ざっしゅ
BL
気づけば、男の婚約者がいる悪役として転生してしまったソウタ。 この小説は、主人公である皇太子ルースが、悪役たちの陰謀によって記憶を失い、最終的に復讐を遂げるという残酷な物語だった。ソウタは、自分の命を守るため、原作の悪役としての行動を改め、記憶を失ったルースを友人として大切にする。 ソウタの献身的な行動は周囲に「ルースへの深い愛」だと噂され、ルース自身もその噂に満更でもない様子を見せ始める。

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

本当に悪役なんですか?

メカラウロ子
BL
気づいたら乙女ゲームのモブに転生していた主人公は悪役の取り巻きとしてモブらしからぬ行動を取ってしまう。 状況が掴めないまま戸惑う主人公に、悪役令息のアルフレッドが意外な行動を取ってきて… ムーンライトノベルズ にも掲載中です。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。 その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。 しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。 何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。 聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)

処理中です...