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役目を果たす時
93話 敵対妖精の出方
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幼稚に汚く僕を罵ったローズ
とても『聖女』には見えない
威嚇状態のローズは大声でライアを呼んだ
「お願いライア!私を助けて!」
「助ける?どうしろと言うのかしら?」
「何でもいいから!私を助け……」
「貴女、助ける余地無いじゃない」
「………ぇ?」
僕達の敵ドライアドを呼ばれ、ここで戦闘になるのかと身構えた
が、まさかドライアドがこうもあっさりローズを切るとは…
この妖精、相当イカれてる
なんでわざわざ異世界から連れてきたのに、あっさり手放せるのか
仲間意識は無いのか?
突如現れた妖精に周りはざわついた
そして、この中で恐らくドライアドと対面したことあるのは僕とグドだけ
エリーにあれが僕達の敵だと伝えたら、怯えたような顔をしていた
「あれが……?あんな得体の知れない、底が無いみたいな妖精が……」
エリーはドライアドに怯えてる
その気持ちは僕も分かる
妖精、なんて言えば聞こえはいいが、あんなのは…化け物だ
「ごめんなさいねぇ、ローズ。それでも最初は貴女のこと……いい暇つぶしだと思ってたわ。でも、もっといいのが目の前に現れてしまったんだもの。貴女はもう要らない」
「そ、そんな…ねぇどう言うこと……!?」
暇つぶし……?
まさかその為だけに神を、世界を裏切った……
異世界渡航はこの世界において重罪
僕達は一度死んでいるから対象外になってる
でも、ローズは………田辺さんは憑依
生きた状態で意識だけ渡ってきた
そして田辺さんを連れてきたドライアドも異世界に渡ったことになる
そんな理由でこんなことをするだなんて、やっぱりイカれてたんだ
「ねぇってば……ライア…………」
「ふふっ。私はねぇ、神子…あなた達にものっ凄く興味があるのよぉ!」
なんだろう、嫌な予感がする
そしてその予感は的中した
「さぁ!私と遊びましょう!」
何の前触れもない開戦
咄嗟にエリーがバリアを張らなければ、今頃この場にいた全員が死んでいただろう
ドライアドが放った黒い魔法に怯えた人々は一目散に逃げ始めた
エリーのバリアの内側にいたローズは助かっていたが、放心状態になっている
無理も無い
自分をこの世界に連れてきた張本人に見捨てられたんだ
それだけは同情する
でも、ローズを殺すのは僕だ
あの妖精に殺されてはたまらない
「ハル!ローズを外に連れて行け!それとアズ様とリージュ様と陛下もみんな逃げて!」
「え、あ、あぁ。行くぞ、ローズ!」
「カメリア!私も戦います!」
「なっ……ダメです!」
ハルとローズ、リージュはすぐに逃げた
でも、アズと陛下はここに留まっている
不死身の僕達とは違う
最悪命を落としかねない戦いだ
陛下は、この国の最高権利者としてこれを見届けなければならないと言った
それを僕が反対するわけにはいかない
なんとかして説得して、アズも逃げた
僕に何重もの結界を張って
アズは最後の最後まで心配していた
やっぱり優しいな
こんなにも心配してくれて
でも、だから僕はやらないといけない
エリーと共にいる為だけじゃ無い
アズを、リージュを、僕に優しくしてくれた人達のためでもある
だから、僕は何度死んでも役目を果たす
とても『聖女』には見えない
威嚇状態のローズは大声でライアを呼んだ
「お願いライア!私を助けて!」
「助ける?どうしろと言うのかしら?」
「何でもいいから!私を助け……」
「貴女、助ける余地無いじゃない」
「………ぇ?」
僕達の敵ドライアドを呼ばれ、ここで戦闘になるのかと身構えた
が、まさかドライアドがこうもあっさりローズを切るとは…
この妖精、相当イカれてる
なんでわざわざ異世界から連れてきたのに、あっさり手放せるのか
仲間意識は無いのか?
突如現れた妖精に周りはざわついた
そして、この中で恐らくドライアドと対面したことあるのは僕とグドだけ
エリーにあれが僕達の敵だと伝えたら、怯えたような顔をしていた
「あれが……?あんな得体の知れない、底が無いみたいな妖精が……」
エリーはドライアドに怯えてる
その気持ちは僕も分かる
妖精、なんて言えば聞こえはいいが、あんなのは…化け物だ
「ごめんなさいねぇ、ローズ。それでも最初は貴女のこと……いい暇つぶしだと思ってたわ。でも、もっといいのが目の前に現れてしまったんだもの。貴女はもう要らない」
「そ、そんな…ねぇどう言うこと……!?」
暇つぶし……?
まさかその為だけに神を、世界を裏切った……
異世界渡航はこの世界において重罪
僕達は一度死んでいるから対象外になってる
でも、ローズは………田辺さんは憑依
生きた状態で意識だけ渡ってきた
そして田辺さんを連れてきたドライアドも異世界に渡ったことになる
そんな理由でこんなことをするだなんて、やっぱりイカれてたんだ
「ねぇってば……ライア…………」
「ふふっ。私はねぇ、神子…あなた達にものっ凄く興味があるのよぉ!」
なんだろう、嫌な予感がする
そしてその予感は的中した
「さぁ!私と遊びましょう!」
何の前触れもない開戦
咄嗟にエリーがバリアを張らなければ、今頃この場にいた全員が死んでいただろう
ドライアドが放った黒い魔法に怯えた人々は一目散に逃げ始めた
エリーのバリアの内側にいたローズは助かっていたが、放心状態になっている
無理も無い
自分をこの世界に連れてきた張本人に見捨てられたんだ
それだけは同情する
でも、ローズを殺すのは僕だ
あの妖精に殺されてはたまらない
「ハル!ローズを外に連れて行け!それとアズ様とリージュ様と陛下もみんな逃げて!」
「え、あ、あぁ。行くぞ、ローズ!」
「カメリア!私も戦います!」
「なっ……ダメです!」
ハルとローズ、リージュはすぐに逃げた
でも、アズと陛下はここに留まっている
不死身の僕達とは違う
最悪命を落としかねない戦いだ
陛下は、この国の最高権利者としてこれを見届けなければならないと言った
それを僕が反対するわけにはいかない
なんとかして説得して、アズも逃げた
僕に何重もの結界を張って
アズは最後の最後まで心配していた
やっぱり優しいな
こんなにも心配してくれて
でも、だから僕はやらないといけない
エリーと共にいる為だけじゃ無い
アズを、リージュを、僕に優しくしてくれた人達のためでもある
だから、僕は何度死んでも役目を果たす
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