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復讐の旅、開始!
9.謎のメガネの人オススメ武器屋
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暖かい…。体は重いのに温かな光と柔らかい空気が心地良くて、木漏れ日に照らされる岩になったようだ……。このまま、もうすこし心地良い空気の中で……
「………い、…ト、…き………なさい」
「んっ…ぅ……」
「起き…さい、ヤト……」
何か聞こえる?あぁもう、今はこのまま放っておいてくれ。後もう少しこのまま………んぐっ!?い、息が………!
「ん゛ん゛ーーッ!?っぷはぁ!」
「おはようございます」
「起こし方他に無かったのか…!?あとおはよう!」
鼻と口を手で塞がれて窒息しかけた事でバッチリ目が覚めた。朝は苦手なんだからもっと優しく起こしてくれても良かっただろ!っていうか朝早すぎないか!?まだ五時だぞ!四時間も寝てないぞ!
「朝早いと伝えましたよね」
「えっ、言ったっけ」
「言いました。朝食は準備しておきましたから顔を洗って着替えて来てください。早く」
あ、はい……。なんだろうな、こんなにも完璧な人って結構圧を感じるもんなんだな。
とりあえず顔を洗ってワイシャツとスラックスに着替えてからホットサンドを食べた。具材はハムとレタスとチーズのシンプルなものだけど、オニオンソースのニンニクが効いていて満足感がある。
「コーヒーは飲めますか」
「あぁ。ありがとう」
入れたてのコーヒーとホットサンド…。こんな贅沢な朝飯は元の世界じゃ食えなかったな。まぁ、白米と味噌汁が食えただけでも贅沢か。
俺がアルバイトをして家に金を入れてからは多少の余裕は出来てたし、それで末っ子にゲームを買ってやったらめちゃくちゃ喜んでたな。多くは無いが小遣いを渡せるようになったし、父さんも少しは顔色が良くなってた。
……家族のことを思い出すのはまだ辛いな。でも、俺の元の世界での記憶は家族のことが多い。仕方ないか…。
「ヤト、悪夢でも見ましたか?」
「いや?なんで?」
「どこか悲しそうに見えたので」
「…なんでもねぇよ」
流石に甘え過ぎだもんな。もう戻れないって、少しの希望も無いって分かりきってるんだから早く心を入れ替えないと。俺だってもう大人なんだからしっかりしないとな。
朝飯をしっかり食べて、名残惜しいけど歯を磨いて口をすすいだ。そして忘れ物が無いことを確認して部屋を出た。
「わぁっ!?」
「え、あっ」
ドンっ
やっべ、ちゃんと外に人がいないか確認しないでドアを開けたから人とぶつかったな。
「えーっと、大丈夫ですか?」
「は、はいっ!あっ、す、すみません…!」
何だこの人、めっちゃ挙動が不審なんだけど。
ドアにぶつかったのは黒髪を一つに束ねて丸メガネを掛けて帽子を被った、生真面目そうな男だ。俺に怯えているっていうよりは対人恐怖症とかそんな感じだろうか。
「ももっ、申し訳ああありません…、わたくしめお金はあまり無いのでどうかご勘弁おぉ……!」
「いや、カツアゲとかしないから」
なんだこの人……
●●●
ちょうどこのメガネの人も宿から出ようとしてたみたいで、外まで同じ行動だから同行するような形になった。
気不味いな…
「あ、あのぉ……」
「ん?」
「ひえぇっ…!そ、その、お二人は…どういった方です……?」
「???」
ずっとビクビクしてるしちょっとめんどくさい。っていうか、こんなに怯えてる癖に俺たちに話しかけはするんだ。
「…俺たちは勉強のために旅をしてるんだ」
「勉強…ですか?」
「はい。私が教師として魔法の知識とモンスターとの戦い方を教えているのです」
「ほぉ…先生と生徒さんでしたか。も、申し訳ありません…その、そちらのお兄さんが…お、恐ろしいので…何か裏の方かと……」
え、グルーってそんなに怖い?まぁ…騎士として潜入してたって言ってたし、裏の人と言えば否定も出来ないだろうけど、そんな怖い?
しかし念のために作っておいた設定が役立つとは…。グルーの提案だったけど、もしかして人を騙すの得意?とか思ってしまう。
「…怯えるのも仕方ありません。私の赤い瞳は恐怖の対象ですからね」
「す、すみません…!と、ところで…戦いの勉強をするのに、武器は持たないんです?彼…」
「これから調達するところだ」
グルーが俺に合う武器が分からないから俺が選んだ方がいいって、旅の前に武器屋に行く予定だ。俺に合う武器って何だろう。やっぱり剣とかナイフとかかな。それか鈍器…殴打でモンスターは狩れないか。
「あっ、その、武器屋でしたらいいとこがありますよ…!」
「いいとこ?」
「え、えっと、私がお手伝いさせて頂いてるお店でして…ドワーフの方が、武器を作っているのです」
ドワーフ!?ドワーフって、背が低くて職人気質っぽいアレ!?いるのか!?
グルーがコソッと「ドワーフは妖精の一種です」と耳打ちしてくれた。耳打ちはやめてくれ心臓に悪い…は、置いといて。なるほど、妖精の生き残りか…奴隷として酷使されてるとかじゃ無いならいいけど………
「そうですね、そこに行ってみましょうか。案内をお願いしても?」
「ひゃいっ…!」
……本当にこの人、大丈夫か?
●●●
二十分くらい森を歩いて着いた町。レンガの地面にレンガの建物。若干ボロいが趣きがある町だ。
そこから案内について行くとすぐに到着したようで、『イヴァル武器店』と書かれた看板の掲げられた建物の重たいドアを開けた。…瞬間に聞こえた怒号。
「だぁかぁらァ!ワシは個人にしか武器は打たねぇつってんだろうがァ!テメェら人間の兵に配る剣は無ェんだよ!」
巻き舌が混じった年長者の声。その叫び声にメガネの人は「ひえぇっ…!」と震えていた。何か厄介事か?人間の兵とか言ってたし。
そっと様子を見てみると、煌びやかな服を着た貴族っぽい中年と、背の低い作務衣を着た爺さんが言い争っていた。背が低いし耳も大きいし、あの爺さんがドワーフだろうな。
「妖精如きが人間に逆らえるとまだ思っているのか!」
「はッ!人間サマに従うくらいなら両の腕を切り落として商売辞める方がええわ!」
「何を…!」
えーっとつまり、あのドワーフの武器が欲しいが無理に連れていけば自ら使い物にならなくされるから強く出れないってとこか。本当に腐りきってるな。
「ふんッ、ならばワタシとあの客を戦わせろ!そしてワタシが勝ったら大人しく従いたまえ!」
「はっ、俺ぇ!?なんで!?」
なんで俺が急に巻き込まれるんだよ!?
「アナタが自分の客に拘るのなら彼もさぞお強いのでしょうねぇ…!」
俺はここ初めましてだ!どうなってるんだよメガネ…メガネのやつどこ行った!?
「テメェ…!いいだろうやってやらァ!」
「待って俺の意思は!?」
オッサンども頭冷やせ!なんでそこで喧嘩を買うんだよドワーフの爺さん!俺、無関係!グルーまで頭抱えてため息吐いてるぞ!
ドワーフの爺さんは剣を二本取ると、片方を貴族のオッサンに渡してもう片方を俺に渡してきた。
「誰だか知らんが託したぞ童!」
「知らんやつに託すんじゃ無い!あと俺はわっぱじゃ無い!」
「いいから行けェッ!」
何だコレ、ガチで。えっ、もうなんか腹立つしコイツでストレス発散していいか?
しかも渡してきた剣、本物の刃が付いてるじゃねぇか。え、殺せってこと?俺全然殺すよ?剣は使ったことないけど、まぁなんとかする…しかないもんなぁ…。
「待ってください、彼はこれから剣の訓練をする初心者です」
あぁ…グルーが待ったを掛けてくれた。でもたぶん意味ないやつだよな。
「嘘を吐けテメェ、どう見たって手練れだろうが!」
いや爺さんそのコメントも違うだろ!?俺がどうしたら手練れに見えるんだよ!剣なんか体育の剣道で使った竹刀くらいしか持った事無いって!
とりあえず店の裏の小さな訓練場みたいなとこに移動することになった。
外に出て互いに睨み合って剣を構えたが、やっぱり貴族って剣とか習うよな。構え方が違うしなんか慣れてる。
はぁ…大人気ないな。初心者マークに勝って嬉しいか?いや、嬉しいとかじゃ無くてただ屈服させたいだけか。あーあーやだやだ、きったね。
「では始めるぞ!降参するか死んだら負けだ!」
「分かった。じゃあ殺す」
無駄に高いプライドをへし折って頭を下げさせた上で殺す。よし、さっさと終わらせるか。
「それでは始めだぁッ!」
ノリノリで俺の方に詰め寄るオッサン。けど大人しく受ける必要も無く、サッと避けて足払いを掛け、よろけたところでとりあえず剣を振って腕を斬った。
スパッ
……ん?なんだこの剣の切れ味!俺とんでもないの持ってんの!?勢い付けて振っただけで腕が簡単に切り落とせたぞ!?うわぁ…絵面がグロい。リアルタイムでモザイクって…無理か。ファンタジー世界でも目の前にあるものに修正は掛けられないか。
「ぐあぁあッ…!」
「あー…、で?どうする?」
「ま、だだぁ…!」
いやいや、左腕切り落とされてるんだぞ!?それでもまだやんのか!?貴族のプライドってめんどくさっ…。
もういいや、殺ろう。
オッサンの右腕を切り落として剣を離させてから蹴りを入れて仰向けに倒した。腕が無ければ起きるのも難しいだろう。
「あーあ、降参の機会はあったのにな」
「がッ………」
喉元に剣の切先をそっと触れるか触れないかくらいに向けた。
「ほら、降参は?」
「…………」
「あっ…、もしかして失血で………」
オッサンはどうやら血を失い過ぎて死んだようだ。まぁ、両手切り落とされて放置してればなぁ…。っていうかこの人お偉いさんじゃねぇのか?死んで大丈夫だったのか?
とりあえず死体を置いといて店に戻った。そこには完全に固まったグルーとゲラで笑う爺さん、それから怯えるメガネ。三者三様とは言うが、差がありすぎるだろ。
「ガーッハッハッハ!テメェなかなかやりおるのぉ!」
「ガクブルガクブル…」
「…………」
爺さんうるさい!メガネ怯えすぎ!そしてなんか言ってくれグルー!
「とりあえずソイツは返してくれ、使った後は手入れをしてやらんとな!」
「は、はぁ……」
俺の手から剣をぶん取ると、爺さんは慣れたように手入れをした。
「で、では、私は死体の処理を…」
「死体は大丈夫なのか?」
「生きてる人に比べれば余裕です!ちょっとくらい解剖しても…へへっ」
ん?最後変なこと言ってなかったか?頬を染めて照れくさそうに言うには不釣り合いな言葉を言ってなかったか?
そしてグルーは何で何も言わないんだ?ジッと俺を見るばっかで何も言わない。俺がなんの躊躇いも無く人を殺したから警戒してるとか?それは困るな…
「なぁ、なんか言ってくれよ…。俺が人を殺したから怒ってるのか?」
「……え?あ、すみません……」
グルーは口元を手で隠すと、俺から顔を逸らした。どうしたんだろう。目的の暴君以外の人間を何の考えも無しに殺したから怒ってるのだろうか。
……って、あれ?グルーの顔が赤い?
「ヤトに、見惚れていました……」
「ふぇっ………?」
な、何だよそれ!俺まで貰い照れするじゃねぇか!っていうか人を殺すとこを見て見惚れてたとかサラッと怖ぇな!?
いやそれより!俺たちは武器を買いに来たんだって!
「………い、…ト、…き………なさい」
「んっ…ぅ……」
「起き…さい、ヤト……」
何か聞こえる?あぁもう、今はこのまま放っておいてくれ。後もう少しこのまま………んぐっ!?い、息が………!
「ん゛ん゛ーーッ!?っぷはぁ!」
「おはようございます」
「起こし方他に無かったのか…!?あとおはよう!」
鼻と口を手で塞がれて窒息しかけた事でバッチリ目が覚めた。朝は苦手なんだからもっと優しく起こしてくれても良かっただろ!っていうか朝早すぎないか!?まだ五時だぞ!四時間も寝てないぞ!
「朝早いと伝えましたよね」
「えっ、言ったっけ」
「言いました。朝食は準備しておきましたから顔を洗って着替えて来てください。早く」
あ、はい……。なんだろうな、こんなにも完璧な人って結構圧を感じるもんなんだな。
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「コーヒーは飲めますか」
「あぁ。ありがとう」
入れたてのコーヒーとホットサンド…。こんな贅沢な朝飯は元の世界じゃ食えなかったな。まぁ、白米と味噌汁が食えただけでも贅沢か。
俺がアルバイトをして家に金を入れてからは多少の余裕は出来てたし、それで末っ子にゲームを買ってやったらめちゃくちゃ喜んでたな。多くは無いが小遣いを渡せるようになったし、父さんも少しは顔色が良くなってた。
……家族のことを思い出すのはまだ辛いな。でも、俺の元の世界での記憶は家族のことが多い。仕方ないか…。
「ヤト、悪夢でも見ましたか?」
「いや?なんで?」
「どこか悲しそうに見えたので」
「…なんでもねぇよ」
流石に甘え過ぎだもんな。もう戻れないって、少しの希望も無いって分かりきってるんだから早く心を入れ替えないと。俺だってもう大人なんだからしっかりしないとな。
朝飯をしっかり食べて、名残惜しいけど歯を磨いて口をすすいだ。そして忘れ物が無いことを確認して部屋を出た。
「わぁっ!?」
「え、あっ」
ドンっ
やっべ、ちゃんと外に人がいないか確認しないでドアを開けたから人とぶつかったな。
「えーっと、大丈夫ですか?」
「は、はいっ!あっ、す、すみません…!」
何だこの人、めっちゃ挙動が不審なんだけど。
ドアにぶつかったのは黒髪を一つに束ねて丸メガネを掛けて帽子を被った、生真面目そうな男だ。俺に怯えているっていうよりは対人恐怖症とかそんな感じだろうか。
「ももっ、申し訳ああありません…、わたくしめお金はあまり無いのでどうかご勘弁おぉ……!」
「いや、カツアゲとかしないから」
なんだこの人……
●●●
ちょうどこのメガネの人も宿から出ようとしてたみたいで、外まで同じ行動だから同行するような形になった。
気不味いな…
「あ、あのぉ……」
「ん?」
「ひえぇっ…!そ、その、お二人は…どういった方です……?」
「???」
ずっとビクビクしてるしちょっとめんどくさい。っていうか、こんなに怯えてる癖に俺たちに話しかけはするんだ。
「…俺たちは勉強のために旅をしてるんだ」
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「はい。私が教師として魔法の知識とモンスターとの戦い方を教えているのです」
「ほぉ…先生と生徒さんでしたか。も、申し訳ありません…その、そちらのお兄さんが…お、恐ろしいので…何か裏の方かと……」
え、グルーってそんなに怖い?まぁ…騎士として潜入してたって言ってたし、裏の人と言えば否定も出来ないだろうけど、そんな怖い?
しかし念のために作っておいた設定が役立つとは…。グルーの提案だったけど、もしかして人を騙すの得意?とか思ってしまう。
「…怯えるのも仕方ありません。私の赤い瞳は恐怖の対象ですからね」
「す、すみません…!と、ところで…戦いの勉強をするのに、武器は持たないんです?彼…」
「これから調達するところだ」
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「あっ、その、武器屋でしたらいいとこがありますよ…!」
「いいとこ?」
「え、えっと、私がお手伝いさせて頂いてるお店でして…ドワーフの方が、武器を作っているのです」
ドワーフ!?ドワーフって、背が低くて職人気質っぽいアレ!?いるのか!?
グルーがコソッと「ドワーフは妖精の一種です」と耳打ちしてくれた。耳打ちはやめてくれ心臓に悪い…は、置いといて。なるほど、妖精の生き残りか…奴隷として酷使されてるとかじゃ無いならいいけど………
「そうですね、そこに行ってみましょうか。案内をお願いしても?」
「ひゃいっ…!」
……本当にこの人、大丈夫か?
●●●
二十分くらい森を歩いて着いた町。レンガの地面にレンガの建物。若干ボロいが趣きがある町だ。
そこから案内について行くとすぐに到着したようで、『イヴァル武器店』と書かれた看板の掲げられた建物の重たいドアを開けた。…瞬間に聞こえた怒号。
「だぁかぁらァ!ワシは個人にしか武器は打たねぇつってんだろうがァ!テメェら人間の兵に配る剣は無ェんだよ!」
巻き舌が混じった年長者の声。その叫び声にメガネの人は「ひえぇっ…!」と震えていた。何か厄介事か?人間の兵とか言ってたし。
そっと様子を見てみると、煌びやかな服を着た貴族っぽい中年と、背の低い作務衣を着た爺さんが言い争っていた。背が低いし耳も大きいし、あの爺さんがドワーフだろうな。
「妖精如きが人間に逆らえるとまだ思っているのか!」
「はッ!人間サマに従うくらいなら両の腕を切り落として商売辞める方がええわ!」
「何を…!」
えーっとつまり、あのドワーフの武器が欲しいが無理に連れていけば自ら使い物にならなくされるから強く出れないってとこか。本当に腐りきってるな。
「ふんッ、ならばワタシとあの客を戦わせろ!そしてワタシが勝ったら大人しく従いたまえ!」
「はっ、俺ぇ!?なんで!?」
なんで俺が急に巻き込まれるんだよ!?
「アナタが自分の客に拘るのなら彼もさぞお強いのでしょうねぇ…!」
俺はここ初めましてだ!どうなってるんだよメガネ…メガネのやつどこ行った!?
「テメェ…!いいだろうやってやらァ!」
「待って俺の意思は!?」
オッサンども頭冷やせ!なんでそこで喧嘩を買うんだよドワーフの爺さん!俺、無関係!グルーまで頭抱えてため息吐いてるぞ!
ドワーフの爺さんは剣を二本取ると、片方を貴族のオッサンに渡してもう片方を俺に渡してきた。
「誰だか知らんが託したぞ童!」
「知らんやつに託すんじゃ無い!あと俺はわっぱじゃ無い!」
「いいから行けェッ!」
何だコレ、ガチで。えっ、もうなんか腹立つしコイツでストレス発散していいか?
しかも渡してきた剣、本物の刃が付いてるじゃねぇか。え、殺せってこと?俺全然殺すよ?剣は使ったことないけど、まぁなんとかする…しかないもんなぁ…。
「待ってください、彼はこれから剣の訓練をする初心者です」
あぁ…グルーが待ったを掛けてくれた。でもたぶん意味ないやつだよな。
「嘘を吐けテメェ、どう見たって手練れだろうが!」
いや爺さんそのコメントも違うだろ!?俺がどうしたら手練れに見えるんだよ!剣なんか体育の剣道で使った竹刀くらいしか持った事無いって!
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外に出て互いに睨み合って剣を構えたが、やっぱり貴族って剣とか習うよな。構え方が違うしなんか慣れてる。
はぁ…大人気ないな。初心者マークに勝って嬉しいか?いや、嬉しいとかじゃ無くてただ屈服させたいだけか。あーあーやだやだ、きったね。
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「あー…、で?どうする?」
「ま、だだぁ…!」
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もういいや、殺ろう。
オッサンの右腕を切り落として剣を離させてから蹴りを入れて仰向けに倒した。腕が無ければ起きるのも難しいだろう。
「あーあ、降参の機会はあったのにな」
「がッ………」
喉元に剣の切先をそっと触れるか触れないかくらいに向けた。
「ほら、降参は?」
「…………」
「あっ…、もしかして失血で………」
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「ガーッハッハッハ!テメェなかなかやりおるのぉ!」
「ガクブルガクブル…」
「…………」
爺さんうるさい!メガネ怯えすぎ!そしてなんか言ってくれグルー!
「とりあえずソイツは返してくれ、使った後は手入れをしてやらんとな!」
「は、はぁ……」
俺の手から剣をぶん取ると、爺さんは慣れたように手入れをした。
「で、では、私は死体の処理を…」
「死体は大丈夫なのか?」
「生きてる人に比べれば余裕です!ちょっとくらい解剖しても…へへっ」
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そしてグルーは何で何も言わないんだ?ジッと俺を見るばっかで何も言わない。俺がなんの躊躇いも無く人を殺したから警戒してるとか?それは困るな…
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「……え?あ、すみません……」
グルーは口元を手で隠すと、俺から顔を逸らした。どうしたんだろう。目的の暴君以外の人間を何の考えも無しに殺したから怒ってるのだろうか。
……って、あれ?グルーの顔が赤い?
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