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復讐の旅、開始!
14.まさかのベタ惚れってマジか!?
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二回目の焚き火の準備をサッと終わらせて火を着け、洗った服を焚き火の側まで移動させた。肉とパンを焼いて果物を成らせて、日が落ちてすぐくらいの時間に早めの夕飯を食べた。
そしてまたグルーに抱きしめられて布団を被り、眠る準備が完了した。
「……なぁグルー、ずっと気になってたんが…なんで俺の下の世話までしてるんだ?やけに俺に尽くしてくるし、俺達は復讐の協力者なんだからそこまでする事も無いんじゃないか?」
そんな疑問をずっと持ってたから、とりあえず素直に聞いてみた。
俺の世話をするメリットは無いはずだし、今は前と違ってグルーも一緒にってわけじゃ無かった。本当に俺だけ一方的に世話をされている。
「…ヤト、私に口付けてください」
「え?あ、あぁ、分かった。………これでいいか?」
「はい、それが理由です」
???どれが理由?とりあえず言われた通りにグルーにキスしたけど、なんの意味があるんだ?……あれ、羞恥心どこに置いて来たっけ。もっと凄いことをしたからか感覚が変わり始めてるな…。
「ヤトは本当に鈍感ですね。これだけあからさまにしても気付かないのですか?……私は、貴方に惚れているのですよ」
「え……………?」
グルーが俺に惚れ………惚れてる!?なんで!?だって俺の行動を振り返っても惚れる要素無かったよな!?
最初は俺が牢に入れられてる時に見張りのグルーと出会ったんだよな。その時は俺がグルーに時間を聞いたり腹の虫聞かれて飯を持って来てもらったりした。で、俺が奴隷にされそうになって拒否したら殺されそうになって、それをグルーが守ってくれた。
その後は俺が体調を崩してグルーに看病してもらって、一文無しの俺を宿に泊まらせてくれて着替えと食事を提供してもらって風呂で若干変な距離が縮まって…。
この世界のことを教えてもらって武器を買ってもらって、戦い方を教えてもらって野宿のしかたも魔法も教えてもらって……って、
どっちかって言うと俺がグルーに惚れる要素しか無くないか!?
「ちょ、ちょっと待ってくれ!いきなりそんなこと言われても信じられないぞ!?」
「えぇそうでしょうね。貴方は酷い人ですから、どれだけアプローチしても気付くどころか考えてすらいなかったのでしょう?」
ひ、酷い人って…そんな……!否定は出来ないけど……!
嫌な感じがする。もしかして俺、また何かやっちゃったか…?
●●●
昔から大した関わりも無い人から惚れられることはあった。年齢も性別も関係無しに何度も告白されたり襲われそうになったりもした。
初めて誰かと交際をしたのは中学生になって間も無い頃だ。
あの頃の俺は背伸びがしたくて、特になんとも思ってない女子からの告白にOKを出してしまった。ただ付き合ったからにはそれ相応の付き合い方をするべきだと思って、彼女のために時間を割き、他の異性との接触を避けた。
そうやって好きでも無い人からの好意に応えようとしたのが間違いだったようで、段々と彼女は俺を道具か何かのように思い始めた。『呼べば来る』『自分のために何でもする』と。
まだ付き合って半年も経たずに彼女は俺を押し倒した。まだキスもしてなかったし年齢的にもダメだと分かっていたから、俺は初めて彼女の頼みを断った。
そうしたら、彼女は俺が思い通りに動かないことに発狂した。
そのことがトラウマになった俺は女を恋愛対象としても性対象としても見れなくなり、誰かと交際することに不快感を覚えた。
それだけじゃ無い。高校生になってからは毎日のように告白され、ある時は数人がかりで襲われそうになり、その対象は同級生に止まらず他学年や教師までいた。
流石に異常だと感じた俺は人と距離を取り始めたが、俺の周りはすぐに狂ってしまった。
いつしかそれは、俺に対する信仰心のようになった。
●●●
だから俺は恋愛とは遠い場所で生きて行くと決めていた。とは言え俺も本当は興味があって、それで読書が趣味になってたわけだ。
だが、それをグルーに伝えたところでおかしな話だと思われるだけだろう。自惚れ、ナルシスト、勘違い、思い上がり…俺でもそう思うんだからな。
「…ごめん、気持ちには応えられない。俺は誰かと付き合う気は無いんだ。でも…なんで俺なんかに惚れたんだ?」
本当にごめん、こんな試すような言葉。でも今まで同じように質問して答えられた人が誰一人としていなかったから、これで答えられなかったらグルーも俺にある不可思議な『何か』に惹かれたってことになるだろう。
「それは…その………」
ほら、言葉に出来ない。
「ヤト、教えても嫌いにならないでくださいね」
………ん?えっ、言えるのか!?なんで!?
「最初はただの興味で貴方を牢から連れ出したのですが…、あまりにも貴方がちぐはぐで、気付けば貴方の言動全てに釘付けになっていたのです」
「ち、ちぐはぐ……?」
「ヤトは優しいのか恐ろしいのか分かりづらいですから。私はなかなか面倒な人でして、優しい人は疑わしく感じて恐ろしい人は信用出来ない性格なのです」
それってどっちも信用出来ないじゃん!なのに俺のことはめっちゃ信用してるの何!?
「貴方に惚れていると自覚したのは旅を始めた日ですが、その前から結構魅力的に感じてはいたのです。そうでなければ貴方の痴態を見て興奮することもありませんでしたし…。見知らぬ土地の地下牢で嘆くことなく順応して見せ、強かで賢く真っ直ぐに王という存在に逆らって根性と覚悟を見せた時にはきっと惹かれていたのでしょう。そんな貴方の強い眼差しが私の前で緩んだ時には言葉に出来ない喜びと不安を感じ、あまりにも単純なその心が優しさに繋がっていると知り、それでも己にとっての悪を許さず冷酷にもなれる姿にとても痺れました。貴方の優しさは偽善とは違い、貴方の冷静さは心無いものとは違い、その行動の全てが自身のためであると明確であり一貫していることは私にとってとても 「ん?」 好ましいのです。私に対して恩を返したいと言っていたのも感謝の気持ちと罪悪感から来る気持ちで言ったことだと一言に全て詰まっていました。そんな己の意思を伝える声はとても透き通り心の奥深くまで届くような美しい声で聞き入ってしまいます。真っ直ぐな言葉を伝える時の力強さや不安や緊張で震える愛らしい声もとても魅力的で一言一言がとても愛おしく感じます。更には怒りを露わにした時の唸るような静かな声まで感情を揺さぶられゾクゾクしてしまいました。武器店で見た静かな怒りと残酷さは特に美しく、呼吸さえ忘れてしまうほどに魅力されてしまいました。私が貴方に惚れていると気付いたのはその時ですね。人を傷付け殺めることすら悪人相手には躊躇しない精神的な強さ、それから異世界に愛する家族を残し涙する弱さの両方が神秘を感じるほどに美しい。貴方は謙虚でありながら自身の優れている部分を理解していて、鬱陶しくなるような卑下では無く前向きさも備え合わせているので場を明るくさせ己の能力を最大限活かすことも出来ますね。学習能力が高いのも貴方が素直で飲み込みと理解が速く、向上心があると 「あの」 いう表れ。真っ直ぐで美しい姿勢や強気でハキハキした貴方自身の言動のみならず、そう言った学習能力の高い脳や生存本能や欲求を現す体が貴方がどんな方かを証明しています。あぁ、体といえば貴方は容姿もとても優れていて、更にはその優れた容姿の魅せ方すらも手玉に取るように理解しているのでしょう。目線のやり方から表情の魅せ方、立ち振る舞いや歩き方、更には無意識の睡眠時まで貴方は美しさが消えることは無いのですから。ただ少々魅力がありすぎるあまり私は何度も心 「ちょっ」 を揺さぶられ幾度となく理性と戦うことになりました。頬を赤く染め上げ恥じらう姿はあまりにも官能的で、欲をコントロール出来るように訓練した私ですら翻弄されて手を出してしまうほど扇情的です。欲望に素直な貴方もとても愛らしく、食事の時も情事の時も過剰に甘やかしたくなるような欲と多少の意地悪をして表情を崩したくなる欲が生まれます。もちろん貴方が嫌がるようなことをしたくありませんが、このままでは私のこの卑しい欲望が暴走して貴方を欲望のまま束縛し蹂躙してしまうかもしれないと心配にな……………」
「ストップストップ! や め ろ ー ! 」
何言ってるか途中から理解出来なかったけど、とにかく俺に対して異常な幻覚を見てることは分かった!あと最後の最後に怖いこと言ってるのも分かった!
「まだ言えますが…」
「もういい………」
「重すぎて嫌いになりしたか?」
「そんなワケあるか………」
グルーが俺をどんなやつだと思ってるのか理解出来ないが、それでもこんなツラツラと俺の魅力を語られるとそれが事実か色眼鏡か分からなくても恥ずかしいものは恥ずかしい。
「…ヤト、あとこれだけ言わせてください。私は何より、私の赤く鋭い眼光に怯えず目を合わせてくれたことと、私の圧を感じる低い声を気持ち良さそうに聞いてくれたことが嬉しいのです」
「え、そんなことが?」
「この世界では、今言った両方が恐怖の対象ですから…」
……グルーが俺に惚れた理由の九割がそれじゃないのか?世界が違うからこそ生じる価値観の差異。つまり俺じゃなくても元の世界のほとんどが対象になる。
けどまぁ、この世界に異世界人は俺だけ…じゃないか。俺と兄(推定)だけだから、俺以外に対象がなかなかいないってことだもんな。なら仕方ない、応えるのはやっぱり無理だけど、受け入れはするか。
「まぁ、応えてやれなくてもいいなら俺のことを好きでもなんでもいいよ」
「えぇ。いくら惚れているとは言え貴方に私の意思を変えさせられるのは遠慮したいです」
そりゃあそうだ。グルーの気持ちを否定する資格なんて誰にも無いんだからな。
グルーは俺の頬をそっと撫でると優しいキスをした。そのままだんだんとエスカレートして、舌を舐め合い絡ませて、深くまで口腔に舌を潜り込ませた。
「んっ、ふっ……んんッ!ま、待った!またその…変な気になったらどうする……」
「その時は私が鎮めてあげますよ」
グルーなら本当にやるだろうな。なんて考えながら、グルーが満足するまで付き合った。本当に俺がその気になって、結局眠ったのは月が高くなる時間だった。
そしてまたグルーに抱きしめられて布団を被り、眠る準備が完了した。
「……なぁグルー、ずっと気になってたんが…なんで俺の下の世話までしてるんだ?やけに俺に尽くしてくるし、俺達は復讐の協力者なんだからそこまでする事も無いんじゃないか?」
そんな疑問をずっと持ってたから、とりあえず素直に聞いてみた。
俺の世話をするメリットは無いはずだし、今は前と違ってグルーも一緒にってわけじゃ無かった。本当に俺だけ一方的に世話をされている。
「…ヤト、私に口付けてください」
「え?あ、あぁ、分かった。………これでいいか?」
「はい、それが理由です」
???どれが理由?とりあえず言われた通りにグルーにキスしたけど、なんの意味があるんだ?……あれ、羞恥心どこに置いて来たっけ。もっと凄いことをしたからか感覚が変わり始めてるな…。
「ヤトは本当に鈍感ですね。これだけあからさまにしても気付かないのですか?……私は、貴方に惚れているのですよ」
「え……………?」
グルーが俺に惚れ………惚れてる!?なんで!?だって俺の行動を振り返っても惚れる要素無かったよな!?
最初は俺が牢に入れられてる時に見張りのグルーと出会ったんだよな。その時は俺がグルーに時間を聞いたり腹の虫聞かれて飯を持って来てもらったりした。で、俺が奴隷にされそうになって拒否したら殺されそうになって、それをグルーが守ってくれた。
その後は俺が体調を崩してグルーに看病してもらって、一文無しの俺を宿に泊まらせてくれて着替えと食事を提供してもらって風呂で若干変な距離が縮まって…。
この世界のことを教えてもらって武器を買ってもらって、戦い方を教えてもらって野宿のしかたも魔法も教えてもらって……って、
どっちかって言うと俺がグルーに惚れる要素しか無くないか!?
「ちょ、ちょっと待ってくれ!いきなりそんなこと言われても信じられないぞ!?」
「えぇそうでしょうね。貴方は酷い人ですから、どれだけアプローチしても気付くどころか考えてすらいなかったのでしょう?」
ひ、酷い人って…そんな……!否定は出来ないけど……!
嫌な感じがする。もしかして俺、また何かやっちゃったか…?
●●●
昔から大した関わりも無い人から惚れられることはあった。年齢も性別も関係無しに何度も告白されたり襲われそうになったりもした。
初めて誰かと交際をしたのは中学生になって間も無い頃だ。
あの頃の俺は背伸びがしたくて、特になんとも思ってない女子からの告白にOKを出してしまった。ただ付き合ったからにはそれ相応の付き合い方をするべきだと思って、彼女のために時間を割き、他の異性との接触を避けた。
そうやって好きでも無い人からの好意に応えようとしたのが間違いだったようで、段々と彼女は俺を道具か何かのように思い始めた。『呼べば来る』『自分のために何でもする』と。
まだ付き合って半年も経たずに彼女は俺を押し倒した。まだキスもしてなかったし年齢的にもダメだと分かっていたから、俺は初めて彼女の頼みを断った。
そうしたら、彼女は俺が思い通りに動かないことに発狂した。
そのことがトラウマになった俺は女を恋愛対象としても性対象としても見れなくなり、誰かと交際することに不快感を覚えた。
それだけじゃ無い。高校生になってからは毎日のように告白され、ある時は数人がかりで襲われそうになり、その対象は同級生に止まらず他学年や教師までいた。
流石に異常だと感じた俺は人と距離を取り始めたが、俺の周りはすぐに狂ってしまった。
いつしかそれは、俺に対する信仰心のようになった。
●●●
だから俺は恋愛とは遠い場所で生きて行くと決めていた。とは言え俺も本当は興味があって、それで読書が趣味になってたわけだ。
だが、それをグルーに伝えたところでおかしな話だと思われるだけだろう。自惚れ、ナルシスト、勘違い、思い上がり…俺でもそう思うんだからな。
「…ごめん、気持ちには応えられない。俺は誰かと付き合う気は無いんだ。でも…なんで俺なんかに惚れたんだ?」
本当にごめん、こんな試すような言葉。でも今まで同じように質問して答えられた人が誰一人としていなかったから、これで答えられなかったらグルーも俺にある不可思議な『何か』に惹かれたってことになるだろう。
「それは…その………」
ほら、言葉に出来ない。
「ヤト、教えても嫌いにならないでくださいね」
………ん?えっ、言えるのか!?なんで!?
「最初はただの興味で貴方を牢から連れ出したのですが…、あまりにも貴方がちぐはぐで、気付けば貴方の言動全てに釘付けになっていたのです」
「ち、ちぐはぐ……?」
「ヤトは優しいのか恐ろしいのか分かりづらいですから。私はなかなか面倒な人でして、優しい人は疑わしく感じて恐ろしい人は信用出来ない性格なのです」
それってどっちも信用出来ないじゃん!なのに俺のことはめっちゃ信用してるの何!?
「貴方に惚れていると自覚したのは旅を始めた日ですが、その前から結構魅力的に感じてはいたのです。そうでなければ貴方の痴態を見て興奮することもありませんでしたし…。見知らぬ土地の地下牢で嘆くことなく順応して見せ、強かで賢く真っ直ぐに王という存在に逆らって根性と覚悟を見せた時にはきっと惹かれていたのでしょう。そんな貴方の強い眼差しが私の前で緩んだ時には言葉に出来ない喜びと不安を感じ、あまりにも単純なその心が優しさに繋がっていると知り、それでも己にとっての悪を許さず冷酷にもなれる姿にとても痺れました。貴方の優しさは偽善とは違い、貴方の冷静さは心無いものとは違い、その行動の全てが自身のためであると明確であり一貫していることは私にとってとても 「ん?」 好ましいのです。私に対して恩を返したいと言っていたのも感謝の気持ちと罪悪感から来る気持ちで言ったことだと一言に全て詰まっていました。そんな己の意思を伝える声はとても透き通り心の奥深くまで届くような美しい声で聞き入ってしまいます。真っ直ぐな言葉を伝える時の力強さや不安や緊張で震える愛らしい声もとても魅力的で一言一言がとても愛おしく感じます。更には怒りを露わにした時の唸るような静かな声まで感情を揺さぶられゾクゾクしてしまいました。武器店で見た静かな怒りと残酷さは特に美しく、呼吸さえ忘れてしまうほどに魅力されてしまいました。私が貴方に惚れていると気付いたのはその時ですね。人を傷付け殺めることすら悪人相手には躊躇しない精神的な強さ、それから異世界に愛する家族を残し涙する弱さの両方が神秘を感じるほどに美しい。貴方は謙虚でありながら自身の優れている部分を理解していて、鬱陶しくなるような卑下では無く前向きさも備え合わせているので場を明るくさせ己の能力を最大限活かすことも出来ますね。学習能力が高いのも貴方が素直で飲み込みと理解が速く、向上心があると 「あの」 いう表れ。真っ直ぐで美しい姿勢や強気でハキハキした貴方自身の言動のみならず、そう言った学習能力の高い脳や生存本能や欲求を現す体が貴方がどんな方かを証明しています。あぁ、体といえば貴方は容姿もとても優れていて、更にはその優れた容姿の魅せ方すらも手玉に取るように理解しているのでしょう。目線のやり方から表情の魅せ方、立ち振る舞いや歩き方、更には無意識の睡眠時まで貴方は美しさが消えることは無いのですから。ただ少々魅力がありすぎるあまり私は何度も心 「ちょっ」 を揺さぶられ幾度となく理性と戦うことになりました。頬を赤く染め上げ恥じらう姿はあまりにも官能的で、欲をコントロール出来るように訓練した私ですら翻弄されて手を出してしまうほど扇情的です。欲望に素直な貴方もとても愛らしく、食事の時も情事の時も過剰に甘やかしたくなるような欲と多少の意地悪をして表情を崩したくなる欲が生まれます。もちろん貴方が嫌がるようなことをしたくありませんが、このままでは私のこの卑しい欲望が暴走して貴方を欲望のまま束縛し蹂躙してしまうかもしれないと心配にな……………」
「ストップストップ! や め ろ ー ! 」
何言ってるか途中から理解出来なかったけど、とにかく俺に対して異常な幻覚を見てることは分かった!あと最後の最後に怖いこと言ってるのも分かった!
「まだ言えますが…」
「もういい………」
「重すぎて嫌いになりしたか?」
「そんなワケあるか………」
グルーが俺をどんなやつだと思ってるのか理解出来ないが、それでもこんなツラツラと俺の魅力を語られるとそれが事実か色眼鏡か分からなくても恥ずかしいものは恥ずかしい。
「…ヤト、あとこれだけ言わせてください。私は何より、私の赤く鋭い眼光に怯えず目を合わせてくれたことと、私の圧を感じる低い声を気持ち良さそうに聞いてくれたことが嬉しいのです」
「え、そんなことが?」
「この世界では、今言った両方が恐怖の対象ですから…」
……グルーが俺に惚れた理由の九割がそれじゃないのか?世界が違うからこそ生じる価値観の差異。つまり俺じゃなくても元の世界のほとんどが対象になる。
けどまぁ、この世界に異世界人は俺だけ…じゃないか。俺と兄(推定)だけだから、俺以外に対象がなかなかいないってことだもんな。なら仕方ない、応えるのはやっぱり無理だけど、受け入れはするか。
「まぁ、応えてやれなくてもいいなら俺のことを好きでもなんでもいいよ」
「えぇ。いくら惚れているとは言え貴方に私の意思を変えさせられるのは遠慮したいです」
そりゃあそうだ。グルーの気持ちを否定する資格なんて誰にも無いんだからな。
グルーは俺の頬をそっと撫でると優しいキスをした。そのままだんだんとエスカレートして、舌を舐め合い絡ませて、深くまで口腔に舌を潜り込ませた。
「んっ、ふっ……んんッ!ま、待った!またその…変な気になったらどうする……」
「その時は私が鎮めてあげますよ」
グルーなら本当にやるだろうな。なんて考えながら、グルーが満足するまで付き合った。本当に俺がその気になって、結局眠ったのは月が高くなる時間だった。
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