43 / 108
復讐の旅、開始!
43.世界の記憶の地へ
しおりを挟む
スッキリしたような疲れたような朝。尻に感じる違和感が凄いが、だからと言って休んでるわけにもいかない。……まぁ、アキトが加減してくれなかったら休まざるを得なかっただろうけど。
顔を洗って着替え、ダイニングに移動してからの朝食となった。今までは部屋に食事を持ってきてもらっていたから新鮮だ。
ダイニングテーブルに俺、アキト、グルー、ヴィンスが着き、今後の予定を練りながら朝食を食べた。
「さて、これからの事だが……」
「待ってくださいアキト、何故あなたが話を進めているんです?」
「ヨルとちゃんと話し合ったことだ」
「なら進めてください」
グルー、いくら何でも俺のことだと信用しすぎじゃねぇか?俺がこの場にいるから疑ってないだけかも知れないが、俺の名前を出されたら何でも信じそうな勢いだ。
「で、これからの事だが古龍の国…って呼ばれてる『歴史の国』に行って、ヨルの能力の覚醒と他種族の協力要請をすることになる。異論は認めない」
「ふーん、異論を唱えたらどうなるんだ?」
「置いてくだけだ。なんだヴィンセント、行きたくないのか?」
「いや…あの国への入り方は誰も知らないだろ?オレらが立ち入ってもいいものか……」
た、確かに?でも俺は昔その…歴史の国にいたみたいなことは聞いたし、アキトも行き方を知ってるらしいし、完全に禁足地ってわけでは無いんだろう。
っていうか、ヴィンスもそんなことを考えるんだな。
「安心しろ、あの国は言わば『許可制』だ。たとえ目の前で入り方を見てたってお前らには無理だ。あの国の鍵は四季龍と俺とヨルだけだからな」
えっ、俺も!?
「魔法で閉じられてるからな。そもそもその魔法が見えるのが決められた奴だけだからな」
その中に俺も含まれてるってことか。はぁ、何が何だかさっぱりだ。俺に記憶があればもっと色々手伝えたかもしれないが…記憶を戻す方法、探さないとな。
どこに向かうにしても準備が必要だが…グルーもヴィンスも昨日のうちに準備を終わらせていたらしい。つまり、今日中に出発できるということだ。『善は急げ』ってことで、朝食後に出発することになった。
ーーって、
「あ、アキト!?」
「何だよ、この程度で驚くことないだろ」
この程度…!?
各自準備が出来次第、最上階のベランダに集合って言われたけど……まさかアキトがデカい鳥の姿になってるとか想定外!それもなんかメラメラ燃えてるし!……って、近くの木製家具が燃えてないってことは炎に見えるだけってことか。流石に本物の炎だったら大火事だもんな。
「ヨルだってこれくらいのカラスになれるだろーって、今は無理か。まぁいい、とりあえず飛んでくから全員背中に乗れ」
俺もデカい鳥になれるのかよ!しかもカラス!?
とか俺は戸惑ってる間に、ヴィンスに軽々と担がれてアキト(鳥)の背中に乗った。わっ、あったかいな。まだ月初めで体温が低い時だから温いのは嬉しいな。
「よし、しっかり捕まってろよ!それじゃあ…しゅっぱーつッ!」
なんかヤケに上機嫌だな。こんな時は大抵ロクなことが起きな
ビュンっ!
ふぁっ!?
いやおい速すぎだろ!?グルーが押さえてくれなかったら吹き飛んでたんじゃ……。
「危ないですよ、ヤト」
「わ、悪い、ありがとう」
そうだ、上機嫌の時のコイツは周りが見えなくなって加減が分からなくなるんだった!ガキかよマジでええぇぇぇ………!!
●●●
つ、着いた………。乗ってるだけで疲れた……。どんなアトラクションだよこれ………。
「なっさけ無いなぁ、ちょっとトばして飛んだだけなのに」
「ちょっと…?どこが…………?」
人型に戻ってケラケラ笑うアキトは、歴史の国を囲む壁を思いっきり蹴った。
爆発音のような音と共に崩れる壁。ガラガラと崩れるとそこには狭いトンネルが現れた。蹴っただけで崩れるのか……?
「俺ら『鍵』は入り口を『作る』ことが出来る。どこであろうと強く攻撃すればトンネルが出来るんだ。もちろん他の奴らじゃ傷も付けられないけどな」
な、なるほど……?
それにしても、このトンネル結構距離あるな……?真っ暗で先は見えないけど、音は反響してるし冷気を感じる。とりあえず行くしかないか。
アキトが先頭に立ちトンネルを進んだ。
アキト、俺、ヴィンス、グルーの順で一列になりトンネルに入ると、突然背後からガラガラと音が聞こえた。日の光も来ない程真っ暗に……って、塞がってんじゃねぇかよ!?
今度は入ってきた方とは反対から光が発せられた。光源は…アキトの襟足のように伸びた炎だ。フワフワして俺に触れているけど、暖かいだけで燃えはしない。
「アキト、これは?」
「ただの燃えてる襟足だが?」
「それは見れば分かる。そうじゃなくて突然塞がっただろ」
「そりゃあ俺が開けたんだから俺が閉められる」
遠隔ロック……の、リモコン無しか。思ってた以上に何でもアリかも知れない。いちいち驚かないように覚悟しておくべきか。
アキトの襟足の明かりを頼りにしばらくトンネルを直進した。何時間も歩いてるはずなのにあまり疲れないのは人間離れしてきているからだろうか。
途中から寒さに耐えきれなくなった俺は温かいアキトの髪で暖を取りながら進んだ。
「さて、もう少しで到着だ。………ほら、出口が見えてきた」
向こうに小さく見え始めた眩しい光。その方に向かって行くと、トンネルの出口までようやく到着した。
目が潰れそうな眩い光に少しずつ目を慣らしてトンネルを出ると、そこは目的地、歴史の国を囲む崖の高い場所だった。そこから見える光景は全てが新鮮で、どこか懐かしく感じる。
いくつもの空に浮かぶ島。一つの大地に集まる砂漠や火山、雪原やジャングル。ちょうど夕方になり太陽と月が同時に見える茜空。
あぁ…俺はここを知っている。俺は確かにここにいた。
気付けば俺は涙を流していた。感動とも違う、自分でも分からない涙を。ここで何があったのか覚えていないから当たり前だろうけど、それでも心がぐちゃぐちゃと掻き乱されるようだ。
「着いたぞ。我らが故郷、世界を記録する大地。龍神が支配する歴史の国だ」
そこは、他の国とは全く違う異質……特別な地だった。
顔を洗って着替え、ダイニングに移動してからの朝食となった。今までは部屋に食事を持ってきてもらっていたから新鮮だ。
ダイニングテーブルに俺、アキト、グルー、ヴィンスが着き、今後の予定を練りながら朝食を食べた。
「さて、これからの事だが……」
「待ってくださいアキト、何故あなたが話を進めているんです?」
「ヨルとちゃんと話し合ったことだ」
「なら進めてください」
グルー、いくら何でも俺のことだと信用しすぎじゃねぇか?俺がこの場にいるから疑ってないだけかも知れないが、俺の名前を出されたら何でも信じそうな勢いだ。
「で、これからの事だが古龍の国…って呼ばれてる『歴史の国』に行って、ヨルの能力の覚醒と他種族の協力要請をすることになる。異論は認めない」
「ふーん、異論を唱えたらどうなるんだ?」
「置いてくだけだ。なんだヴィンセント、行きたくないのか?」
「いや…あの国への入り方は誰も知らないだろ?オレらが立ち入ってもいいものか……」
た、確かに?でも俺は昔その…歴史の国にいたみたいなことは聞いたし、アキトも行き方を知ってるらしいし、完全に禁足地ってわけでは無いんだろう。
っていうか、ヴィンスもそんなことを考えるんだな。
「安心しろ、あの国は言わば『許可制』だ。たとえ目の前で入り方を見てたってお前らには無理だ。あの国の鍵は四季龍と俺とヨルだけだからな」
えっ、俺も!?
「魔法で閉じられてるからな。そもそもその魔法が見えるのが決められた奴だけだからな」
その中に俺も含まれてるってことか。はぁ、何が何だかさっぱりだ。俺に記憶があればもっと色々手伝えたかもしれないが…記憶を戻す方法、探さないとな。
どこに向かうにしても準備が必要だが…グルーもヴィンスも昨日のうちに準備を終わらせていたらしい。つまり、今日中に出発できるということだ。『善は急げ』ってことで、朝食後に出発することになった。
ーーって、
「あ、アキト!?」
「何だよ、この程度で驚くことないだろ」
この程度…!?
各自準備が出来次第、最上階のベランダに集合って言われたけど……まさかアキトがデカい鳥の姿になってるとか想定外!それもなんかメラメラ燃えてるし!……って、近くの木製家具が燃えてないってことは炎に見えるだけってことか。流石に本物の炎だったら大火事だもんな。
「ヨルだってこれくらいのカラスになれるだろーって、今は無理か。まぁいい、とりあえず飛んでくから全員背中に乗れ」
俺もデカい鳥になれるのかよ!しかもカラス!?
とか俺は戸惑ってる間に、ヴィンスに軽々と担がれてアキト(鳥)の背中に乗った。わっ、あったかいな。まだ月初めで体温が低い時だから温いのは嬉しいな。
「よし、しっかり捕まってろよ!それじゃあ…しゅっぱーつッ!」
なんかヤケに上機嫌だな。こんな時は大抵ロクなことが起きな
ビュンっ!
ふぁっ!?
いやおい速すぎだろ!?グルーが押さえてくれなかったら吹き飛んでたんじゃ……。
「危ないですよ、ヤト」
「わ、悪い、ありがとう」
そうだ、上機嫌の時のコイツは周りが見えなくなって加減が分からなくなるんだった!ガキかよマジでええぇぇぇ………!!
●●●
つ、着いた………。乗ってるだけで疲れた……。どんなアトラクションだよこれ………。
「なっさけ無いなぁ、ちょっとトばして飛んだだけなのに」
「ちょっと…?どこが…………?」
人型に戻ってケラケラ笑うアキトは、歴史の国を囲む壁を思いっきり蹴った。
爆発音のような音と共に崩れる壁。ガラガラと崩れるとそこには狭いトンネルが現れた。蹴っただけで崩れるのか……?
「俺ら『鍵』は入り口を『作る』ことが出来る。どこであろうと強く攻撃すればトンネルが出来るんだ。もちろん他の奴らじゃ傷も付けられないけどな」
な、なるほど……?
それにしても、このトンネル結構距離あるな……?真っ暗で先は見えないけど、音は反響してるし冷気を感じる。とりあえず行くしかないか。
アキトが先頭に立ちトンネルを進んだ。
アキト、俺、ヴィンス、グルーの順で一列になりトンネルに入ると、突然背後からガラガラと音が聞こえた。日の光も来ない程真っ暗に……って、塞がってんじゃねぇかよ!?
今度は入ってきた方とは反対から光が発せられた。光源は…アキトの襟足のように伸びた炎だ。フワフワして俺に触れているけど、暖かいだけで燃えはしない。
「アキト、これは?」
「ただの燃えてる襟足だが?」
「それは見れば分かる。そうじゃなくて突然塞がっただろ」
「そりゃあ俺が開けたんだから俺が閉められる」
遠隔ロック……の、リモコン無しか。思ってた以上に何でもアリかも知れない。いちいち驚かないように覚悟しておくべきか。
アキトの襟足の明かりを頼りにしばらくトンネルを直進した。何時間も歩いてるはずなのにあまり疲れないのは人間離れしてきているからだろうか。
途中から寒さに耐えきれなくなった俺は温かいアキトの髪で暖を取りながら進んだ。
「さて、もう少しで到着だ。………ほら、出口が見えてきた」
向こうに小さく見え始めた眩しい光。その方に向かって行くと、トンネルの出口までようやく到着した。
目が潰れそうな眩い光に少しずつ目を慣らしてトンネルを出ると、そこは目的地、歴史の国を囲む崖の高い場所だった。そこから見える光景は全てが新鮮で、どこか懐かしく感じる。
いくつもの空に浮かぶ島。一つの大地に集まる砂漠や火山、雪原やジャングル。ちょうど夕方になり太陽と月が同時に見える茜空。
あぁ…俺はここを知っている。俺は確かにここにいた。
気付けば俺は涙を流していた。感動とも違う、自分でも分からない涙を。ここで何があったのか覚えていないから当たり前だろうけど、それでも心がぐちゃぐちゃと掻き乱されるようだ。
「着いたぞ。我らが故郷、世界を記録する大地。龍神が支配する歴史の国だ」
そこは、他の国とは全く違う異質……特別な地だった。
15
あなたにおすすめの小説
転生したが陰から推し同士の絡みを「バレず」に見たい
むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。
ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。
しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。
今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった!
目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!?
俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!?
「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの二人は、スキルを得た事で魔王討伐に旅立つ勇者と彼の帰還を待つだけのただの親友となる。
勇者と親友の無自覚両片想いのじれったい恋愛の物語。
BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる