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復讐の旅、開始!
55.急に幸せな時間
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行為の後、後始末を簡単に終わらせて三人で風呂に入った。洞窟内に男三人でも広々使える風呂があるのは未だに感心する。
「そういえば、ずっと気になってたがお前の髪……」
「ん?長いの似合わないか?」
「別に似合うが……って、やっぱなんでもねぇ」
一瞬素直になると我に返ってすぐ真っ赤になるヴィンス。これで俺より十も歳上か……何かに目覚めそう。
「長髪も似合いますが見慣れはしませんね。長くなったのは襟足だけなので正面から見ればいつもと変わり無いのですが」
「ま、それはそうだよな」
話しながら俺の髪を掬うグルー。そういえば風呂に髪の毛入るのってよくないんだっけか?ずっと短いから自分には関係無いと思ってたが、まさか髪の毛を気にする時が来るとは。
「……ヤト、なぜ噛み跡をけさないのです?」
あぁ、そういえば二人に噛まれてたな。グルーに噛まれて体が痺れ、ヴィンスに噛まれ絶頂を禁止された。今思うと二人もなかなかのことをしてる気がするんだが。
この噛み跡………
「消さないとダメか?」
「……い、いえ、既に害の無いただの傷跡ですが………」
「グルージア冷静になれ、ただの傷跡なら残っていいワケじゃねぇだろうが」
おお、珍しくヴィンスの方が冷静で的確だ。まぁ当たり前だけどグルーは悪魔だもんな、欲望に忠実っていうか分かりやすい。
……本当はもっと俺のことぐちゃぐちゃにしたいクセに、透けて見えてるんだよなぁ。行為に身体が慣れて負担が少なくなったら、グルーの要望に応えないとな。……恋人だし。
「~~ッ!」
「おいヤト?」
「どうしました?」
二人と恋人になったことを再認識して恥ずかしくなった俺は、思わず両手で顔を覆い隠した。いやだっっって恋人だぞ!?
昔、まだ俺の心も幼かった時は背伸びして恋人を作ったもんだからいい思い出が無い。ある種トラウマですらある。
な!の!に!俺が恋人が出来て浮かれてる!?
「ふ、二人とも、俺の…こ………こいびと…………なんだよな……?」
「ええ、そうです」
「今更取り消しは聞かないからな?」
あーもー……、絶対に断る!とか、本当に恋としての好きか分からない!なんて考えてたのが理解出来ないくらい愛されて情緒がぐっちゃぐちゃだ……。俺はウブなガキか………。
とか一人で悶々としてると、グルーが俺の頬を押さえてキスをしてきた。あ、それはダメ。咄嗟にグルーの頬を向こうへ押し返した。
「グルー、風呂くらいゆっくりさせろ」
「そんな……口付けも許されませんか?」
「ダメに決まってるだろ、俺はそれで終われる自信無いからな……ンっ!?おいヴィンス!」
今度はヴィンスが俺にキスをした。まったく、この二人は………!
「なぁんだ、ヤトも満足してねぇなら我慢の必要も無かったんだな」
「え……?」
「そうですね、まだ口付けだけでその気になれるのなら………クスっ」
「ヒェッ………」
そういう事で俺の意思は無視され風呂でもう1ラウンド。怒った俺は二人に風呂とトイレの掃除を押し付けた。体力が残ってるならヤっていい訳じゃ無いからな!?この悪魔と獣!
そんな感じで幸せなイライラとかいう意味の分からない気持ちで出来上がった昼食。
鶏肉が冷凍してあったから焼いて米に乗っけて、乾燥ワカメと高野豆腐で吸物を作った。味噌があれば味噌汁にしたんだけど、無かったから冷凍されてた魚からアラを切り取り出汁を取った。
焼き鳥丼と吸物、それからその辺で漬けてあった白菜をグルーとヴィンスの部屋に運んだ。
「お、それなんだ?」
「とてもいい匂いがしますね」
二人は俺が作った食事に興味津々だ。使い慣れない道具と何があるのか分からない材料で即席で作ったにしては我ながら上出来だからな。
焼き鳥はムネ肉、もも肉、ささみで味付けを変えてみた。ムネ肉はネギ塩レモン、もも肉は照り焼き、ささみは大葉で味をつけた。生卵を落としても美味しそうだったけど、流石に生卵は無かった。
三人で机を囲み、少し遅い昼を食べた。二人とも満足してくれたようで、グルーは特にささみ(大葉)を、ヴィンスはもも肉(照り焼き)がお気に召したようだ。うん、解釈一致ってやつだな。
洗い物を終えて薪を割っていると、グルーとヴィンスが自主的に手伝いに来てくれた。グルーにお使いを、ヴィンスに洗濯物を頼むと二人は渋々手伝った。え?手伝いに来たんだよな?
「……お前の近くにいる口実のつもりだったんだがな」
「まぁでもヤトらしいかもしれませんね」
あっ……そういう意図で言ってたのか。まぁまぁごめんって。ここ結構広いし忙しくなりそうだからさ。
「……今日、二人と同じ部屋で寝るつもりだから」
「おや、」
「それって……」
「ただの添い寝だからな!」
この二人は……!本っ当に加減してくれ!俺が持たない!
そして1日が終わり、告げていた通り二人の部屋で横になった。
布団二組を繋げてシーツを被せ、俺は二人の真ん中に挟まれている。けど二人があまりにもベッタリで正直眠れるか心配だ。正直狭いし動けないからな。変な意味は無いぞ!
……って、誰に弁明してるんだ俺は。
「それじゃあ、二人ともおやすみ」
「おう」
「おやすみなさい、良い夢を」
なんだか浮かれた一日はあっという間に終わった。朝は心配事ばっかだったのに変な感じだ。凄く、幸せな気がする。
そんなことを噛み締めて、俺は一晩中眠れずに二人の寝顔を見ていた。
「そういえば、ずっと気になってたがお前の髪……」
「ん?長いの似合わないか?」
「別に似合うが……って、やっぱなんでもねぇ」
一瞬素直になると我に返ってすぐ真っ赤になるヴィンス。これで俺より十も歳上か……何かに目覚めそう。
「長髪も似合いますが見慣れはしませんね。長くなったのは襟足だけなので正面から見ればいつもと変わり無いのですが」
「ま、それはそうだよな」
話しながら俺の髪を掬うグルー。そういえば風呂に髪の毛入るのってよくないんだっけか?ずっと短いから自分には関係無いと思ってたが、まさか髪の毛を気にする時が来るとは。
「……ヤト、なぜ噛み跡をけさないのです?」
あぁ、そういえば二人に噛まれてたな。グルーに噛まれて体が痺れ、ヴィンスに噛まれ絶頂を禁止された。今思うと二人もなかなかのことをしてる気がするんだが。
この噛み跡………
「消さないとダメか?」
「……い、いえ、既に害の無いただの傷跡ですが………」
「グルージア冷静になれ、ただの傷跡なら残っていいワケじゃねぇだろうが」
おお、珍しくヴィンスの方が冷静で的確だ。まぁ当たり前だけどグルーは悪魔だもんな、欲望に忠実っていうか分かりやすい。
……本当はもっと俺のことぐちゃぐちゃにしたいクセに、透けて見えてるんだよなぁ。行為に身体が慣れて負担が少なくなったら、グルーの要望に応えないとな。……恋人だし。
「~~ッ!」
「おいヤト?」
「どうしました?」
二人と恋人になったことを再認識して恥ずかしくなった俺は、思わず両手で顔を覆い隠した。いやだっっって恋人だぞ!?
昔、まだ俺の心も幼かった時は背伸びして恋人を作ったもんだからいい思い出が無い。ある種トラウマですらある。
な!の!に!俺が恋人が出来て浮かれてる!?
「ふ、二人とも、俺の…こ………こいびと…………なんだよな……?」
「ええ、そうです」
「今更取り消しは聞かないからな?」
あーもー……、絶対に断る!とか、本当に恋としての好きか分からない!なんて考えてたのが理解出来ないくらい愛されて情緒がぐっちゃぐちゃだ……。俺はウブなガキか………。
とか一人で悶々としてると、グルーが俺の頬を押さえてキスをしてきた。あ、それはダメ。咄嗟にグルーの頬を向こうへ押し返した。
「グルー、風呂くらいゆっくりさせろ」
「そんな……口付けも許されませんか?」
「ダメに決まってるだろ、俺はそれで終われる自信無いからな……ンっ!?おいヴィンス!」
今度はヴィンスが俺にキスをした。まったく、この二人は………!
「なぁんだ、ヤトも満足してねぇなら我慢の必要も無かったんだな」
「え……?」
「そうですね、まだ口付けだけでその気になれるのなら………クスっ」
「ヒェッ………」
そういう事で俺の意思は無視され風呂でもう1ラウンド。怒った俺は二人に風呂とトイレの掃除を押し付けた。体力が残ってるならヤっていい訳じゃ無いからな!?この悪魔と獣!
そんな感じで幸せなイライラとかいう意味の分からない気持ちで出来上がった昼食。
鶏肉が冷凍してあったから焼いて米に乗っけて、乾燥ワカメと高野豆腐で吸物を作った。味噌があれば味噌汁にしたんだけど、無かったから冷凍されてた魚からアラを切り取り出汁を取った。
焼き鳥丼と吸物、それからその辺で漬けてあった白菜をグルーとヴィンスの部屋に運んだ。
「お、それなんだ?」
「とてもいい匂いがしますね」
二人は俺が作った食事に興味津々だ。使い慣れない道具と何があるのか分からない材料で即席で作ったにしては我ながら上出来だからな。
焼き鳥はムネ肉、もも肉、ささみで味付けを変えてみた。ムネ肉はネギ塩レモン、もも肉は照り焼き、ささみは大葉で味をつけた。生卵を落としても美味しそうだったけど、流石に生卵は無かった。
三人で机を囲み、少し遅い昼を食べた。二人とも満足してくれたようで、グルーは特にささみ(大葉)を、ヴィンスはもも肉(照り焼き)がお気に召したようだ。うん、解釈一致ってやつだな。
洗い物を終えて薪を割っていると、グルーとヴィンスが自主的に手伝いに来てくれた。グルーにお使いを、ヴィンスに洗濯物を頼むと二人は渋々手伝った。え?手伝いに来たんだよな?
「……お前の近くにいる口実のつもりだったんだがな」
「まぁでもヤトらしいかもしれませんね」
あっ……そういう意図で言ってたのか。まぁまぁごめんって。ここ結構広いし忙しくなりそうだからさ。
「……今日、二人と同じ部屋で寝るつもりだから」
「おや、」
「それって……」
「ただの添い寝だからな!」
この二人は……!本っ当に加減してくれ!俺が持たない!
そして1日が終わり、告げていた通り二人の部屋で横になった。
布団二組を繋げてシーツを被せ、俺は二人の真ん中に挟まれている。けど二人があまりにもベッタリで正直眠れるか心配だ。正直狭いし動けないからな。変な意味は無いぞ!
……って、誰に弁明してるんだ俺は。
「それじゃあ、二人ともおやすみ」
「おう」
「おやすみなさい、良い夢を」
なんだか浮かれた一日はあっという間に終わった。朝は心配事ばっかだったのに変な感じだ。凄く、幸せな気がする。
そんなことを噛み締めて、俺は一晩中眠れずに二人の寝顔を見ていた。
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