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復讐の旅、開始!
57.お、おかえり…なさい……
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アカツキ、ヒイラギの帰りの出迎えは、あまりにも物騒で穏やかでは無いものになってしまったようだ。
何があったんだ?どうしてヒイラギはモミジ(と思われる龍神)を殴ったんだ?それもものすごい剣幕で……。
眼光だけで人を殺しそうな勢いのヒイラギは、俺達に気がつくなり心を沈めるためか深い深呼吸をした。それでも怒りは完全に消えることもなく、いつにも増して鋭い目つきでこちらを向いた。
「……戻ったぞ」
「あぁ、おかえりなさい……」
必死で理性を保っているのだと嫌でも分かる。ヒイラギはそれほどまでに怒っているんだ。
「ヨル!まさか入れ違いになるとはな。予定より遅くなったが戻ったぞ」
「おかえりアカツキ。ところで彼は…」
「アイツがモミジ。外では大人しかったヒイラギも帰ってくるなりブチギレてな…」
ヒイラギが怒ってる理由ってやっぱり、俺の神器のことか?なんか気にしてるような素振りも結構あったし…
アカツキが言ってたけど、神器が揃っていれば記憶の一部だけでも守られていたはずなんだよな?記憶を失くす前の俺…ヨイとヒイラギはそれなりに関係は良好そうだったし、それを理由に怒っていてもおかしくはない。
アカツキがこっそり事の経緯を教えてくれたが、俺の想像通りの理由で怒っているらしい。
なんでだろう、俺が責められてる気がする。俺が何も覚えてないのが悪いって言われてる気がする。そんな事ないって分かってるのに俺が悪いような気がして落ち着かない。
捻くれてる考えかもしれないけど、こんなものを目の前で見てしまえばそう思わざるを得ない。
俺が、みんなの知ってる『宵』じゃないからってさ。
俺達が帰ってきたことで、ヒイラギとモミジはそれぞれ大人しく自室に戻った。
やっとアカツキが帰ってきたからと、今日はグルーとヴィンスとは別室で休むことにした。
夕飯の後、アカツキと一緒に風呂に入り、同じ部屋で休む支度をした。お互いに何があったか話してるだけでも時間はあっという間に過ぎ去っていく。
「へぇ、じゃあ結局二人と付き合ったんだ?」
「なんかそういうことになった。今でもそれってアリ?とか思うけど、逃げ道も無ければ俺自身逃げる気も無いし、なんだかんだ幸せだからまぁいっかって」
他愛無い時間を過ごしていたと伝えると、アカツキは自分のことのように嬉しそうにしていた。アカツキは俺になんて事ない平和な日々を過ごして欲しいと願っているのだろう。
アカツキとヒイラギはずっとモミジの気配を辿ってあちこち飛び回っていたそうだ。無理矢理捕まえて引きずり帰ったらしい。龍神って猛スピードで動けるらしく、アカツキ達はほとんど休み無く追いかけていたらしい。
見るからに疲れた顔をしてるから早く休ませたいけど、まだ俺と話したいと言って聞かない。こうなったらつまらない話でもして飽きさせるか?
…なんて思ったけど、コイツのことだからどんなにつまらない話でもしっかり聞きそうだ。
それにしてもモミジ…逃げてた割には怯えたような顔してたな。俺の顔を見るなり驚いていた。罪の意識があるのか、あるいは彼に嫌われているのか。
俺はまだモミジと会話をした記憶は無い。アカツキはモミジが神器を返し忘れてた、みたいに言ってたけど、もしそれが故意にしたことなら…なんて可能性も捨てきれない。
そもそもなんで神器を借りていたんだ?俺にとっては大切な力の一部でも、それを龍神が使うことが出来るのか?そもそも国一つ守る力がある龍神に俺の力は必要あったのか?
考えたところでキリが無い。直接聞くのが一番手っ取り早いか。
「あー、ヨル。何考えてるかなんと無く察したから言っておく。モミジと二人きりになるなよ?」
「え?」
別に二人きりになるつもりは無かったけど、でもアカツキが注意喚起するって中々じゃないか?なんか危ないヤツだったりするのか?
「龍神は変人揃いだが、アイツはその中でも人間寄りのヤバいヤツっていうか…まぁ、とにかく絶対に一人でアイツに会いに行くな」
や、ヤバいヤツ?それも人間寄りの?それってどういう…………?
「おい、興味持つんじゃないよ」
「……さっきからなんで考えてること分かるんだ?」
「顔に書いてあるっての」
そんなに分かりやすかったか?むぅ…思ってた以上に考えてることを隠すのって難しいらしい。
二人で同じ布団に入って、眠れないまま談笑をして夜を過ごした。
シングルの布団に二人も入るのは中々厳しく、グルーとヴィンスと三人で寝てた時以上にピッタリ引っ付いて…というか対面で抱き合っていた。
顔は近いわ声も近いわで側から見れば滑稽な姿だったろう。それでも俺達は妙に落ち着いて、夜明けと共にグッスリと眠ってしまった。まさかの昼夜逆転だ。
起こしに来たグルーとヴィンスがやけにビックリして混乱してたらしいけど、眠ってた俺は後から知ることになる。
何があったんだ?どうしてヒイラギはモミジ(と思われる龍神)を殴ったんだ?それもものすごい剣幕で……。
眼光だけで人を殺しそうな勢いのヒイラギは、俺達に気がつくなり心を沈めるためか深い深呼吸をした。それでも怒りは完全に消えることもなく、いつにも増して鋭い目つきでこちらを向いた。
「……戻ったぞ」
「あぁ、おかえりなさい……」
必死で理性を保っているのだと嫌でも分かる。ヒイラギはそれほどまでに怒っているんだ。
「ヨル!まさか入れ違いになるとはな。予定より遅くなったが戻ったぞ」
「おかえりアカツキ。ところで彼は…」
「アイツがモミジ。外では大人しかったヒイラギも帰ってくるなりブチギレてな…」
ヒイラギが怒ってる理由ってやっぱり、俺の神器のことか?なんか気にしてるような素振りも結構あったし…
アカツキが言ってたけど、神器が揃っていれば記憶の一部だけでも守られていたはずなんだよな?記憶を失くす前の俺…ヨイとヒイラギはそれなりに関係は良好そうだったし、それを理由に怒っていてもおかしくはない。
アカツキがこっそり事の経緯を教えてくれたが、俺の想像通りの理由で怒っているらしい。
なんでだろう、俺が責められてる気がする。俺が何も覚えてないのが悪いって言われてる気がする。そんな事ないって分かってるのに俺が悪いような気がして落ち着かない。
捻くれてる考えかもしれないけど、こんなものを目の前で見てしまえばそう思わざるを得ない。
俺が、みんなの知ってる『宵』じゃないからってさ。
俺達が帰ってきたことで、ヒイラギとモミジはそれぞれ大人しく自室に戻った。
やっとアカツキが帰ってきたからと、今日はグルーとヴィンスとは別室で休むことにした。
夕飯の後、アカツキと一緒に風呂に入り、同じ部屋で休む支度をした。お互いに何があったか話してるだけでも時間はあっという間に過ぎ去っていく。
「へぇ、じゃあ結局二人と付き合ったんだ?」
「なんかそういうことになった。今でもそれってアリ?とか思うけど、逃げ道も無ければ俺自身逃げる気も無いし、なんだかんだ幸せだからまぁいっかって」
他愛無い時間を過ごしていたと伝えると、アカツキは自分のことのように嬉しそうにしていた。アカツキは俺になんて事ない平和な日々を過ごして欲しいと願っているのだろう。
アカツキとヒイラギはずっとモミジの気配を辿ってあちこち飛び回っていたそうだ。無理矢理捕まえて引きずり帰ったらしい。龍神って猛スピードで動けるらしく、アカツキ達はほとんど休み無く追いかけていたらしい。
見るからに疲れた顔をしてるから早く休ませたいけど、まだ俺と話したいと言って聞かない。こうなったらつまらない話でもして飽きさせるか?
…なんて思ったけど、コイツのことだからどんなにつまらない話でもしっかり聞きそうだ。
それにしてもモミジ…逃げてた割には怯えたような顔してたな。俺の顔を見るなり驚いていた。罪の意識があるのか、あるいは彼に嫌われているのか。
俺はまだモミジと会話をした記憶は無い。アカツキはモミジが神器を返し忘れてた、みたいに言ってたけど、もしそれが故意にしたことなら…なんて可能性も捨てきれない。
そもそもなんで神器を借りていたんだ?俺にとっては大切な力の一部でも、それを龍神が使うことが出来るのか?そもそも国一つ守る力がある龍神に俺の力は必要あったのか?
考えたところでキリが無い。直接聞くのが一番手っ取り早いか。
「あー、ヨル。何考えてるかなんと無く察したから言っておく。モミジと二人きりになるなよ?」
「え?」
別に二人きりになるつもりは無かったけど、でもアカツキが注意喚起するって中々じゃないか?なんか危ないヤツだったりするのか?
「龍神は変人揃いだが、アイツはその中でも人間寄りのヤバいヤツっていうか…まぁ、とにかく絶対に一人でアイツに会いに行くな」
や、ヤバいヤツ?それも人間寄りの?それってどういう…………?
「おい、興味持つんじゃないよ」
「……さっきからなんで考えてること分かるんだ?」
「顔に書いてあるっての」
そんなに分かりやすかったか?むぅ…思ってた以上に考えてることを隠すのって難しいらしい。
二人で同じ布団に入って、眠れないまま談笑をして夜を過ごした。
シングルの布団に二人も入るのは中々厳しく、グルーとヴィンスと三人で寝てた時以上にピッタリ引っ付いて…というか対面で抱き合っていた。
顔は近いわ声も近いわで側から見れば滑稽な姿だったろう。それでも俺達は妙に落ち着いて、夜明けと共にグッスリと眠ってしまった。まさかの昼夜逆転だ。
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