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いよいよ本格的な復讐へ
66.翼の代償はしばらくの日常生活
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慣れない翼を使ったせいか、部屋に戻ってすぐに熟睡した。そして目が覚めたら既に昼過ぎだ。
……流石に寝過ぎたな。
やけに重たい体を起こして時計を見ると、針は二時過ぎを指していた。はぁ……背中は痛いし眩暈もするけど流石に起きないとな………。
あー、でもなんか、結構やばいくらい背中痛いかも。筋肉痛か?
ぬるっ
………ん???
え、なんか、背中触ったら『ぬるっ』て、何が…………赤っ。血?シーツも真っ赤だ。
…………
「はぁああぁあぁぁあァッッ!!??」
なんか翼の付け根から血がダラダラ垂れ流してるんだけど!?今も!止まらないし治らない!!っていうかこの出血量は絶対に治癒→出血を繰り返してる量だよな!?この量なら普通は失血死してるだろうし!俺、不死身だけども!!
あっ…頭がクラッて………
血だらけの現状と不調に戸惑っていると、部屋の外からバタバタと慌ただしい足音が聞こえてきた。
「おいッ!どうした!?今の叫び声はなんだ!?」
ノックも無しに勢いよくバァン!と扉を開けて駆けつけたヴィンスとグルー。ヴィンスは青ざめて大慌て、グルー鬼の形相で謎のやる気を感じる。こんな表情だけで考えてることが丸分かりってのもなかなか無いよな。
そして、真っ赤なベッドと血だらけの俺を見て二人は絶句。いくら浴衣が黒いって言っても流石に血で汚れてるのは分かるよな。
隠したって二人にはバレるだろうからそれはいい。いや、良くはない。が、一番の問題はこの量の血を俺が流したと言うことだ。絶対に過保護&説教or心配が始まる。
「…ンだよ、コレ…!」
「ヤト、この血は一体……どこかお怪我を?」
俺の近くまで来るなり浴衣を剥ぎ取ったグルーは、すぐに出血してる場所を見つけた。浴衣を脱ぐと余計に分かるな、まだ背中に血が流れてる。
「おい、コレは治んねーのか!?」
「私が治療します。ヴィンスは代えのシーツと清潔な布、清潔な水をたくさん用意してください。それから縫合の針と糸を………」
「ま、待った、縫合は待ってくれ。ヴィンスはグルーが言った通りに、グルーはアカツキを呼んで来てくれないか?」
とりあえず困った時のアカツキだ。翼を出して付いた傷ならアイツが一番詳しいだろう。
それに、縫合していいのかも分からない。縫ったら翼が出せなくなるとかあり得なくも無いし。
グルーがアカツキを呼びに部屋を出てヴィンスが部屋でタオルを掻き集めている間に、俺はもう一度、無理矢理翼を出す事にした。
自分で直接傷に触れてみたけど、位置も形も間違いなく翼の付け根と一致する。なら、翼を出してる間は血も止まるんじゃ無いか?翼を出している時の形に体が慣れれば、なんとか………
「ふっ……ぅ、あ゛………ッ!」
いっ……てぇ!!昨日こんなに痛かったか!?
枕にしがみついて蹲り、爪を立ててなんとか耐えながら翼を出そうとしたが、何かつっかえてるみたいで上手く出せないどころか酷く痛い。このまま背中を裂くんじゃないかって怖くなる。だって相当デカい翼だぞ?
「ヤト!?」
「離れてろ!」
ちゃんと説明もせずに怒鳴りつけてヴィンスも驚いたよな。でも、あと少しってところで中断したらこの痛みに耐えた意味がなくなる。
あと少し、あと…少し………!
「がッ…あ、アァ………ッ!」
い、痛かったー!でも、やっと楽になった。痛過ぎて涙で顔がぐちゃぐちゃだけど、それ以上に背中もぐちゃぐちゃなんだろうな。
痛みはちょっと背中が熱いくらいまで引いた。けど、翼を出した時に辺りに血をぶちまけたみたいだ。部屋が真っ赤だし、翼もよく見ると血で濡れてドロドロだ。
あー、血が足りない。
「お、おい……大丈夫…なのか、ソレ?」
「ゔぅ…疲れた…………」
どうすればいいか分からないという顔で慌てふためいているヴィンス。
両手にタオルをありったけ持っているが、何枚か落としている。しかも落ちた床は血だらけ。何枚かタオル駄目になるかもな。
「ヨルー、無事かぁーー」
やっと部屋に来たアカツキは特に慌てる様子もなく、事情を完全把握してるのか苦笑している。
「あーあ、派手にやったなぁ」
「アカツキ……これ、どういう状況なんだ?」
「翼を出す穴が空いたってだけだ。そのまま翼を出しっぱなしにしてれば皮膚が変形して、翼を出す度に皮膚に穴が開かなくなるんだ。俺にもあるぜ、翼を出すスリット」
翼を出すスリット…?俺にはそれが無いから翼を出した時にぱっくり切れたってことか。つか待って、翼出しっぱなしにしないとダメなのか……?
そこからはアカツキが指揮を取り、グルーは部屋の片付け、ヴィンスは洗濯、そして俺は風呂に入れられた。
「窮屈だろうが、付け根が安定するまではここに入ってること。いいな?」
「いいな?じゃないよ。え、ずっと風呂生活?」
「まぁ…がんばれ」
嘘だろ…ただでさえ翼が大きくて窮屈なのに、寝るのもここなのか。血生臭い真っ赤なお湯の中で……?
背中は血だらけになるし、昨夜飛んだ時も筋力とか体幹が足りないってすぐ分かった。服に穴が空かないのは仕組みが分からないけど、それ以外はかなり問題が多そうだ。
翼が生えて飛べるようになってラッキー!とか思ってたけど、思ってた以上に楽観視出来ない状況だった………
……流石に寝過ぎたな。
やけに重たい体を起こして時計を見ると、針は二時過ぎを指していた。はぁ……背中は痛いし眩暈もするけど流石に起きないとな………。
あー、でもなんか、結構やばいくらい背中痛いかも。筋肉痛か?
ぬるっ
………ん???
え、なんか、背中触ったら『ぬるっ』て、何が…………赤っ。血?シーツも真っ赤だ。
…………
「はぁああぁあぁぁあァッッ!!??」
なんか翼の付け根から血がダラダラ垂れ流してるんだけど!?今も!止まらないし治らない!!っていうかこの出血量は絶対に治癒→出血を繰り返してる量だよな!?この量なら普通は失血死してるだろうし!俺、不死身だけども!!
あっ…頭がクラッて………
血だらけの現状と不調に戸惑っていると、部屋の外からバタバタと慌ただしい足音が聞こえてきた。
「おいッ!どうした!?今の叫び声はなんだ!?」
ノックも無しに勢いよくバァン!と扉を開けて駆けつけたヴィンスとグルー。ヴィンスは青ざめて大慌て、グルー鬼の形相で謎のやる気を感じる。こんな表情だけで考えてることが丸分かりってのもなかなか無いよな。
そして、真っ赤なベッドと血だらけの俺を見て二人は絶句。いくら浴衣が黒いって言っても流石に血で汚れてるのは分かるよな。
隠したって二人にはバレるだろうからそれはいい。いや、良くはない。が、一番の問題はこの量の血を俺が流したと言うことだ。絶対に過保護&説教or心配が始まる。
「…ンだよ、コレ…!」
「ヤト、この血は一体……どこかお怪我を?」
俺の近くまで来るなり浴衣を剥ぎ取ったグルーは、すぐに出血してる場所を見つけた。浴衣を脱ぐと余計に分かるな、まだ背中に血が流れてる。
「おい、コレは治んねーのか!?」
「私が治療します。ヴィンスは代えのシーツと清潔な布、清潔な水をたくさん用意してください。それから縫合の針と糸を………」
「ま、待った、縫合は待ってくれ。ヴィンスはグルーが言った通りに、グルーはアカツキを呼んで来てくれないか?」
とりあえず困った時のアカツキだ。翼を出して付いた傷ならアイツが一番詳しいだろう。
それに、縫合していいのかも分からない。縫ったら翼が出せなくなるとかあり得なくも無いし。
グルーがアカツキを呼びに部屋を出てヴィンスが部屋でタオルを掻き集めている間に、俺はもう一度、無理矢理翼を出す事にした。
自分で直接傷に触れてみたけど、位置も形も間違いなく翼の付け根と一致する。なら、翼を出してる間は血も止まるんじゃ無いか?翼を出している時の形に体が慣れれば、なんとか………
「ふっ……ぅ、あ゛………ッ!」
いっ……てぇ!!昨日こんなに痛かったか!?
枕にしがみついて蹲り、爪を立ててなんとか耐えながら翼を出そうとしたが、何かつっかえてるみたいで上手く出せないどころか酷く痛い。このまま背中を裂くんじゃないかって怖くなる。だって相当デカい翼だぞ?
「ヤト!?」
「離れてろ!」
ちゃんと説明もせずに怒鳴りつけてヴィンスも驚いたよな。でも、あと少しってところで中断したらこの痛みに耐えた意味がなくなる。
あと少し、あと…少し………!
「がッ…あ、アァ………ッ!」
い、痛かったー!でも、やっと楽になった。痛過ぎて涙で顔がぐちゃぐちゃだけど、それ以上に背中もぐちゃぐちゃなんだろうな。
痛みはちょっと背中が熱いくらいまで引いた。けど、翼を出した時に辺りに血をぶちまけたみたいだ。部屋が真っ赤だし、翼もよく見ると血で濡れてドロドロだ。
あー、血が足りない。
「お、おい……大丈夫…なのか、ソレ?」
「ゔぅ…疲れた…………」
どうすればいいか分からないという顔で慌てふためいているヴィンス。
両手にタオルをありったけ持っているが、何枚か落としている。しかも落ちた床は血だらけ。何枚かタオル駄目になるかもな。
「ヨルー、無事かぁーー」
やっと部屋に来たアカツキは特に慌てる様子もなく、事情を完全把握してるのか苦笑している。
「あーあ、派手にやったなぁ」
「アカツキ……これ、どういう状況なんだ?」
「翼を出す穴が空いたってだけだ。そのまま翼を出しっぱなしにしてれば皮膚が変形して、翼を出す度に皮膚に穴が開かなくなるんだ。俺にもあるぜ、翼を出すスリット」
翼を出すスリット…?俺にはそれが無いから翼を出した時にぱっくり切れたってことか。つか待って、翼出しっぱなしにしないとダメなのか……?
そこからはアカツキが指揮を取り、グルーは部屋の片付け、ヴィンスは洗濯、そして俺は風呂に入れられた。
「窮屈だろうが、付け根が安定するまではここに入ってること。いいな?」
「いいな?じゃないよ。え、ずっと風呂生活?」
「まぁ…がんばれ」
嘘だろ…ただでさえ翼が大きくて窮屈なのに、寝るのもここなのか。血生臭い真っ赤なお湯の中で……?
背中は血だらけになるし、昨夜飛んだ時も筋力とか体幹が足りないってすぐ分かった。服に穴が空かないのは仕組みが分からないけど、それ以外はかなり問題が多そうだ。
翼が生えて飛べるようになってラッキー!とか思ってたけど、思ってた以上に楽観視出来ない状況だった………
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