109 / 159
極道恋浪漫 第三章
107
しおりを挟む
とにかくも、駆飛の情報から決行は今日の放課後、冰が学園を出たタイミングで襲われることが判明している。既に猶予はない。
「焔、いかにお前さんが出向くといっても、狙われると分かっていて冰を車に乗せるのは危険だ。身代わりを用意すべきだろう」
遼二は駆飛を冰に化けさせて、当の冰は裏手から密かに連れ出そうと提案した。駆飛の体格は冰と遜色ないし、年齢的にも一番近い。学生服は冰の洗い替えを着せればいいだろう。仮に予期せぬトラブルが発生しても、駆飛ならば尋常ならぬ身の軽さで対処することが可能だというのだ。
「すまねえ、カネ、小川。恩にきる――!」
もうすぐ授業が終わる。李と劉を筆頭に幾人かの側近たちが冰を教室で保護し、身代わりの駆飛が昇降口から出て来て迎えの車に乗るという作戦でいくことに決まった。
◇ ◇ ◇
ホテル・エドモンド、正面玄関――。
「焔老板、ロナルドが動きました。たった今、女共々チェックアウトを済ませ、駐車場へ向かっています。女はツバの広い帽子とサングラスを着けていて、顔ははっきりしません。我々はこのまま追跡を続けます」
ホテルに張り付いていた見張りから連絡が入る。焔と遼二は冰の学園が見渡せる喫茶ルーム前に車を停めて、トランシーバーからの報告を受け取った。
「カネ、あとのことを頼んだぞ。俺はロナルドを押さえる」
「分かった。こっちは万全だ。女の車は俺が必ず押さえるから心配するな」
「すまない。頼む――」
ロナルドを拾うことになっている女の車には既に遼二の部下である清水と橘、徳永が焔の側近たちと合流して張り付いてくれている。焔は杏と胡と共にロナルドを拘束、李らは冰を護衛、遼二らは女を足留めるという万全の体制が敷かれた。
◇ ◇ ◇
学園前――。
「老板、ロナルドが女の車を降りて徒歩で杏たちの車に向かいました」
「了解した」
焔もまた、車を降りてロナルドを迎え打つ為、動き出した。
李の手配によって冰のクラスメイトらにも協力してもらい、身代わりとして化けた駆飛を『雪吹』と呼んでくれるように頼んだ。
駆飛と共にクラスメイトらの一団が校門に差し掛かる。
「じゃあな、雪吹!」
「また明日なー」
「うん、バイバーイ!」
杏が後部座席を開けて冰に扮した駆飛を出迎える。
「冰さん、お帰りなさいませ」
「杏さん、いつもすみません。お世話になります」
後部座席のドアを閉め、杏が自らも助手席に乗り込もうとしたタイミングでロナルドが動いた。
さすがに殺し屋というだけあってか、その動きには無駄がなく、手にしていた催眠剤を車内へと投げ込もうとした時だった。どこから現れたのか、気配すら感じさせない焔によって殺し屋ロナルドは身体の急所に拳を打ち込まれて身悶えた。
「焔、いかにお前さんが出向くといっても、狙われると分かっていて冰を車に乗せるのは危険だ。身代わりを用意すべきだろう」
遼二は駆飛を冰に化けさせて、当の冰は裏手から密かに連れ出そうと提案した。駆飛の体格は冰と遜色ないし、年齢的にも一番近い。学生服は冰の洗い替えを着せればいいだろう。仮に予期せぬトラブルが発生しても、駆飛ならば尋常ならぬ身の軽さで対処することが可能だというのだ。
「すまねえ、カネ、小川。恩にきる――!」
もうすぐ授業が終わる。李と劉を筆頭に幾人かの側近たちが冰を教室で保護し、身代わりの駆飛が昇降口から出て来て迎えの車に乗るという作戦でいくことに決まった。
◇ ◇ ◇
ホテル・エドモンド、正面玄関――。
「焔老板、ロナルドが動きました。たった今、女共々チェックアウトを済ませ、駐車場へ向かっています。女はツバの広い帽子とサングラスを着けていて、顔ははっきりしません。我々はこのまま追跡を続けます」
ホテルに張り付いていた見張りから連絡が入る。焔と遼二は冰の学園が見渡せる喫茶ルーム前に車を停めて、トランシーバーからの報告を受け取った。
「カネ、あとのことを頼んだぞ。俺はロナルドを押さえる」
「分かった。こっちは万全だ。女の車は俺が必ず押さえるから心配するな」
「すまない。頼む――」
ロナルドを拾うことになっている女の車には既に遼二の部下である清水と橘、徳永が焔の側近たちと合流して張り付いてくれている。焔は杏と胡と共にロナルドを拘束、李らは冰を護衛、遼二らは女を足留めるという万全の体制が敷かれた。
◇ ◇ ◇
学園前――。
「老板、ロナルドが女の車を降りて徒歩で杏たちの車に向かいました」
「了解した」
焔もまた、車を降りてロナルドを迎え打つ為、動き出した。
李の手配によって冰のクラスメイトらにも協力してもらい、身代わりとして化けた駆飛を『雪吹』と呼んでくれるように頼んだ。
駆飛と共にクラスメイトらの一団が校門に差し掛かる。
「じゃあな、雪吹!」
「また明日なー」
「うん、バイバーイ!」
杏が後部座席を開けて冰に扮した駆飛を出迎える。
「冰さん、お帰りなさいませ」
「杏さん、いつもすみません。お世話になります」
後部座席のドアを閉め、杏が自らも助手席に乗り込もうとしたタイミングでロナルドが動いた。
さすがに殺し屋というだけあってか、その動きには無駄がなく、手にしていた催眠剤を車内へと投げ込もうとした時だった。どこから現れたのか、気配すら感じさせない焔によって殺し屋ロナルドは身体の急所に拳を打ち込まれて身悶えた。
21
あなたにおすすめの小説
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
朔望大学医学部付属病院/ White Dictator
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
White Dictator______通称:『白衣の独裁者』
<ホワイト・ディクテイター>
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
圧倒的な「実力」と「技術」で捩じ伏せ・現場を支配する凄腕たち。
___ ごく僅かな一瞬の隙も逃さない神手の集まり。
※ごめんなさい!悩みすぎて遅れてます!
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる