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極道恋浪漫 第四章
138 襲撃
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聞けば、地下遊興街区で大きな火事が起こり、バーやクラブが密集する街の中心が燃えてしまったというのだ。
「遊興街で火事だとッ!? 今も燃えているのか……ッ!?」
「いえ……既にほぼ鎮火に向かっていますが……メイン通りの高級クラブなど数十軒が全焼してしまい……」
火事の規模もさることながら、場所が地下街だけに燃えなかった街全体にも黒煙が広がっていて、既に廃墟と言えるほど様変わりしてしまっているという。煙を外へ出す為に消防が懸命な作業を続けてくれているとのことだが、煙を吸い込んだ怪我人なども大勢出て、病院はてんてこ舞い。とにかく悲惨な状況で見る影もなく、まるで戦の後のような状況だそうだ。
「それで焔老板は……ッ!?」
「老板は鎮火と怪我人を気に掛けられて……すぐにご自身自ら現場へ出向かれたのですが……」
そこへ向かう途中で待っていた敵集団らしき男たちに捕らえられてしまったという。
「火事の原因はヤツらによる放火だったようで、これ以上別の店に被害を出したくなければ焔老板に白旗を上げろと……」
遊興街の各所には未だ放火の準備が整った手下たちがうようよしているんだと脅されて、焔は成す術なく彼らの言うなりになるしかなかったそうだ。
「……ッ、それで老板は……今どうしておられる」
「お邸に戻られております……。九龍城砦の皇帝を降りて、新たな統治者の下でこれまで通り地下街の経営を続けていくよう、住民たちを説得しろと迫られまして」
「新たな統治者だとッ!? ヤツら……焔老板を追い出してこの地下街を乗っ取ろうとでもいうのか……」
「当初はそのつもりだったようです。ですが……住民たちが焔老板の下でなければ商売そのものを放棄すると口を揃えたそうなのです。どうも阿片が流行り出した頃からヤツらは再三遊興街に足を運んでは、各店のオーナーたちに別の統治者の下で働かないかと持ち掛けていたようなのですが……誰一人として話に乗る者はいなかったそうです。そういうことならばと火事を起こし、従わなければ地下街全体を焼き尽くすという強行手段に打って出たようです……」
焔を捕らえ、彼の口から住民たちに新しい統治者の下でこれまで通りの商売を続けるよう説得させる心づもりなのだという。
「これ以上各所で火事が起これば地下街は壊滅状態に追い込まれます……焔老板はひとまずのところ要求を飲むしかないとご判断なされて」
「……すぐに戻ろう! 遼二殿や鐘崎組の皆さんも捕らえられたわけか?」
「いえ、遼二殿は地上に調査に出ていてお留守でした。お邸に残っていた組員の方々は老板と一緒に捕らえられております。遼二殿にも先程連絡がついて、すぐに戻って来られると……」
「……クソッ……なんてことだ」
もはや事は阿片の入り込んだルートがどうのという問題を遥かに超える事態――まさに戦と言うべくだったというわけだ。
李らが邸へ戻ると、更に驚愕といえる事態が待ち受けていた。
なんと、襲ってきた敵は白蘭が通じていた密売人グループなどという小さなものではなく、以前この地下街から追い出された遊郭街の悪の根源、あの羅辰が所属する巨大組織だったのだ。首謀者は組織に与していた羅辰の息子で、その彼が地下街を阿片漬けにして壊滅させるという白蘭の企てを利用した――ということだったようだ。
「遊興街で火事だとッ!? 今も燃えているのか……ッ!?」
「いえ……既にほぼ鎮火に向かっていますが……メイン通りの高級クラブなど数十軒が全焼してしまい……」
火事の規模もさることながら、場所が地下街だけに燃えなかった街全体にも黒煙が広がっていて、既に廃墟と言えるほど様変わりしてしまっているという。煙を外へ出す為に消防が懸命な作業を続けてくれているとのことだが、煙を吸い込んだ怪我人なども大勢出て、病院はてんてこ舞い。とにかく悲惨な状況で見る影もなく、まるで戦の後のような状況だそうだ。
「それで焔老板は……ッ!?」
「老板は鎮火と怪我人を気に掛けられて……すぐにご自身自ら現場へ出向かれたのですが……」
そこへ向かう途中で待っていた敵集団らしき男たちに捕らえられてしまったという。
「火事の原因はヤツらによる放火だったようで、これ以上別の店に被害を出したくなければ焔老板に白旗を上げろと……」
遊興街の各所には未だ放火の準備が整った手下たちがうようよしているんだと脅されて、焔は成す術なく彼らの言うなりになるしかなかったそうだ。
「……ッ、それで老板は……今どうしておられる」
「お邸に戻られております……。九龍城砦の皇帝を降りて、新たな統治者の下でこれまで通り地下街の経営を続けていくよう、住民たちを説得しろと迫られまして」
「新たな統治者だとッ!? ヤツら……焔老板を追い出してこの地下街を乗っ取ろうとでもいうのか……」
「当初はそのつもりだったようです。ですが……住民たちが焔老板の下でなければ商売そのものを放棄すると口を揃えたそうなのです。どうも阿片が流行り出した頃からヤツらは再三遊興街に足を運んでは、各店のオーナーたちに別の統治者の下で働かないかと持ち掛けていたようなのですが……誰一人として話に乗る者はいなかったそうです。そういうことならばと火事を起こし、従わなければ地下街全体を焼き尽くすという強行手段に打って出たようです……」
焔を捕らえ、彼の口から住民たちに新しい統治者の下でこれまで通りの商売を続けるよう説得させる心づもりなのだという。
「これ以上各所で火事が起これば地下街は壊滅状態に追い込まれます……焔老板はひとまずのところ要求を飲むしかないとご判断なされて」
「……すぐに戻ろう! 遼二殿や鐘崎組の皆さんも捕らえられたわけか?」
「いえ、遼二殿は地上に調査に出ていてお留守でした。お邸に残っていた組員の方々は老板と一緒に捕らえられております。遼二殿にも先程連絡がついて、すぐに戻って来られると……」
「……クソッ……なんてことだ」
もはや事は阿片の入り込んだルートがどうのという問題を遥かに超える事態――まさに戦と言うべくだったというわけだ。
李らが邸へ戻ると、更に驚愕といえる事態が待ち受けていた。
なんと、襲ってきた敵は白蘭が通じていた密売人グループなどという小さなものではなく、以前この地下街から追い出された遊郭街の悪の根源、あの羅辰が所属する巨大組織だったのだ。首謀者は組織に与していた羅辰の息子で、その彼が地下街を阿片漬けにして壊滅させるという白蘭の企てを利用した――ということだったようだ。
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