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7. Double Blizzard
Double Blizzard 7話
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「GPSはここを示しております」
助手席にいた男が間違いないとそう告げる。後続車の連中も続々と追い付いてきて、皆で周囲を捜す内、不幸なことに黒いワゴン車の扉付近の路側帯に帝斗が贈った名刺入れが落ちているのが見つかった。
「クソッ……! 何てこった!」
拉致した連中が、波濤をここで下ろしたのは間違いないだろう。その際に彼のスーツのポケットから名刺入れだけがこぼれてしまったのだ。
八方塞がりではあるが、まだそう遠くへは行っていないはずである。一同は手分けして周囲を当たることにした。
◇ ◇ ◇
同じ頃、波濤は建設途中のビル内にある一室へと連れて来られていた。
「……こんな所へ来て、何をさせようってんだ」
割のいい仕事を紹介する、短時間で高額稼がせてやるなどと豪語していたにしては、こんな無人のビルなどに来てどうするつもりなのだろう。とりあえずは内装まで仕上がっているものの、まだ電気も通っていないような感じである。工事用に使われているのだろう簡易ライトだけが煌々としていて、直視すれば目が痛い程だった。
嫌な予感しかしない中、それらを煽るような身体の変調に気が付いて、波濤は蒼白となった。急激に心拍数が上がるような、身体のどこそこが熱を持つような独特の感覚――過去にも体感したことがあるそれに、焦燥感がこみ上げる。
それらを肯定するかのように、
「そろそろ効いてきたか?」
自らを拉致してきた男のニヤけた言葉に、更に蒼白となった。
「効いてきた……って、どういうことだ……ッ」
「うーん、あんたにさっき作ってやった酒にね。ちょっといいモノを仕込ませてもらったのよ。多少よがってもらわねえと面白みがねえだろ?」
「――――ッ!?」
男の言っている意味に気付いた時には既に遅かった。どこから集まってきたのか、数人の見知らぬ男たちが周囲を取り囲むようにしながら、ニヤニヤと気味の悪い薄ら笑いを浮かべているのに思わず後退る。
「へえ、めちゃめちゃイケメンじゃん。こりゃ、相当額売り上げ出そうだな!」
「ほーんと! どこでこんなイイ男見つけて来たんだよ。このタイプのよがり顔は、そっちが好きな奴にはプレミアもんだぜ!」
何を説明されなくても分かる、もう淫猥な空気しか感じられないからだ。
波濤は自らの変調を振り払うように怒鳴り上げた。
「あんたらッ……! 何させるつもりだ……」
そんな態度も、目の前の彼らにとっては興味を煽るものでしかないのだろう、男たちはますますおもしろそうにニタニタと笑い始まった。
「たーまんね! なあ、普通にヤるだけじゃつまんねえからさ、いっそ強姦系で撮らねえ?」
「つか、輪姦しがいんじゃね? イケメンが抵抗するシチュなんて最高の需要だろ!」
やはり思った通りの展開か――即金になる仕事とは、いやらしい動画に出演させるというものなのだということに気付けども、もう逃げ道はなかった。波濤は極力、男たちから距離を取りながら、
「クソッ……! ふざけたことしやがって! 何が高額の仕事だ! こんなこと……犯罪じゃねえのかよ!」
そう叫べども、焼け石に水だった。そんな様子を横目に、ここへさらってきた”頭”らしい男が侮蔑丸出しで口を挟んだ。
「今更、何を高尚なこと抜かしてんだよ波濤さん! あんた、いっつもアフターで男の客相手に枕営業してたんだろう? それにちょっと毛が生えただけのことじゃねえの! おとなしく撮られなって!」
そう吐き捨てると同時に、撮影係らしき連中に顎をしゃくって早くしろと催促する。
「なぁに、今までの客連中にしてたことを他の奴らにも分けてやろうってだけの話よ! あんた、結構な人気者だったみてえだから、抱きてえって野郎はいっぱいいただろうしな? ま、実際お高くて買えなかったんだろうけど?」
だから動画にして売りさばくとでもいうわけか、これからなされるだろうことを考えただけで、波濤は悪寒が走る思いだった。
「撮影の方は準備オッケーだ! 早くおっ始めようぜ」
強烈なライトの眩しさに目をやられたと同時に、男たちが襲い掛かってきた。
左右から拘束されて、背後には壁、前方にはカメラを抱えた男と照明を向ける男――逃げ場はない。この状況からどう逃れようかと考える暇もない。と、いきなり胸ぐらを掴まれたと思ったら、勢いよくシャツを破かれて意図しない悲鳴が漏れてしまった。
「……くあ……ッ! よせッ! 放せってんだよ……!」
「暴れんなって! おい、そっち、ちゃんと押さえ付けとけって!」
「つか、たまんね! もっと嫌よ嫌よってわめいてみ? その方が視聴者もソソられるんだって! なー?」
男らは興奮した荒い吐息剥き出しで次々と容赦ない。裂かれたシャツの合間を割って首筋から胸元、そして脇腹へと悪戯がなされる。誰かの指先が胸飾りを掠めれば、『……ッう!』と不本意な嬌声が抑えきれなかった。
先刻盛られた催淫剤のせいと知りつつも、自らの身体は自らの意思を裏切って、ドクドクと増すのは乱されたいと願う欲情ばかりだ。
助手席にいた男が間違いないとそう告げる。後続車の連中も続々と追い付いてきて、皆で周囲を捜す内、不幸なことに黒いワゴン車の扉付近の路側帯に帝斗が贈った名刺入れが落ちているのが見つかった。
「クソッ……! 何てこった!」
拉致した連中が、波濤をここで下ろしたのは間違いないだろう。その際に彼のスーツのポケットから名刺入れだけがこぼれてしまったのだ。
八方塞がりではあるが、まだそう遠くへは行っていないはずである。一同は手分けして周囲を当たることにした。
◇ ◇ ◇
同じ頃、波濤は建設途中のビル内にある一室へと連れて来られていた。
「……こんな所へ来て、何をさせようってんだ」
割のいい仕事を紹介する、短時間で高額稼がせてやるなどと豪語していたにしては、こんな無人のビルなどに来てどうするつもりなのだろう。とりあえずは内装まで仕上がっているものの、まだ電気も通っていないような感じである。工事用に使われているのだろう簡易ライトだけが煌々としていて、直視すれば目が痛い程だった。
嫌な予感しかしない中、それらを煽るような身体の変調に気が付いて、波濤は蒼白となった。急激に心拍数が上がるような、身体のどこそこが熱を持つような独特の感覚――過去にも体感したことがあるそれに、焦燥感がこみ上げる。
それらを肯定するかのように、
「そろそろ効いてきたか?」
自らを拉致してきた男のニヤけた言葉に、更に蒼白となった。
「効いてきた……って、どういうことだ……ッ」
「うーん、あんたにさっき作ってやった酒にね。ちょっといいモノを仕込ませてもらったのよ。多少よがってもらわねえと面白みがねえだろ?」
「――――ッ!?」
男の言っている意味に気付いた時には既に遅かった。どこから集まってきたのか、数人の見知らぬ男たちが周囲を取り囲むようにしながら、ニヤニヤと気味の悪い薄ら笑いを浮かべているのに思わず後退る。
「へえ、めちゃめちゃイケメンじゃん。こりゃ、相当額売り上げ出そうだな!」
「ほーんと! どこでこんなイイ男見つけて来たんだよ。このタイプのよがり顔は、そっちが好きな奴にはプレミアもんだぜ!」
何を説明されなくても分かる、もう淫猥な空気しか感じられないからだ。
波濤は自らの変調を振り払うように怒鳴り上げた。
「あんたらッ……! 何させるつもりだ……」
そんな態度も、目の前の彼らにとっては興味を煽るものでしかないのだろう、男たちはますますおもしろそうにニタニタと笑い始まった。
「たーまんね! なあ、普通にヤるだけじゃつまんねえからさ、いっそ強姦系で撮らねえ?」
「つか、輪姦しがいんじゃね? イケメンが抵抗するシチュなんて最高の需要だろ!」
やはり思った通りの展開か――即金になる仕事とは、いやらしい動画に出演させるというものなのだということに気付けども、もう逃げ道はなかった。波濤は極力、男たちから距離を取りながら、
「クソッ……! ふざけたことしやがって! 何が高額の仕事だ! こんなこと……犯罪じゃねえのかよ!」
そう叫べども、焼け石に水だった。そんな様子を横目に、ここへさらってきた”頭”らしい男が侮蔑丸出しで口を挟んだ。
「今更、何を高尚なこと抜かしてんだよ波濤さん! あんた、いっつもアフターで男の客相手に枕営業してたんだろう? それにちょっと毛が生えただけのことじゃねえの! おとなしく撮られなって!」
そう吐き捨てると同時に、撮影係らしき連中に顎をしゃくって早くしろと催促する。
「なぁに、今までの客連中にしてたことを他の奴らにも分けてやろうってだけの話よ! あんた、結構な人気者だったみてえだから、抱きてえって野郎はいっぱいいただろうしな? ま、実際お高くて買えなかったんだろうけど?」
だから動画にして売りさばくとでもいうわけか、これからなされるだろうことを考えただけで、波濤は悪寒が走る思いだった。
「撮影の方は準備オッケーだ! 早くおっ始めようぜ」
強烈なライトの眩しさに目をやられたと同時に、男たちが襲い掛かってきた。
左右から拘束されて、背後には壁、前方にはカメラを抱えた男と照明を向ける男――逃げ場はない。この状況からどう逃れようかと考える暇もない。と、いきなり胸ぐらを掴まれたと思ったら、勢いよくシャツを破かれて意図しない悲鳴が漏れてしまった。
「……くあ……ッ! よせッ! 放せってんだよ……!」
「暴れんなって! おい、そっち、ちゃんと押さえ付けとけって!」
「つか、たまんね! もっと嫌よ嫌よってわめいてみ? その方が視聴者もソソられるんだって! なー?」
男らは興奮した荒い吐息剥き出しで次々と容赦ない。裂かれたシャツの合間を割って首筋から胸元、そして脇腹へと悪戯がなされる。誰かの指先が胸飾りを掠めれば、『……ッう!』と不本意な嬌声が抑えきれなかった。
先刻盛られた催淫剤のせいと知りつつも、自らの身体は自らの意思を裏切って、ドクドクと増すのは乱されたいと願う欲情ばかりだ。
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