二人っきりになると、本当の二人になる

宮原翔太

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第2話 勘がいい母と、驚かされる美咲

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「ただいまー」

 美咲と別れて、俺は家の玄関を開けて家に入りながら言う。すると、リビングから母さんが「おかえりー」と言っているのが聞こえる。
 この時間は丁度母さんが夕飯を作っている時間。今日の夕飯は何だろう? そう思いながらリビングに入る
 リビングに入って、俺は冷蔵庫にお茶を取りに行く。俺はどんな季節でも、とりあえず家に帰ってきたらお茶をコップ一杯のお茶を飲むようにしている。特に理由はないけど。

「さっき話してたのって美咲ちゃんでしょ」

 料理を作っている母さんが料理をしながら話しかけてきた。

「そうだよ」

 てか、なんで名前を知ってるんだよ。
 ん? まさか玄関先で話してたのが聞こえてたのか? 意外と壁薄いな。そんなに大きな声で話してた覚えはないけどな。

「二人で帰って来たの?」

「ま、まぁ」

「仲がいいんだね。チョコまで貰って」

 本当に俺の母さんは勘がいいな。あの紙袋がチョコだなんて気付くとは。

「たまたまだよ」

 そう言いながらお茶を飲んで、鞄を持つ。

「どうだか」

 これ以上リビングにいると、母さんにからかわれるから自室に行こう。
 家の階段を上がって、一番奥の左の部屋に入る。ここが俺の部屋。
 俺の部屋は大体8畳ぐらいの部屋で、部屋の真ん中に炬燵《こたつ》があって、入り口から見て左にヘッド、右に3ヶ月くらい前に自作したデスクトップPCが置いてあるL字の机と椅子がある。そして、L字の机の隣には150冊近く入る本棚が置いてあって、今は約110冊ぐらいあって現在5冊近く積読状態だ。まぁ、この程度なら2週間ぐらいで読み切れるだろうな。
 そういえば、積読状態がいいことだってどこかの記事で読んだ覚えがある。よく覚えてないけど。今度探して真剣に読んでみよう。
 部屋に入って、制服から私服に着替えていままで消えていた自作PCの電源を入れて、いつものWeb小説サイトを開いて昨日読み途中だった小説を読み始める。
 4ヶ月くらい前にとある小説のあらすじにWeb小説投稿サイトのコンテストで金賞を取ったと書いてあって、この小説のもとを読んでみたくて、いままでバイトで貯金をしていたお金を使って約1ヶ月かけてこのPCを作った。
 PCを作るくらいなら、ノートパソコンを買ったほうがいいと思ったけど、俺の部屋にはWi-Fiの届きが悪い代わりにLANポートがある。だから、せっかくLANポートがあるならデスクトップパソコンにしようと考えて、自作PCにしようと考えた。
自作ならスペックの改造ができるから汎用性が高いからって理由もあるけど。
 Web小説投稿サイトのいいところって校正・校閲前の小説を読めるってところ。
 世に出回っている小説は、いくらWeb小説といっても校正・校閲を通して出版される。それがないのがWeb小説のいいところの一つ。
 椅子に座ってWeb小説を読んでいると、スマホの通知が鳴った。
 何かと思ってスマホの画面を見ると美咲さんからLINEにメッセージが届いた。

【今家に着いたよ】

〖お疲れ様です〗

【むう、敬語! ダメ!】

〖ごめん。すっかり忘れてた〗

【今度から気を付けるんだよ】

〖はい〗

 LINEで美咲から軽く怒られながら、下校時の話の続きをした。
 こうやって美咲と話していると、美咲もいろんな本を読んでいるなと感じる。
 もしかしたら俺よりいろんな本を読んでいるのかも。どのくらい本を持ってるんだろう? いつか聞いてみよ
 Web小説を読みながら、美咲さんとLINEをしていると・・・・、

「こうや~、ごはんだよ~」

 と、階段の下から母さんの声が聞こえた。
 どうやらご飯が出来たらしい。
 俺は、いままで開いていたWeb小説サイトを閉じて、階段を駆け下りてリビングに行く。
 階段を駆け下りて、リビングんに入ると何やらスパイシーな匂いがする。! この匂いはカレーだ! と、思ったらカレー風味の鶏肉だった。
 カレーだと思っていたから、少し残念だけどこれはこれで美味しそうだ。
 いや、実際美味しいのだ。母さんが作る料理は美味しいから味は間違いない。

「カレーだと思った?」

 う、相変わらず勘がいい母親だこと。
 毎回俺の考えていることをこの母親は言い当てるものだから、俺の思っていることのほとんどが筒抜けだ。

「ま、まぁ」

「ふふ、本当はカレーにする予定だったけっど、カレーのルーを買ってくるのを忘れてたからだけどね」

「それでカレー風味の鶏肉なのか。言ってくれれば帰りに買ってきたのに」

「そう思ったけど、近くにスマホが無かったから言わなかったの」

 そう言うことか。たしかに近くにスマホが無いと連絡できないし、料理していると取りに行くのが面倒くさいししょうがないな。
 俺も人並み程度には料理はできる。だから母さんの気持ちはわかる。
 母さんと夕飯の準備をしてて、俺はあることに気づいた。

「父さんは?」

「お父さんは遅くなるって」

「そうなんだ。じゃぁ、俺と母さんだけか」

「そうだよ。もしよかったら美咲ちゃんを呼んでもいいよ?」

「なんでそうなるんだよ」

「ふふ。はい、これ持って行って」

「了解」

 母さんから味噌汁を受け取って、ダイニングテーブルに俺と母さんの所に一つづつ置いて、俺はご飯をよそっていつもの場所に座って母さんを待つ。

「お待たせ。食べよっか」

「「いただきます」」

 母さんが作ってくれたカレー風味の鶏肉から食べる。この鶏肉、食べてわかったけどチーズの味がする。おそらく焼くときに粉チーズを鶏肉にまぶして焼いてあるだろう。
 母さんが作ってくれた夕飯の余韻に浸っていると、

「そういえば、美咲ちゃんはよかったの?」

「! ゴホゴホ!」

「あらあら、そんなに動揺しちゃって。可愛いんだから」

「可愛いっていうな。俺はもう高校生だ」

「高校生でも可愛いものは可愛いからいいの!」

 そんなに!マークがつくほど強く言わないでくれよ。普通に恥ずかしいから。

「もうやめてくれ」

「しょうがないな。で、美咲ちゃんは?」

「呼ばないよ」

「え~、私は呼んでもいいけど?」

「母さんの場合は美咲さんと話したいだけじゃないのか?」

「わかっちゃった?」

「わかるよ。何年一緒にいると思ってんだよ」

「そうだね。私はいつでも呼んでもいいからね」

「わかった。気が向いたら呼ぶよ」

 「気が向いたら」っか。俺はまだ美咲の事がまだ好きじゃないから、呼ぶまでに時間がかかりそうだけどね。
 そういえば、「幸谷はまだ、私の事は全然好きじゃないかもしれないけど、そのうちに好きにしてあげるから」って言ってた気がする。そう言われると少し楽しみだな。
 母さんの夕飯を食べ終えて、俺は自室に戻る。これからは積読状態の本を炬燵で読みながら、お風呂の時間までゆっくりする。
 自室に戻って2時間くらいすると机に置いてあるスマホの通知が鳴った。
 何かと思い、炬燵から出てスマホを取って見ると、美咲さんから画像が送られてきた。
 俺はてっきり何かおススメの本の画像化と思ったら、鏡にスマホのカメラ部分を向けて体にタオルが巻かれた美咲さんの画像がだった。

「なんて画像を送ってきたんだ」

 そう、自室で呟いていると、

【今、お風呂から出たよ】

 う、なんて返信したらいいんだ。
 なんて返信をしたらいいか考えていると、手に握ってあるスマホがけたたましくなり始めた。
 美咲さんからの着信だ。

「も、もしもし」

『もしもし。なんて返したらいいか困ってるでしょ』

「ま、まぁ」

『別に無理に返そうとしなくていいよ。こんな画像を送ったのは、幸谷がどんな反応をするか試してみたかっただけだから』

 無理に返そうとしなくていいって言ってくれて、少し安心した。

『ホッとしてるでしょ?』

「す、少しは」

『もっと見たいなら、私の全体像を見せてあげるけど? 何なら今巻いてるバスタオルを取った画像でもいいけど?』

「遠慮します」

『そんなにキッパリ断らなくてもいいのに。見たいなら、いつでの言ってくれれば送るからね』

「多分言わない」

『なんだ。今度送っちゃお』

「やめてくれ。LINEを開けなくなる」

『それは私も困るな。でも、もし送ってもちゃんと開いてね』

「善処します」

『じゃぁね。また寝るときに電話するね』

「分かった。じゃぁね」

 そう言って電話を切った。
 焦った。「どんな反応をするか確かめるために送った」って、心臓に悪いからやめてほしい。
 俺はいままで美咲さん以外の女性と付き合ったことがないから、いまだにあんな画像などの免疫がないから、めちゃくちゃ焦る。
 もう、こんな画像を送られてこないことを祈る。
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