(仮)

田中

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いつもと変わらない風景。
自室の窓から外をぼんやりと眺める。
特に何があるという訳でもないが
ふとした拍子に跡形も残さず消えてしまいたくなる。
自分という存在を消したくなる。

暗い過去があるだとか、現在いじめにあっている
とかでは全くない。

母子家庭ではあるが、それなりの生活を送れているし
友達もそこそこいる。

ただぼんやりと考える時間が出来ると
なんとなく死にたくなる。
否、正確には"死にたく"なるのではなく"消えたく"なる。
死にたい訳ではない、心底消えてしまいたくなるのだ。
一般的に、存在が消える=死ぬ
であるから、他者には理解出来ないであろうが
自分の中で譲れない部分である。
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