異世界帰りの僕が100人斬りの勇者だなんてまだ誰にも知られていない ~帰還した元勇者の爛れたラブコメディ~

墨色

文字の大きさ
8 / 156
再会の始まり

顔射

しおりを挟む
| 藤堂 京介


 久しぶりの風呂にはしゃいでしまっていて忘れていたが、さっき脱衣所で服を脱いだとき、なぜか義妹が覗いていた。

 なにゆえ?

 困惑はしたが、まあ今日は遅かったし、心配しているのだろう。でも安心して欲しい。全て回復魔法によって青あざなどはなくなっている。

 どうだい綺麗だろう。

 まるで見せつけるかのように下着姿でゆっくり一周したのだった。


「ふー。生き返るー」


 湯船に浸かり、そんな事をつぶやいた。少し15歳らしくないのは許して欲しい。こちとら約1か月ぶりの風呂なんだ。

 娯楽の無いあっちではメシと風呂と娼館しか癒しはなかった。
 する事が無いからメシの調理と娼婦の相手だけレベルが上がってしまった。
 そして娼館はだいたい風呂付きだった。だから自然と通いだした。

 純粋な風呂はパーティメンバー次第だったから差配出来なかったしね。むしろ風呂が無かったから魔王討伐まで5年もかかった、まである。言い過ぎか。

 でも一人きりの風呂なんて、一体いつぶりだろうか。

 この小さな空間に、一人。…まんざらでもない。


「もう死んでも良い~」


 本当に死力を尽くした魔王戦だった。閉塞感のある浴室だからか、久方ぶりの湯気に絆されたのか、ぼんやりと最期の戦いを思い出していた。

 体感でまだ数時間前だ。本当に死ぬかと思ったなあ。いや、死んだんだったか。いや、殺されたんだったか。いや、生き返ったのか。


「あ」


 そういえば、いつも戦いの後は冒険者や戦士たちと共に夜の街に繰り出し、滾りを沈めていたのだったか。

 そうしないとパーティメンバーに手を出してしまいそうで怖かったのだ。あいつら戦いのあとはだいたい薄着だったし。

 で、だ。


「どうしよう」


 勃起がおさまらねぇ。

 今更自分でするのもなあ。

 かと言って放置するのも…どうも勝手に収まる気がしないな…

 仕方ない。一発扱くか。自分だともうイけないくらいにスレていた僕だけど、もしかしたら体の機能は15歳のままだから、敏感かも知れないし自分で出来……はぅ!


「何だこれぇ…」


 今日一番の驚愕かも知れない。醤油よりも胡椒よりもなんだったら魔王戦よりもびっくりかも。


『異世界帰りの僕の息子が敏感過ぎて超辛い』


 なんかこれ、ラノベタイトル感あるな。ないか。

 いや、これ、手が止まらなくなる。

 これ、ネタすら要らないかもしれない。


「やばい」


 危険を感じ、一旦浴槽から出る。

 あんなにも娼館を梯子していた、この僕が…

 最期の方には複数人でもどんとこいだった、この僕が…。

 何この超敏感な身体。恐るべしレベルアップの恩恵。いや経験か。


「ぅあ、ぅあああ、あぁ!」


 あ、声でちゃう。あ、ヤバっ、これ、すごぉーぃ、すぐぃく。


「京介っ!大丈夫っ!?」

「ぁえ!」


 いきなり義妹が風呂に飛び込んできた!

 反射で身体全体をそっちに向けてしまった!

 手は…離れない!

 いや、反射でそこは離せよ! 反射仕事しろよ!

 ダメだ! 離せない!

 すぐさま根本を抑えた!

 が、15歳のリビドーにはどうやら無駄だった!

 勇者は負ける…あっ、ダメッ。イッ

「くぅ」

「……ぁ」


 ビチャビチャと音がなりそうなくらい、義妹の顔に掛けてしまった。

 顔っていうか全身に。袈裟斬りに。

 あ、まだ出るっ。


「ぅくっ」

「……」


 最期はホットパンツから覗く艶っとした太腿に掛かって収まった。瞬間、身体を丸くし余韻で震え俯き、息を吐き出した。


「はーっ、はーっ、はー…」


 すげぇ…15歳の身体…何か魂まで出そうなくらい気持ち良かった…

 そりゃ目が血走ってる男子が多いのがわかるよ…

 というかそれより何よりどうしよう。

 なんて言えば良いんだろう。

 僕はなんて言えば良いんだろう。

 僕はなんて思えば良いんだろう。


 というか僕、悪くないよね?兄としては確実に悪いと思うけど…五年前の僕はこんな時に何て言う?

 薄ら目をあけると、義妹の足が見える。義妹はまだ風呂場から出ていなかった。いや出なよ。

 恐る恐る視線を上に上げると、義妹はそれはもう酷い有様だった。

 ある村からの依頼で、象くらいのサイズのナマコみたいな魔物を討伐したことがあった。
 吐き出すゼリー状の白い粘液は微弱の魔力を狂わす効果があり、掛かると魔法の威力や、身体強化のバフが落ちるため、避けながら戦った。

 ナマコは討伐の最中、斬りつけると狂ったようにその粘液を吐き出していたから全てを避けることは出来ず、滑っとした体表には刃や魔法は通りにくく、長引けば魔法は減衰し、そんなに強くはないのに、ただただ厄介な魔物だった。

 討伐後、最終的には姫巫女達は粘液に塗れて、そう、ちょうど今の義妹みたいに一点を見据えて放心している表情をしていて……

 うん? どこ見て……僕の、股間…?

 おもむろに顔に掛かった僕の放った精液を指で掬い…眺めて…クンクンしてから…口に含んだ。


「なんでっ!?」

「!っ」


 流石に突っ込んでしまった。
 瞬間、義妹もハッと意識を取り戻す。

 あれ? この子処女だよね? いつのまにか経験者? JKに精飲ってレベル高スギない? それに義妹だよ?

 これなんてエロゲ?


「……なにこれ」

「ナニって…」


 いや、高校生だしわかるでしょ。わからないのに舐めたのかよ。わかってるのに言わす気か。上級者か。

 そういえば心配して入ってきてたな。


「…とりあえず出てよ。大丈夫だから」

「!!」


 突き放すように伝えたらガチャりと閉じてバタバタと出て行った。


「ふー」


 額に手の甲を乗せ、汗を拭う。

 いや、ふーじゃない。

 何もクエストは達成していない。

 そういえば初めて見つかったのかもしれないな。召喚前は自慰なんてあまりした事無かった、と思う。

 父さんが亡くなってからは常に誰かがそばに居たからか、ひとりの時間が少なく、それどころではなかった気がする。


「あーどうしよう」


 オナバレとか魔王戦より嫌すぎるんだけど。

 僕は浴室の天井を見上げ、ぽつりと呟いた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...