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再会の始まり
事後
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| 藤堂 京介
ピロートークでイチャイチャしたいところだけど、未羽が帰ってきたらまずいとばかりに足早に後片付けをし、目的の駅まで来ていた。
すぐに近くの喫茶店を探す。
愛香には果てた瞬間を狙って強めに回復の魔法をかけていたから身体は大丈夫なはずだ。
事後の気怠い余韻をベッドで楽しむのも良いもんなんだけど、また今度ね。
るんるんるん、と鼻歌まじりに上機嫌でとなりを歩く愛香。
ふんわりと乾かしてあげた髪が喜びで揺れる。
後片付けのさい、一応本人の見えないところでお湯洗いがてらに、こっそり洗浄の魔法をかけようと制服に手を伸ばした。そう、精液まみれの制服だ。
が、愛香は僕の手首を両手でガッと掴み、真顔でゆっくりと首を左右に振ってこう言い出した。
家でスるから触らないで、と。
あまりに真剣な表情と硬い声色だったから、お互い少し無言で見合ってしまった。
はっはーん、さてはナニかに使う気だね?と冗談を言ったら、顔を真っ赤にしながら、早口と身振り手振りで言い訳し出した。
小学校以来の都合の悪い時の仕草を見て、ほっこりし、それ以上は何も言うまいと任せた。
下着以外全てアウトだったので、制服はとりあえず使えないからと僕の服と大きめのリュックを貸した。
歩きながらも定期的に立ち止まり、裾をすんすんしてニヘラと笑っている。何してんだ。
ともあれ、流石は完璧美少女。裾をくしゅっとしたり、履き口を折り曲げたりしながら、調整して、こんなコーデありますね、なんて格好に仕上げ、最後にベースボールキャップで整えていた。
意外にも僕は服持ちだ。愛香に置いて行かれまいと自分に似合うスタイルだけは追求していた。ということをさっき思いだした。
思い出したところでこの時の流行りはすっかり忘れていたから愛香に見立ててもらった。
そのせいか、なんとなくペアルック感のある装いとなった。
時刻は16時。補導はされまい。
見つけた喫茶店で、流石にお腹が空いたからと、軽食と紅茶を頼みながら思案する。
葛川の話を聞いた時、まず思ったのが手慣れているな、だった。
普通の高校一年生がするような思考じゃない。
未羽からの又聞きと僕への絡み方を見るにそんなに予想を外してないだろう。
一度二度だけでは無い習熟度を感じる。
後ろに何かあるのか、はたまた個人の積み上げか。
僕が当時、葛川に良いようにされていたのは、愛香の裸の写真のせいだった。それは覚えている。
ばら撒かれたくなければサンドバッグな。そう言っていた。
その当時は気付かなかったが、どうやらあれはアイコラ写真だったようだ。
異世界風に解釈するならば、愛香のアイコラ写真は僕を自由に出来る隷属アイテムで、今回のリンチ動画は愛香に対する妖精の呪いみたいなものだろう。
効果は人に一定期間嫌われる、みたいな。
ちなみにアイコラ全裸写真を愛香本人に聞き取りすると憤慨していた。
まあ嘘だとさっき確信出来たしね。どこがどうだとは言わない。
異世界に照らし合わせれば、何も強制力の無いガラクタにしか過ぎない。が、やっかいなのは拡散機能があるということでそれが一種の強制力となっている。
異世界だと一般人は殴るか殺るかで終わりだから簡単なんだけどね。まあ貴族か商会相手くらいに思っておけば良いか。どっちも紐付きが面倒なんだよね。
ただ交渉材料とトロフィーがどっちも愛香なんだよなー。
「…んーそれくらいかな」
「ありがとう」
愛香からトップカーストや、仲良くしている連中の情報を聞き出してメモを取っていた。
弱点になる人材探しだ。
話から推測するに、葛川がメインアタッカーで後衛指示担当が下出だろう。
あとは遊撃の上田、タンクの中田ってところか。
そして愛香以外の女子は愛香以外で繋がってる気がする。
当時はまったく分からなかった。
スマホであいつらの通っていた小学校、中学校を探ってみる。一つ気になる記事が目に止まった。
「女子中学生を半年間に渡って監禁、強姦、暴行、AV販売…」
「それ、葛川の中学?」
「この犯人が葛川と同じ中学で、女子生徒は別の県みたい。何か引っ掛かるな…どうしたの?」
「んーんー。なんでも無ーい」
四人席なのに隣りに座ってニコニコしながら腕に抱きつき寄り添って一緒にスマホを見ている。
まあさっき結ばれたばかりだし、ピロートークもなかったのだから当然か。
それ以外は出てこないからと一旦調べることをやめ、出された紅茶を飲む。
一体いつぶりだ。辺境伯のところ以来か。懐かしい。
「なんか洗練されてる」
「うん?」
「所作がきれい」
「そう?」
そりゃ王族や貴族の子女たちとの茶会があったからな。政治的弱みを見せれないと、召喚された国の偉いさんに仕込まれたのだ。
「なんか知らない間に京ちゃんが大人になってる」
「………愛香も今日大人になったでしょ」
「もー! 絶対言うと思った!」
「振ったのは愛香でしょ?」
「………もっと、大人にしてね?」
愛香は僕の手の甲に人差し指で丸をくるくるとゆっくり描き、上目遣いでそう言った。
なんだ…ただの馬鹿かわいいかよ。
ピロートークでイチャイチャしたいところだけど、未羽が帰ってきたらまずいとばかりに足早に後片付けをし、目的の駅まで来ていた。
すぐに近くの喫茶店を探す。
愛香には果てた瞬間を狙って強めに回復の魔法をかけていたから身体は大丈夫なはずだ。
事後の気怠い余韻をベッドで楽しむのも良いもんなんだけど、また今度ね。
るんるんるん、と鼻歌まじりに上機嫌でとなりを歩く愛香。
ふんわりと乾かしてあげた髪が喜びで揺れる。
後片付けのさい、一応本人の見えないところでお湯洗いがてらに、こっそり洗浄の魔法をかけようと制服に手を伸ばした。そう、精液まみれの制服だ。
が、愛香は僕の手首を両手でガッと掴み、真顔でゆっくりと首を左右に振ってこう言い出した。
家でスるから触らないで、と。
あまりに真剣な表情と硬い声色だったから、お互い少し無言で見合ってしまった。
はっはーん、さてはナニかに使う気だね?と冗談を言ったら、顔を真っ赤にしながら、早口と身振り手振りで言い訳し出した。
小学校以来の都合の悪い時の仕草を見て、ほっこりし、それ以上は何も言うまいと任せた。
下着以外全てアウトだったので、制服はとりあえず使えないからと僕の服と大きめのリュックを貸した。
歩きながらも定期的に立ち止まり、裾をすんすんしてニヘラと笑っている。何してんだ。
ともあれ、流石は完璧美少女。裾をくしゅっとしたり、履き口を折り曲げたりしながら、調整して、こんなコーデありますね、なんて格好に仕上げ、最後にベースボールキャップで整えていた。
意外にも僕は服持ちだ。愛香に置いて行かれまいと自分に似合うスタイルだけは追求していた。ということをさっき思いだした。
思い出したところでこの時の流行りはすっかり忘れていたから愛香に見立ててもらった。
そのせいか、なんとなくペアルック感のある装いとなった。
時刻は16時。補導はされまい。
見つけた喫茶店で、流石にお腹が空いたからと、軽食と紅茶を頼みながら思案する。
葛川の話を聞いた時、まず思ったのが手慣れているな、だった。
普通の高校一年生がするような思考じゃない。
未羽からの又聞きと僕への絡み方を見るにそんなに予想を外してないだろう。
一度二度だけでは無い習熟度を感じる。
後ろに何かあるのか、はたまた個人の積み上げか。
僕が当時、葛川に良いようにされていたのは、愛香の裸の写真のせいだった。それは覚えている。
ばら撒かれたくなければサンドバッグな。そう言っていた。
その当時は気付かなかったが、どうやらあれはアイコラ写真だったようだ。
異世界風に解釈するならば、愛香のアイコラ写真は僕を自由に出来る隷属アイテムで、今回のリンチ動画は愛香に対する妖精の呪いみたいなものだろう。
効果は人に一定期間嫌われる、みたいな。
ちなみにアイコラ全裸写真を愛香本人に聞き取りすると憤慨していた。
まあ嘘だとさっき確信出来たしね。どこがどうだとは言わない。
異世界に照らし合わせれば、何も強制力の無いガラクタにしか過ぎない。が、やっかいなのは拡散機能があるということでそれが一種の強制力となっている。
異世界だと一般人は殴るか殺るかで終わりだから簡単なんだけどね。まあ貴族か商会相手くらいに思っておけば良いか。どっちも紐付きが面倒なんだよね。
ただ交渉材料とトロフィーがどっちも愛香なんだよなー。
「…んーそれくらいかな」
「ありがとう」
愛香からトップカーストや、仲良くしている連中の情報を聞き出してメモを取っていた。
弱点になる人材探しだ。
話から推測するに、葛川がメインアタッカーで後衛指示担当が下出だろう。
あとは遊撃の上田、タンクの中田ってところか。
そして愛香以外の女子は愛香以外で繋がってる気がする。
当時はまったく分からなかった。
スマホであいつらの通っていた小学校、中学校を探ってみる。一つ気になる記事が目に止まった。
「女子中学生を半年間に渡って監禁、強姦、暴行、AV販売…」
「それ、葛川の中学?」
「この犯人が葛川と同じ中学で、女子生徒は別の県みたい。何か引っ掛かるな…どうしたの?」
「んーんー。なんでも無ーい」
四人席なのに隣りに座ってニコニコしながら腕に抱きつき寄り添って一緒にスマホを見ている。
まあさっき結ばれたばかりだし、ピロートークもなかったのだから当然か。
それ以外は出てこないからと一旦調べることをやめ、出された紅茶を飲む。
一体いつぶりだ。辺境伯のところ以来か。懐かしい。
「なんか洗練されてる」
「うん?」
「所作がきれい」
「そう?」
そりゃ王族や貴族の子女たちとの茶会があったからな。政治的弱みを見せれないと、召喚された国の偉いさんに仕込まれたのだ。
「なんか知らない間に京ちゃんが大人になってる」
「………愛香も今日大人になったでしょ」
「もー! 絶対言うと思った!」
「振ったのは愛香でしょ?」
「………もっと、大人にしてね?」
愛香は僕の手の甲に人差し指で丸をくるくるとゆっくり描き、上目遣いでそう言った。
なんだ…ただの馬鹿かわいいかよ。
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