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ダズンローズの花束
壁尻1
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| 東雲 詩乃
恋のアポストル、緊急告知。
第104回、謹厳懺悔室。
戒められる者 | 藤堂京介。
そう題された集いには、事前に京介さんへの書き込みと自分のプロフを提供さえしておけば、すんなり入れました。
なので、一見ガバガバかと思いきや、スマホは入り口で預けられ、屈強なSPも控え、会場もプロの手が入った作り込みで、なかなかにきちんとしていました。
それに、最寄りの鎌田駅からこの廃工場に続く道には、何人か監視がいました。
流石は嘉多家。
そう、そこまでは辿り着いていました。
純さんへの煽り返しとして秦野超過激派を焚きつけた手前、流石に京介さんへの罪悪感が募り、調べつくしていたら、こんな事を取り行うと告知が出ていたので潜り込みました。
ついでに、エリカさんにも声をかけ、嘉多家との繋がりを作るアプローチもどうかと。
さらに、大前女子、和光派閥の"花束"達にも声をかけ、生の京介さんを見て頂こうと。
一応はビーストまで進んだ方のみとし、他校の制服などを着てもらうなどの対応はしてもらいました。
◆
嘉多家長女と京介さんとのやりとりの後、すぐさま京介さんと外国人との闘いが始まった…と思いきや、ただの拷問でした。
もう、京介さんったら。
事前に声を出すと強制退去と聞かされていたので、黙って見ていました。花束の皆さんには京介さんの猛々しさを伝えていたからか、気絶者、失禁者などすぐさま外に運ばれた方々と違って、はぁはぁしていました。
いいですよー。
こんな非日常など通ったことのないお嬢様ばかりでしたから、少しばかり心配していたのですが、杞憂でした。
もう、京介さんったら。
拷問はなおも続きました。美の真髄、真っ直ぐに建立された人柱が姿を現した時、突然入ってきた女に観客は気を取られてしまいました。
もう、なんで人柱の邪魔をするの。
そう思いながらも、私はずーっと京介さんだけを見ていました。
すると、突然京介さんは叫び出しました。
魔法の言葉なのでしょうか。どこの言語かはわかりませんでした。
ただ空気は明らかに変わりました。
前方に差し出した彼の右の手のひらを中心に、白虹が四度小さく瞬きました。
その後すぐに、空間を切り裂くような音が鳴り響き、観客は目を閉じ耳を塞ぎながら大きな声で叫び、人柱は倒れ…
でも私は気にも留めませんでした。
なぜなら、京介さんが手を向けた先、まるで夕暮れの教室に差し込む西日に反応した小さな埃が反射してキラキラと煌めくかのように光る魔法に心奪われていたからでした。
そして、京介さんの行く先を遮るもの全てが開けていき、気付けば彼は疾風のように駆けていました。
これが魔法使いの魔法…と、見惚れていた私の視界に傍迷惑な恋のアホォが映りました。
一瞬だけエリカさんに目配せをしてから私も後を追いかけるべく、走り出しました。
◆
隣の建屋に入ろうとすると突然頭がぼんやりとし、すぐさま足を止めました。これはある種の結界なのか、まるでこれ以上入ることは許さないと警告されている感じがしました。
これだと覗き見しか出来ません。
覗いた先の京介さんは回旋曲に合わせるかのように舞い、悪党どもを打ちのめしていきました。
「すごい…」
このイベントに紛れ込んでいた魔女ゆーゆーがそんなことを隣で呟きます。語彙力のない彼女ならそんなものですかね…ただ、あれは藤堂の技では決してない…いつの間に身につけたのでしょうか…いえ、それは後で良いのです。
「本当ですわね…あの言葉遣いは…やっぱりあーくんにしか…なら…身体はもう…ん? わ! なんです! あなた達は?!」
「私は飛鳥馬です! 今日は素敵なイベントありがとうございました!」
「私は円卓の東雲と申します。嘉多桔花さん…ですよね。もしくは嘉多家の…鉢かづき、姫でしたか?」
「……なぜそれを…」
マスクをしようが、メガネをしようが私には無駄ですよ。おおよその同年代の脅威は把握しております。主にアタマおかしい人ばかりの骨格ですけど。
まあ、情報量は愛香さんには劣りますが…死ねばいいのに。
「何ですか、それ。口ばーっかりの口裂け先輩、教えてくださいよ」
あ、口裂けって言った! 言ってしまいしたね! 結構気にしてるのに…お尻の大きさくらい気にしてるのに…私の口は裂けてないのに…口が裂けるのはあなた達なのに…こいつ、死ねばいいのに。
「…魔女。私、才能こそありませんがこれでも組討の東雲。あなたくらいの紛い物など造作もありませんよ? いっぺん死んでみる?」
「へー。相手してくれるんだ。赤城先輩には内緒ですよ」
赤城…雨宮派閥ですね。知っていますとも。二年生は三年生ほどわかりやすくないのですよね…変則的ですが…こいつを取っ掛かりにしますか。
「ちょ、ちょっとちょっとなんでいきなり喧嘩が始まるのです! 円卓? 魔女? …ファンタジーですの? それよりもう解散です! 今から大事な確認をしなくてはなりません! あなた達は早くお帰りなさい!」
あ、そうでした。なんだかここにいると頭がぼんやりとしますね…そうだ、彼女の言うあーくん。恋アポを最初まで遡れば辿り着く、ある一人の男の子の名前。それを聞かないと。
「何でですか! やっと京介さんに会えたのに! 他の魔女もいない! いるのはただの口裂け姫だけ! これは大チャーンス!」
この子、ちゃきちゃきしていて鬱陶しいですね…しかもまた言いましたね…でしたらお望み通り、口が裂けるくらい、違う違うと言い訳させてあげましょうか。
「飛鳥馬さん…中等部では…随分と嫌われているようですね…あなたも噂塗れにして…あははは、は。そうだ! いっぺん反転させましょうか? くすっ、人気ものの魔女…良さそう…ちなみに魔女は全て…準備はパーペキですよ? それが嫌なら…口を噤みなさい」
「…う、ぐっ!…今更人気ものとか罰ゲームじゃないですか……く、そう…黙り、ます」
「…よろしい。では嘉多さん。あーくんとは京介さんのことですか?」
「…それを確かめ…何か…音が…え───」
「な、な─────」
「え! 嘘! いや──京たん──」
突如として、空いていた穴がぐにゃぐにゃと動き出し…私達は、壁に食べられたのでした。
◆
「これは…一体なんですの…」
あーくん発言が気になって話し込んでいたらいつの間にか壁が動き出して…裂けた穴が元に戻りました。
私達を巻き込んで。
私達の上半身はこの小さな部屋…給湯室か何かでしょうか…の壁から生え、下半身は屋外へと放り出され、身動きがまったく取れなくなりました。
嘉多さんは困惑していました。
普通わかりませんよね。
でも私にはわかります。
わかりますけど、辛いんです。
これ、多分魔法でしょうけど…
そこじゃないんです。
これ、絶対お尻が壁の向こうに晒されてますよね…なんかスースーしますし…多分スカート捲れてますよね…
ここは給湯室か何かで…先程の京介さんの格闘場所は直った壁に阻まれ見えなくなっている事から…多分お尻側の建物も同じように直っている…と思いたい。
「…皆さん携帯は?」
「制服のポケット…は──…。わたしが大きな声で呼びかけましょうか?」
「私もポケットですわ…いえ、まだ他に男共がいるかも知れません…首塚…使用人が来るまで待ちましょう。でもこれ、いったい何ですの…まあ…今更狼狽えても仕方ありませんわ。…お尻がこんなに不安なのは初めてですけど一人ではありませんしね…こんな不思議な体験を共有してしまいましたし……改めて。隣の御影市にあるグロース女学院高等部二年。生徒会、会長、嘉多桔花と申しますわ」
「大前女子高等部一年、生徒会会計、東雲詩乃と申します。確かにいろいろ不安ですね」
嘉多さんはこのような状況でも堂々としていますね。
私の不安はお尻大きさ比べ。
お尻は単品なら良いカタチをしてると思いますけど…
それにしても、魔法初体験です…でも…どうせなら…青と緑の…キラキラしたやつが良かったな…これじゃなくて。
「…大前女子中等部二年剣道部所属、飛鳥馬遊子です。そんなに不安ですか? きっと京介さんが助けてくれますよ!」
それが嫌なんですよ!! 魔法だから助けには来てもらえるでしょう! こっちの給湯室からなら嬉しいでしょう! でも…向こう側だと…この三人の並び…真ん中に私、右に魔女ゆーゆー。左に嘉多さん…
これだとお尻グランプリ一位になったみたいに! 桃な鉄道みたいに! いや!いや! 想像するだけで…死にたい…え、あああ、ウソ、なんだか催して…
「あら、大前女子の…火威さんはお元気ですか?」
「え、ええ…会長は…それはもう…元気がありすぎて…普通は三年でする人などあまり居ないのですが…」
まあ、私、スパイみたいなものなのですけどね…無心無心…
「ああ、なんとなく想像がつきますわ…お二人は恋アポを見ていらしたの?
「ええ。私、藤堂京介の幼馴染なんです。ですから心配になって」
今違う心配がダブルでやって来てますけどね! あ! 無心無心…
「私は赤城先輩の過激派をつけていたら辿り着きました。というか東雲先輩さぁ~幼馴染って死ぬほどいるんだし、さもソロっぽい雰囲気ズルくな──」
「では!! あの藤堂京介の事を教えてくれませんか?! もしかしたら探していた…あの子かも知れないのです…青金くん。あーくんに…」
そーそーその話です! その話をしましょう! でも…青金ですか…?… あ、ちょっと持ち直してきました!
良いですよー。
もっと謎くださいよー。
ルーリーは嫌ですよー。
壁尻グランプリはもっと嫌ですよー。
恋のアポストル、緊急告知。
第104回、謹厳懺悔室。
戒められる者 | 藤堂京介。
そう題された集いには、事前に京介さんへの書き込みと自分のプロフを提供さえしておけば、すんなり入れました。
なので、一見ガバガバかと思いきや、スマホは入り口で預けられ、屈強なSPも控え、会場もプロの手が入った作り込みで、なかなかにきちんとしていました。
それに、最寄りの鎌田駅からこの廃工場に続く道には、何人か監視がいました。
流石は嘉多家。
そう、そこまでは辿り着いていました。
純さんへの煽り返しとして秦野超過激派を焚きつけた手前、流石に京介さんへの罪悪感が募り、調べつくしていたら、こんな事を取り行うと告知が出ていたので潜り込みました。
ついでに、エリカさんにも声をかけ、嘉多家との繋がりを作るアプローチもどうかと。
さらに、大前女子、和光派閥の"花束"達にも声をかけ、生の京介さんを見て頂こうと。
一応はビーストまで進んだ方のみとし、他校の制服などを着てもらうなどの対応はしてもらいました。
◆
嘉多家長女と京介さんとのやりとりの後、すぐさま京介さんと外国人との闘いが始まった…と思いきや、ただの拷問でした。
もう、京介さんったら。
事前に声を出すと強制退去と聞かされていたので、黙って見ていました。花束の皆さんには京介さんの猛々しさを伝えていたからか、気絶者、失禁者などすぐさま外に運ばれた方々と違って、はぁはぁしていました。
いいですよー。
こんな非日常など通ったことのないお嬢様ばかりでしたから、少しばかり心配していたのですが、杞憂でした。
もう、京介さんったら。
拷問はなおも続きました。美の真髄、真っ直ぐに建立された人柱が姿を現した時、突然入ってきた女に観客は気を取られてしまいました。
もう、なんで人柱の邪魔をするの。
そう思いながらも、私はずーっと京介さんだけを見ていました。
すると、突然京介さんは叫び出しました。
魔法の言葉なのでしょうか。どこの言語かはわかりませんでした。
ただ空気は明らかに変わりました。
前方に差し出した彼の右の手のひらを中心に、白虹が四度小さく瞬きました。
その後すぐに、空間を切り裂くような音が鳴り響き、観客は目を閉じ耳を塞ぎながら大きな声で叫び、人柱は倒れ…
でも私は気にも留めませんでした。
なぜなら、京介さんが手を向けた先、まるで夕暮れの教室に差し込む西日に反応した小さな埃が反射してキラキラと煌めくかのように光る魔法に心奪われていたからでした。
そして、京介さんの行く先を遮るもの全てが開けていき、気付けば彼は疾風のように駆けていました。
これが魔法使いの魔法…と、見惚れていた私の視界に傍迷惑な恋のアホォが映りました。
一瞬だけエリカさんに目配せをしてから私も後を追いかけるべく、走り出しました。
◆
隣の建屋に入ろうとすると突然頭がぼんやりとし、すぐさま足を止めました。これはある種の結界なのか、まるでこれ以上入ることは許さないと警告されている感じがしました。
これだと覗き見しか出来ません。
覗いた先の京介さんは回旋曲に合わせるかのように舞い、悪党どもを打ちのめしていきました。
「すごい…」
このイベントに紛れ込んでいた魔女ゆーゆーがそんなことを隣で呟きます。語彙力のない彼女ならそんなものですかね…ただ、あれは藤堂の技では決してない…いつの間に身につけたのでしょうか…いえ、それは後で良いのです。
「本当ですわね…あの言葉遣いは…やっぱりあーくんにしか…なら…身体はもう…ん? わ! なんです! あなた達は?!」
「私は飛鳥馬です! 今日は素敵なイベントありがとうございました!」
「私は円卓の東雲と申します。嘉多桔花さん…ですよね。もしくは嘉多家の…鉢かづき、姫でしたか?」
「……なぜそれを…」
マスクをしようが、メガネをしようが私には無駄ですよ。おおよその同年代の脅威は把握しております。主にアタマおかしい人ばかりの骨格ですけど。
まあ、情報量は愛香さんには劣りますが…死ねばいいのに。
「何ですか、それ。口ばーっかりの口裂け先輩、教えてくださいよ」
あ、口裂けって言った! 言ってしまいしたね! 結構気にしてるのに…お尻の大きさくらい気にしてるのに…私の口は裂けてないのに…口が裂けるのはあなた達なのに…こいつ、死ねばいいのに。
「…魔女。私、才能こそありませんがこれでも組討の東雲。あなたくらいの紛い物など造作もありませんよ? いっぺん死んでみる?」
「へー。相手してくれるんだ。赤城先輩には内緒ですよ」
赤城…雨宮派閥ですね。知っていますとも。二年生は三年生ほどわかりやすくないのですよね…変則的ですが…こいつを取っ掛かりにしますか。
「ちょ、ちょっとちょっとなんでいきなり喧嘩が始まるのです! 円卓? 魔女? …ファンタジーですの? それよりもう解散です! 今から大事な確認をしなくてはなりません! あなた達は早くお帰りなさい!」
あ、そうでした。なんだかここにいると頭がぼんやりとしますね…そうだ、彼女の言うあーくん。恋アポを最初まで遡れば辿り着く、ある一人の男の子の名前。それを聞かないと。
「何でですか! やっと京介さんに会えたのに! 他の魔女もいない! いるのはただの口裂け姫だけ! これは大チャーンス!」
この子、ちゃきちゃきしていて鬱陶しいですね…しかもまた言いましたね…でしたらお望み通り、口が裂けるくらい、違う違うと言い訳させてあげましょうか。
「飛鳥馬さん…中等部では…随分と嫌われているようですね…あなたも噂塗れにして…あははは、は。そうだ! いっぺん反転させましょうか? くすっ、人気ものの魔女…良さそう…ちなみに魔女は全て…準備はパーペキですよ? それが嫌なら…口を噤みなさい」
「…う、ぐっ!…今更人気ものとか罰ゲームじゃないですか……く、そう…黙り、ます」
「…よろしい。では嘉多さん。あーくんとは京介さんのことですか?」
「…それを確かめ…何か…音が…え───」
「な、な─────」
「え! 嘘! いや──京たん──」
突如として、空いていた穴がぐにゃぐにゃと動き出し…私達は、壁に食べられたのでした。
◆
「これは…一体なんですの…」
あーくん発言が気になって話し込んでいたらいつの間にか壁が動き出して…裂けた穴が元に戻りました。
私達を巻き込んで。
私達の上半身はこの小さな部屋…給湯室か何かでしょうか…の壁から生え、下半身は屋外へと放り出され、身動きがまったく取れなくなりました。
嘉多さんは困惑していました。
普通わかりませんよね。
でも私にはわかります。
わかりますけど、辛いんです。
これ、多分魔法でしょうけど…
そこじゃないんです。
これ、絶対お尻が壁の向こうに晒されてますよね…なんかスースーしますし…多分スカート捲れてますよね…
ここは給湯室か何かで…先程の京介さんの格闘場所は直った壁に阻まれ見えなくなっている事から…多分お尻側の建物も同じように直っている…と思いたい。
「…皆さん携帯は?」
「制服のポケット…は──…。わたしが大きな声で呼びかけましょうか?」
「私もポケットですわ…いえ、まだ他に男共がいるかも知れません…首塚…使用人が来るまで待ちましょう。でもこれ、いったい何ですの…まあ…今更狼狽えても仕方ありませんわ。…お尻がこんなに不安なのは初めてですけど一人ではありませんしね…こんな不思議な体験を共有してしまいましたし……改めて。隣の御影市にあるグロース女学院高等部二年。生徒会、会長、嘉多桔花と申しますわ」
「大前女子高等部一年、生徒会会計、東雲詩乃と申します。確かにいろいろ不安ですね」
嘉多さんはこのような状況でも堂々としていますね。
私の不安はお尻大きさ比べ。
お尻は単品なら良いカタチをしてると思いますけど…
それにしても、魔法初体験です…でも…どうせなら…青と緑の…キラキラしたやつが良かったな…これじゃなくて。
「…大前女子中等部二年剣道部所属、飛鳥馬遊子です。そんなに不安ですか? きっと京介さんが助けてくれますよ!」
それが嫌なんですよ!! 魔法だから助けには来てもらえるでしょう! こっちの給湯室からなら嬉しいでしょう! でも…向こう側だと…この三人の並び…真ん中に私、右に魔女ゆーゆー。左に嘉多さん…
これだとお尻グランプリ一位になったみたいに! 桃な鉄道みたいに! いや!いや! 想像するだけで…死にたい…え、あああ、ウソ、なんだか催して…
「あら、大前女子の…火威さんはお元気ですか?」
「え、ええ…会長は…それはもう…元気がありすぎて…普通は三年でする人などあまり居ないのですが…」
まあ、私、スパイみたいなものなのですけどね…無心無心…
「ああ、なんとなく想像がつきますわ…お二人は恋アポを見ていらしたの?
「ええ。私、藤堂京介の幼馴染なんです。ですから心配になって」
今違う心配がダブルでやって来てますけどね! あ! 無心無心…
「私は赤城先輩の過激派をつけていたら辿り着きました。というか東雲先輩さぁ~幼馴染って死ぬほどいるんだし、さもソロっぽい雰囲気ズルくな──」
「では!! あの藤堂京介の事を教えてくれませんか?! もしかしたら探していた…あの子かも知れないのです…青金くん。あーくんに…」
そーそーその話です! その話をしましょう! でも…青金ですか…?… あ、ちょっと持ち直してきました!
良いですよー。
もっと謎くださいよー。
ルーリーは嫌ですよー。
壁尻グランプリはもっと嫌ですよー。
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