勇者召喚したけど、国王のわしの方が目立ってしまうんじゃが?ww 【異世界の命運を賭けた召喚……ではなく、じじいの承認欲求のためでした】

ぬんまる兄貴

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第8話 王様、キャバクラを満喫しすぎる

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「フッフゥ~~~~~~~~ッ!!!!!」


 
 王都の夜を、上機嫌な白ローブの銀髪男が颯爽と歩いていた。

 
 そう、ワシである。

 
 つい先ほどまで、勇者軍団が勧めてくれたキャバクラにて、至福の時間を堪能していたのじゃ……!!!


 
「いやぁぁぁ~~~!! よい店じゃった!!! まさに王のためにあると言っても過言ではない!!!」


 
 ワシは満面の笑みを浮かべながら、ふらふらと歩いている。

 身体が妙に軽い。

 魂が解放されたかのような気分じゃ!!!

 これが……キャバクラの力なのか……!!!


 
「ん……?」


 
 ふと、ワシは自分の服の襟元を直そうと手をやる。

 そこで気づいた。

 首、鎖骨、肩、そして腕……

 無数のキスマークがついておる。


 
「……む?」


 
 まじまじと腕を見る。

 銀色の肌に、クッキリとついたリップマーク。

 どう見てもハーレムを堪能した男の証。


 
 ワシ、めちゃくちゃちやほやされておったな!?!?!?!?


 
 記憶を遡る。


 
【回想】キャバクラにて


 
「王様、強いなんてカッコイイ~♡」

「すごぉ~い! さすが王様ね♡」

「えぇぇぇ!? 魔王を一撃で倒したんですかぁ!?♡」

「ふぉぉぉぉぉぉ!!!! そうじゃ!! ワシは最強じゃ!!! もっと褒めるのじゃ!!!」

「すごぉぉぉぉぉぉい♡♡♡」

「王様、もう最高~~♡」

「ちゅっ♡」

「ちょ!?!?」

「もぉ、王様ったら可愛いんだから♡」

「ちょ、待つのじゃ! ワシは可愛いなどでは……おい!! やめ……んふぅぅぅぅ!!!」



 
【回想終了】

 

「……」


 
 ワシは無言で夜空を仰ぎ見た。


 
「……これがキャバクラ……恐ろしき世界じゃ……」


 
 なぜか身体がポカポカしておる……。

 気分も、最高じゃ!!!


 
「さーて、ギルドにでも寄って、勇者軍団の成果を聞いてやるとするかの!!!」



 王様(全身キスマーク)は、足取り軽くギルドへ向かう。

 
 ギルドの扉を豪快に開け放った。


 
「おおお!!! ただいまじゃ!!!」


 
 ギルド内にいた者たちが、ワシを見て固まる。

 ギルドの受付嬢も、目を見開いてフリーズしておる。


 
「……」

「……」

「……えっ?」


 
 勇者軍団のクエスト報告を受けるために待機していたギルド職員たちが、ワシの姿を凝視する。

 
 その視線の意味。

 ワシは察する。


 
 ――キスマークのせいじゃな。


 
 いや、わかっておる。

 だが……


 
「フッ……気にするでない(ドヤ顔)」


 
 ワシは堂々と胸を張る。

 職員たちの視線がさらに微妙なものになるが、そんなものは関係ない。


 
「さて、勇者軍団はまだ戻ってきておらんのか?」


 
 ギルド受付嬢が、ハッとした表情で答える。


 
「……あ、はい。まだ戻ってきていません。」

「ふむ……?」


 
 ワシは首を傾げる。


 
「クエストの内容は、そこまで時間がかかるものではなかったはずじゃが……」

「はい、通常であれば夕方には戻ってくるはずでしたが……もう夜になっています」

「むう……」


 
 ワシの表情が曇る。

 確かに、勇者軍団は異世界転生したばかりで未熟ではあるが……

 普通のクエストで、ここまで帰還が遅れるのは妙じゃな……?



 ワシは腕を組み、しばし考え込む。

 

(……まさか……何かあったのでは……?)

(ワシがキャバクラで浮かれておる間に……)

(勇者軍団がピンチに陥っている可能性……あるのでは……?)



 ワシは拳を握りしめる。

 さっきまでのキャバクラ気分が一気に吹き飛んだ。




「……待っておれ、勇者軍団よ。今、ワシが行く!!!!!」


 
 ワシは勢いよくローブを翻した。
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