異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴

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第40話 俺のヒーロー 2

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 学校の昼休み。俺たちはサッカーのグラウンドにいた。


 
「小野寺、今日は昼休みだぞ。普通はご飯食べたり、教室でのんびりする時間だってのに、なんでサッカーしてんだよ?」



 雷丸が、苦笑いしながらボールを蹴って俺に渡してきた。俺はそれを受け取りながら、ニヤリと笑った。


 
「だってさ、俺にとってはお前とサッカーすることがご褒美なんだよ。」

「なんだそれ、ちょっと気持ち悪いぞ、お前。」



 雷丸がツッコミを入れてくるが、俺は気にしない。


 俺たちはボールを軽く蹴り合いながら、グラウンドを走っていた。昼休みの間、全力でサッカーなんてバカみたいなことをやるやつは、他に誰もいない。むしろ、俺たちが目立っていることにすら気づいていない。


 でも、そんなことどうでもいいんだ。今、俺が目の前にいるのは、あの飯田雷丸だ。


 
「よし、次はシュートだ!お前、ゴール守れよ!」



 俺がそう叫ぶと、雷丸はすぐにゴール前に立った。いつものふざけた顔じゃなくて、真剣な目で俺を見ている。


 
「来いよ、小野寺。お前がどれだけ成長したか、見せてもらうぜ!」

「上等だ、飯田!」



 俺はボールをゴールに向かって強く蹴り込んだ――


 ――が、次の瞬間、雷丸がジャンプして、見事にボールをキャッチした。


 
「おいおい、小野寺!それが本気かよ!?まだまだだな!」



 雷丸がニヤリと笑いながら、俺にボールを返してきた。


 
「くっそ……さすがだな、ヒーロー!」



 悔しいけど、なんだか笑ってしまう。


 
「ああ、今度は俺がシュートだ。お前が止められるか、見ものだぜ!」



 雷丸はボールを地面に置き、俺を挑発するように構えた。

 

「かかってこい、飯田!俺だって成長してんだ!」



 次の瞬間、雷丸はボールを蹴り出した。

 
 ボールはあっという間に俺の前をすり抜け、ゴールへ――


 
「うわっ、速っ!」



 反応する間もなく、ボールはゴールネットに突き刺さった。


 雷丸は余裕の笑みを浮かべ、腕を組んで俺を見下ろしてきた。


 
「どうだ、小野寺。まだまだ俺には勝てねぇだろ?」

「……ちっ、やっぱお前はすげぇな。」



 俺は悔しさを隠しきれずにそう呟いたけど、その瞬間、二人で爆笑してしまった。


 俺たちは昼休みが終わるまで、ただひたすらボールを蹴り合った。練習っていうか、もう遊びみたいなもんだったけど、それでも――


 
「やっぱ、お前とサッカーするのは最高だな、飯田。」

「当たり前だろ。お前がもうちょっと上手くなれば、もっと面白くなるぜ?」

「おい、聞こえてるぞ!」



 俺たちは、笑いながら昼休みを駆け抜けていった。


 

 昼休み、練習を終えてグラウンドの端っこで休憩していた俺たちは、ふとサッカーの話を始めた。


 
「なあ、飯田、お前ってなんでサッカーやってたんだ?」
俺が何気なく聞くと、雷丸はボールを手で転がしながら答える。

「ん?そりゃあ、モテるからだろ?」



 ……は?こいつ何言ってんだ?


 
「おいおい、それが理由かよ!?」



 俺は思わず笑ってしまったが、雷丸は真顔で頷いている。


 
「当たり前だろ。だってサッカーやってると女の子にキャーキャー言われるんだぞ?あんな快感、他にねぇよ。」
 
「いや、それ理由が軽すぎだろ!普通、サッカーが好きとか、上手くなりたいとかじゃねぇの?」



 俺はツッコミを入れながら、雷丸の意外すぎる理由に呆れていた。


 
「だってお前、試合でゴール決めたら、女の子たちがこっち見てくれるんだぞ?それに、お前だって、サッカー始めたきっかけなんて、どうせ女の子絡みなんだろ?」



 そう言って、雷丸がニヤニヤしながら俺に視線を向けてくる。


 
「いや、俺は……そんなわけねぇだろ!」
 
「おっ、照れてんのか?中学の頃、俺もお前が試合で『手塚ちゃん見ててくれー!』とか叫んでんの、知ってたぞ?」
 
「いやいや、あれはただの気合入れだから!」



 俺は慌てて否定したが、雷丸の笑いは止まらない。


 
「ま、冗談はさておき、サッカーはやっぱ楽しいからやってんだよ。あのボールを蹴る感触、ゴール決めたときの達成感――あれがクセになるんだよな。」



 真剣な表情で言う雷丸に、俺も頷いた。


 
「確かにな。俺もあの瞬間がたまらなく好きだよ。ゴール決めたとき、世界が俺のもんになったみたいに感じるんだ。」
 
「そうそう!その瞬間だけは、全てが俺のものだって思えるんだよな!あれがやめられねぇんだよ。」



 飯田も同じ気持ちだったらしい。

 

「……でも、お前、本当にサッカーやめたのは、足を怪我したからなのか?」



 俺が少し真剣なトーンで聞くと、雷丸は一瞬黙り込んだ。

 
 俺が知っている飯田雷丸はたとえ走れなくなってもサッカーを続ける奴だった。

 
 そして、ポツリと呟いた。


 

「……まぁな。足の筋が理由なのは間違いねぇよ。でも、それだけじゃねぇんだよ。」
 
「それだけじゃない?」
 
「俺、自分のためにサッカーやってるって思ってたけど、なんか途中から、周りの期待とかプレッシャーとかが重くてさ……それがイヤになって逃げたんだと思う。」



 雷丸が少し遠い目をしてそう言った。


 
「……でも今は、逃げてないよな?」



 俺がそう言うと、雷丸は笑って頷いた。

 

「そうだな。今はもう逃げる気はねぇよ。だって、俺にはハーレムを作る夢があるからな!」
 
「そこかよ!!」
 


 俺は思わず爆笑してしまったが、雷丸は真剣な顔で続ける。


 
「お前だって、サッカーで天下取る夢、あんだろ?俺はハーレムとサッカー両方だけどな。お互い頑張ろうぜ!」

 
「……お前、本当にブレねぇな。」


 
 俺はまた笑いながらも、心の中で決意を新たにした。


 
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